- ──
- にわとりにくわしい人って
どこかにいるでしょうか?
- 友森
- そうですね‥‥、
鳥専門のクリニックもあるので、
訊いてみるといいかもしれない。
- ──
- 養鶏場は基本的にめんどりだし、
わからないかもしれないですね。
▲鳥男、何歳なんだろう?
- 友森
- ほかの動物の場合、
たいていは歯の状態で年齢を推定します。
でも、鳥男はくちばしだから、よく分からない。
でも、なんとなく‥‥若そうかな、
という気がします。
- ──
- なんで若いと思うんですか?
- 友森
- かわいいから?
- ──
- かわいいから(笑)。
*
そして、私は、
都内近郊の、鳥にくわしい動物病院に
いくつか問い合わせをしました。
しかし症例が少なく、
成鶏の年齢の判断は難しいという回答でした。
でも、みなさんからお話をうかがううち、
いくつかわかったことがありました。
産業動物としてのにわとりの寿命と
ペットとしてのにわとりの寿命は、
差が出ること。
つまり、卵をたくさん産んで体力を消耗したり、
お肉になるための食餌とそうでない場合とでは、
寿命に差が出てくるようです。
鳥男はあんなに人になついてるから、
ペットとしての寿命を
参考にすればいいかもしれません。
▲とにかく鳥男は人なつっこい。
そして、もうひとつ確認できたのは、
にわとりはキジの仲間だが、
人間が家禽化したもので、
基本的に人が世話をしなければ生きられない、
ということでした。
やっぱり、野生の鳥とは扱いを
別にしなくてはいけないようです。
食用ではなく、鑑賞愛玩動物として
たくさんの種類のにわとりが
飼われていることも知りました。
めんどりも卵を産むペットとして
飼育している人がいらっしゃるようでした。
そして、大阪の天王寺動物園で、
鳥男によく似たおんどりが2羽、
飼育されている記事を読みました。
この2羽は、ほかの肉食動物のために提供された
生き餌のヒヨコだったのですが、
餌に選ばれなかったことが数度重なり、
生き延びて大人になったにわとりなのだそうです。
動物園なら教えてくれるかもしれない。
私は天王寺動物園に行ってみることにしました。
▲大阪の天王寺動物園。通天閣の近くです。
▲しろくまやかばなど、たくさんの動物がいました。
とても立派で、大きな動物園です。
ここに、ほんとうに、
にわとりがいるのだろうか。
▲園内で、にわとりを感じさせるものに出会いました。
いるのだろうか。
いました。
いました!!
▲自転車に乗って登場。通天閣をバックに。
自転車に乗るのが大好きな
よしとくんと。
▲歩くのが速い。
飼育員さんについて歩くのが
大好きなまさひろくん。
いました、2羽、いました!
まさひろくんがたのしそうに
園内を闊歩するようすを
動画でもごらんください。
まさひろくんとよしとくんは、
生後2日で出荷され(ヒヨコ時代)、
生き延びて園で暮らすことになり、
ほぼ2年ほどの年齢になるそうです。
2羽の月齢は数か月の差です。
「生き餌」になるタイミングを
数度乗り越えたことから、
幸運のにわとりとして人気と聞きます。
とにかく、2羽とも、
鳥男と同じで、とてもたのしそうにしています。
やっぱり、にわとりは人に慣れるんだ。
▲天王寺動物園の西村慶太さん。
飼育員の西村さんが、
にわとりのことを、たくさん教えてくださいました。
にわとりのこと、そして、
鳥男のことを──。
(つづきます)
今回わかったこと
1)天王寺動物園には2羽にわとりがいる。
2017-08-11-THU
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN