51、「ジャイボーグ」
うちのチビ、三歳間近。
この時期のチビの言うことはおもろくて大変だ、
とまわりの人たちに言われていたので
わくわくして待っていたかいがありました。
先日も「ママ、ハナクソ包帯?」
と何回も聞かれたのですが、
さっぱりわからずに
しばらくそのままにしておいたら、
その後、
「ハヤタ隊員はハナクソ包帯」
と言っていたので、
「わかった!科学特捜隊だ!」
ということがわかりました。ふう。
転んだとき、私が頭をぶつけたとき、
彼がいつも「ジャイボーグ!」とはっきり
カタカナで言うので、
ああ、これは「大丈夫!」のことだな、
とすぐにわかりました。
ジャンボーグAとか、
サイボーグのことではないんだな~って。
大丈夫、というのは私のほとんど口癖で、
電話などでも百回くらい言うので、
彼にもすごく使いやすい言葉となっていたのでしょう。
最近では私までもが改悪されてきて
「チビちゃん、もうジャイボーグだよ、熱くないから」
なんて自分でも言うようになってきていました。
そう、そしていやな予感がしていたのです。
絶対にこれを外で使ってしまいそうな予感が。
その予感がひしひしとあったので、
私はものすごく気をつけていました。
なにせ一日百回言うような言葉ですから、
喫茶店でも、仕事の電話でも
常に気をつけていないといけないのです。
でも、気がゆるむことってあるのですね。
不動産屋さんと電話していて、
しかも最も大人度が要求される場面でした。
不動産屋さん
「会社の登記簿謄本のコピーは
すぐに取っていただけますでしょうか?」
私
「ジャイボーグです!」(きっぱりと)
相手は聞いてないふりをしてくれましたが、
私はもう、真っ赤でした。
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