バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「歩道の模様で
車の出入りがわかる?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「歩道の模様で車の出入りがわかる?!」

バブー

ボクの家の5歳のプチモンスター。
元気いっぱいで、
道を歩いてちょっとした段差を見つけたら
あっちこっちで登ったり降りたり。
そして走り出したらあっという間に
遠くに行っちゃうし、
外を歩いているときは
ママはヒヤヒヤもいっぱい。

パリのこども達の定番移動手段、
キックボード
(学校にもこれで通学する子がいっぱい)
なんかも、
「ゆっくりママの横を走りなさい!」
って言ったって、子ども達は
す〜って滑っていっちゃうしね。

とのまりこ
パリは車の運転も荒いし、
自転車暴走族も多いし、
子どもと一緒に道路を歩くときはドキドキ。
その中でも、特に注意して歩いているのが、
建物のパーキングから出てくる車。

パリの美しい街並みを作る、
アパルトマンたち。
地下にパーキングがあるという建物も多く、
パーキングの出入り口となる扉が、
歩道に面している場所が、
いっぱいあります。


▲パリの歩道。歩道だからと言って安心はできない。
この並ぶ建物から急に車が出てくるかもしれないから‥‥。

車の中の見えるところには、
大切な物を置きっぱなしにするのはNG。
何か置いてあったらあっという間に
車上荒らしに遭遇するというパリ。
(そのため、カーナビすら取り外しタイプが多い
ということは、昔のこのコラムでも書きました)

扉のない、
開け放したパーキング入り口にしておいては、
泥棒さん入り放題なので、
利用者しか開けられないように
必ず扉がついています。


▲こんな風に、アパートの入り口扉と一見違いがわからないような出入り口も。人間も出入りするし、
実は中に入ると中庭などが広く車やバイクも出入りするというパターンの建物もあり。
これはまさに両方タイプの扉。

バブー
パリの美しい街並み・景観を守るために
昔から変わらぬ色々なルールがあるせいか、
このパーキングの扉がまたまた、
素敵なパリのアパルトマンにしっくり馴染む
色やデザインになっている場合が多くてさ、
一見、パーキングの入り口って
わからなかったりするよ。


▲こちらもまさか車両が出てくるとは思わない出入り口。
歩道に模様の法則を教えてもらってからは、子どもにもそれを教えて、
出てくる車に注意するように何度も何度も伝えてます。

そしてパーキングは大抵地下にあるから、
地下から上がってきた車は斜めになっていて、
運転席からは歩道の様子がよく見えていない。

ゆっくり慎重に出てきてくれたとしても、
歩道を歩いている側から見ると
建物から突然車が出てくるような感じ。


▲こちら、右側のパーキングの青い扉が空いたところ。
その前の歩道はだいぶ薄くなっていますが、コンクリートに模様がついています。

とのまりこ
というわけで、
歩道であっても子どもの危険を
常に注意しなくてはいけないパリ。

「車が出てくるかもしれないから、
走らないの!!止まりなさーーい!!
よく見なさーーーーい!!」
なんて大声で叫んでいることが多いのですが、
先日、友人の娘ちゃんの小学生が
目から鱗なことを教えてくれたのです。

「パーキングのあるところは、
歩道がギザギザになってるから分かるよ。」と。

?!?!?!
ほんとだ!
パーキング出入り口があるところは、
歩道のコンクリートに
線が入っているじゃないか!
今まで全く気づかなかった。
恐るべし。子どもの観察力!


▲こちらの扉前はだいぶはっきり模様が残っているのでわかりやすい。
こちらもちょうどパーキングの扉が開いたところ。

バブー
線が入っている部分は、
月日が経って、
ほとんど見えなくなっているところや、
工事したてではっきり凸凹が残るところなど
わかりやすさ具合は様々だけど、
パーキングの出入り口であるという目印が
あるということがわかったよ。


▲こちらは見た目にもわかりやすいタイプのパーキング出入り口。
でも、歩道を歩いていると、建物が並んでいる先の方は見えないので、
いずれにしても注意しないと危ないのです。

もしかしてこれ、
視覚障害の人の役にもたっているのかな??
白杖で触れると分かるということなのかな?
真相はまた今度調べておくけれど、
とにかくパーキングの出入り口の歩道には
ラインが入っている。

パリを散歩する機会があったら、
ぜひそこにも注目して歩いてみてね!


▲「ゆっくり行きなさい!」「止まりなさい!」って
叫びながら歩くことになる子ども連れ‥‥(汗)。
この写真も見返せば、まさに今日のテーマに登場するパーキングの入り口前の歩道で
コンクリートに模様がついてます。

 

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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2022-09-20-TUE

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illustration:Jérôme Cointre