「『マロン』で 幸せがやってくる?!」
パリはすっかり秋めいて、 涼しいというか寒い! って思う瞬間が増えてきたよ。 朝とか夜中とか布団にくるまったり、 換気のためにちょっぴり開けていた 窓を見つけて慌てて閉めたり。
最低気温が5度なんて表示される日も 見かけるようになって、 どうやら本格的に秋に突入したみたいだよ。 さて、そんな秋のパリから 今日は秋らしい小話を。
私たち家族が2日に1回は顔を合わせて おしゃべりする、近所のワイン屋さんの ムッシュー、ジャン・ジャック。
親戚のおじちゃんのような存在で、 日々の報告をお互いしあったり 家族の様子を気遣ってくれたり フランスの色々なことを教えてくれたり。 そんな彼が先週末レジの横から 小さな茶色いものを取り出して、 息子に教えてくれたこと。
▲レジの上に靴のまま乗せるのはどうなのよ! と 私の方がいつもツッコみたくなる状況ですが、おフランスあるあるのご愛嬌?! まるで親戚のおじさんのように成長を見守ってくれているムッシュージャン・ジャック。 いつも相手をしてくれます♪
「マロン(マロニエの実)にまつわる 秋のお話を知っているかい?? その年の最初のマロンを見つけた人には、 幸せがやってくるって言われているんだよ。 これは今日ボクが拾ったマロン。 秋になったらその年に最初に見つけた マロンを持って帰って、 前の年に見つけたマロンは捨てて交換して、 ず〜っととっておいてごらん。 幸せがやってくるから♪」
▲レジの横から「マロン」(マロニエの実)を取り出したムッシュージャン・ジャック。 素敵な秋の小話を教えてくれました♪
パリの景色の象徴とも言えるマロニエの木。 その木々もだいぶ色づいてきたなあ‥‥、 と感じていたのですが、 もう実が落ちていたみたい。
フランス語で「マロン」は マロニエの実のこと。 「栗」とは違うんです。 栗は「シャテーニュ」 姿も似ているので、ついつい食べれるのかな、 なんて考えて「栗ご飯」とか「甘栗」とか 想像してしまうのですが、 マロニエの実の「マロン」は食用ではないので 要注意!
▲パリといえばこのマロニエの木々が並ぶ美しい並木道。 この白やピンクの花が咲いているのを見かける5月から6月、 パリの街路樹にいかにマロニエが多いかを再認識します。
ジャン・ジャックが見せてくれた マロニエの実「マロン」にまつわる 秋のお話を聞いて、 さっそくプチモンスターは ボクの散歩しながら マロニエの実を探していたよ。
▲パリはすっかり秋の気配。鍋、豚汁、ラーメンetc. 温かいものが食べたいなあ‥‥と思う日が多くなってきました。
フランス全土で言われることなのか、 ジャン・ジャックの出身の地方 (モンサンミッシェルの近く)で 言われていることなのかはわからないと 言っていたけれど、 秋探しが楽しくなる小話。 マロニエの実ったら栗に似ているのに 食べれないしなあ〜なんて 今まで思っていたけれど、 今度からマロニエの実を見つけるたびに ちょっと幸せな気持ちになりそうだな♪
▲だいぶ涼しくなったと言ってもボクたちはいつも元気いっぱい! 早くボクたちもこの秋いちばんの「マロン」を見つけに行かなくちゃ。
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「シンプルシックで心地よい暮らし パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」 出版社 : 世界文化社 発売日 : 2021/5/29
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2024-09-17-TUE