2匹のねこがやってきて、去ってった。〜牛と海苔の思い出〜あれは4月のことだった。我が家に2匹のねこがやってきた。誰に飼われているのか、名前も、性別も、年齢もわからない。わかっていることは、同じ家で飼われていたっぽいということだけ。5か月間の共同生活の記録を、「文と写真:ゆーないと」でお届けします。
第25回

ほんとうの飼い主・Hさんが、面会に来ることになった。
他に用があるわけでもなく、
うちに、牛と海苔に会いにくるためだけに
福島から来られるのだから、
そうとう、かわいがっていたんだと思う。

ミグノンさんが保護していた、
Hさんの家にいた他のねこ2匹の預り先が
ちょうどいいタイミングで決まったらしく、
その2匹もうちに寄って、
合計4匹のねこと、ほんとうの飼い主さんが来るのを待った。
何ヶ月ぶりの再会だろうか。

駅に迎えに行き、おしゃべりをしながら、
家に向かった。
「鼻が白いほうが、かわいこちゃんですよね?」
「ああ、うーん、そうだっけなぁ」
「まあ、これから会えますからね。
 ふたりとも、いい子で、元気ですよ」
「ギャオは、悪いからねぇ」
ギャオ(海苔)はとにかく、悪いらしい。

家に着いて、まず。
「かわいこちゃ〜〜〜〜〜ん!」
と言いながら、海苔に駆け寄るHさん。

・・・!

なんと、逆だったのだった。

こっちが、「かわいこちゃん 1歳」で。


こっちが、「ギャオ 元ノラ猫年齢不詳」。


衝撃だった。
わたしには、まったくしっくりこなかった。
家族の一番のお気に入りの、かわいこちゃん(海苔)と、
悪い子だ悪い子だ、と言われていたギャオ(牛)。
その2匹が、いまは「牛」と「海苔」として、
キャラクターも少し変えて、東京で暮らしている。


福島に帰る日まで、
たくさん遊んで、たくさん笑おうね。

(つづく)

2011-10-15-SAT
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