いま、「ゴーゴー・ミッフィー展」の
グッズのサンプル見本が届いてるんですよ。
(この取材は4月13日に行いました。
5月10日まで、松屋銀座で
「ゴーゴー・ミッフィー展」は
開催中! 会場にグッズも並んでいます)
全員
見たーい!
よし、見本、見せちゃお!
全員
うわーい(拍手)。
どれから見てもらおうかな〜。
あっ! でも、その前に、そうだ!
うさこちゃんの本のほう、見てくれる??
全員
見たい!
今回、祖父江さんは、
福音館書店から出ている
うさこちゃんの絵本のシリーズの
デザイン改訂をなさったんですよね。
印刷の色が、オランダの原書に近くなったり
フォントが変わったりしてるんです。
はい、ちょっと、よーいしょっと。
ジャーンジャージャーンジャー。
ならべよう、ならべよう。
ならべよう(笑)!
勢揃い〜。
こんなにあるんだね。
並べると楽しい!
わあーい(拍手)。
これは確かに
ほんとにフォントが変わってますね。
えー、すっごい、だじゃれ、お上手。
全員
わはははは。
で!
全員
で!
いよいよグッズ。
見本のサンプル登場。
まずはこれ!
全員
わ、何? 透明?
これ、ハガキなの。
全員
ハガキ?(ざわざわ)
写真にうまく撮れない。
アクリルなんですか?
郵便で送れるんですね。
ハイッ!
120円切手で郵送できるんです。
ぼくはうさこちゃんスケールとして
使ってます。
特に
『1才からのうさこちゃん絵本 1』
を持っていると
さらにだんぜん楽しいことになっちゃうの。
なぜっかなー。なぜっかなー。
(なぜかなー?)
『1才からのうさこちゃん絵本 1』のセットは
ぜんぶで4冊になっております。
『ちいさなうさこちゃん』
『うさこちゃんとうみ』
『うさこちゃんとどうぶつえん』
『ゆきのひのうさこちゃん』
さいしょに描かれた
「とんがりみみのうさこちゃん」のセットは、
春、夏、秋、冬という季節の構成に
なっております!
へえぇ。
そして、このハガキ、何と!
全員
あっ! もしかして。
ちっちっちっちっちっちっち、
シャキーン。
ぴたっ。
おやおや不思議、消えちゃった。
あれーっ? どこにいったのかな?
ううう、写真でうまく撮れない。
ちっちっちっちっちっちっち、
こっちにも乗せてみよう。
あー、めはなくちがぴったりで
からだの大きさもおおむねぴったりなの。
全体的には、だいたい同じぃぃ。
だいたい同じぃぃ(笑)。
「だいたい」がふしぎ!
ちっちっちっちっちっ
ちっちっちっちっちっちっち、
(ものを探したり移動する間は
祖父江さん、この「ちっちっち」がつづきます)
あっ、この絵もだいたい同じなのに
顔も角度だけが傾いてる!
違うんだ。
ほんとだ。
微妙だけど、ほぼ同じぃぃぃ。
なんで微妙にちがうのかな?
それはね、ブルーナが
いい絵ができたらそれをトレースして
おなじ輪郭のうさこちゃんを
何回も何回もくりかえし描いてるからなの。
おもしろいでしょ?
顔の角度だけ変えてトレースしてるんだね。
でね、この4冊はそれぞれに絵本の中にも、
表紙とまったく同じ絵が
使われてる‥‥ように見えるけど、
実は、同じ絵じゃないの!
すごいでしょ! 知ってた?
え? どういうことですか。
このスケールをあてて確認してみましょう!
ぴっぴっぴっぴ、
『うさこちゃんとうみ』は、
表紙はみみが
きもちまるみをおびてるので、
スケールをあてると
みみのとこがちょっと出てますね。
はい。
だ・け・ど、
本文はとんがりみみ!
これ! どうして‥‥ちがうの?
『ちいさなうさこちゃん』の
青いバックの絵と
本文の黄色いバックの絵。
まったく同じように見えますが、
まず足に注目してください。
表紙の左足は
微妙にかくかくしてるでしょ。
本文の左足はややまるいんです。
それから、口のばってんの形も微妙にちがうの。
でも、これはスケールあてるよりも
眼でくらべたほうがわかりやすい。
ブルーナさんは、
本文用と表紙用とで
同じ絵をそれぞれに2回ずつ描いてたんですね。
ふつうに考えると、ムダでしょ?
効率がすごく悪い。
製版で流用すればすむのにね。
わざわざもう一度、
しかも描き方がとってもゆっくりで、
1本のラインを引くのに
すごく時間をかけてるの。
ムダのないシンプルな絵だけど
さらりとは描かれてないんですよ。
全員
はぁぁぁ〜。
でもね、そんなムダだと思われちゃう行為、
これがなんと、
さっきのニット
と同じ、手作りな感じ!
つまり、そんなふうにムダかもしれないことを
ていねいにやることって
じつはとても大事なんです。
特に子どものための絵本にはね。
ああ! うん、うん。
この絵も、足の開き具合が
微妙に表紙と本文ページとで
ちがうでしょ。
よく見ると、ちがいますね。
ブルーナさんは、こうやって、
あえてムダだと思われることをやってるんです。
子どもに本を贈るための作業を
ここまでハートフルに。
うう〜ん。
『1才からのうさこちゃん絵本 1』と
この透明のアクリルハガキがあれば、
ばっちりわかっちゃうの。
セットで贈ると、
子どもはいろんな遊びができて、
おおよろこびかもかも。
落書きだってアクリルにすれば
何回だってできちゃいます。
ああ、それはおおよろこびですね。おもしろい。
日本のうさこちゃん絵本では、
著者のブルーナさんが表紙用に描いた絵を
こうやってちゃ〜んと表紙に使ってますが、
オリジナルであるオランダ版の今の絵本は
なぜか中の絵を流用してるんですよ。
エッ、そうなんですか。
どうしてでしょうか。
どうしてなのかわかんないんです。
もったいないなぁって思ってます。
オランダでも、初版は、
日本版と同じように
表紙と中の絵が違うんですが、
途中で変わっちゃったみたいなの。
印刷所の製版の人が
中の絵をそのまま使ってると思い込んで
間違えちゃったりしたのかなぁ。
‥‥でも、
「表紙用に同じ絵をもういちど描く」
というのは、
1963年に描かれたこの
『1才からのうさこちゃん絵本 1』
のセットまでなんです。
それ以降に作られた絵本では、
中の絵を表紙に流用してるんですよ。
なので、オランダ版についても
ブルーナさんが、ほかのセットと合せるために
表紙と中を同じ絵にそろえたいということで
揃えられたのかもしれません。
そのあたりは謎のままです。
知らなかったなぁ。
おもしろいでしょ?
このハガキのアイデアを
ぼくらが最初に書いた紙はどこかな?
ええっとこの紙の束のなかにあります。
どれだろう、いっぱいありすぎて‥‥
どっかにあるよ、あるよ。
ジャンジャンジャーン(さがせ、という音楽)。
ジャジャジャジャーン(さがし中)。
ジャジャジャジャン
ジャンジャジャジャジャジャンジャーン、
ジャンジャカジャンジャジャカ
ジャンジャンジャンジャカ、
ジャンジャンジャカジャカ
ジャンジャンジャン、
いっぱいあるからね、ジャンジャ‥‥、
ありました〜。
これね!
ほら、シルエットと
ほぼぴったりに重なるように、って
書いてあるでしょ。
ほんとだ。絵本にのせるとたのしい、と。
たのしい! たのしかったでしょ。
はい、実際にたのしかったです。
『1才からのうさこちゃん絵本 1』
だけじゃなくて、
ほかのセットにも
このハガキのシルエットに合うものがあるから、
さがしてみると、たのしいです。
ほらこれも、
ドキドキしますがやってみましょう!
ほ〜ら、ピタッ! ほぼ同じぃぃ。
全員
ほぼ同じぃぃ。
もしかして、ここでみんな、
うさこちゃんはみんな
シルエットが同じなんだ、と思うでしょ?
うん、うん。
「なぞってるんだ」って思います。
そーそー。
なぁーんだ、なぞってるんだ、
それをぼくは知ってるよ、
知ってるよ、知ってるよ、
じゃ、これはこれは?
全員
あ‥‥‥
ぜんぜんちがーう。
うわー、変わった!
耳がまるくなった。
わはははは。
全員
わははははは。
ここまでのどこかで、うさこちゃんの
ベースとなる形が変わったんですね。
どこで変わったんでしょうね。
こ‥‥このハガキだけで。
そうね(にっこり)。
全員
永遠に遊べそうな気が!!
透明ハガキの見せびらかしだけで、
こんなにかかっちゃった。
これじゃ終わらないね。
(つづきます)
2010-05-03-MON