お話:吉岡秀典さん
赤塚不二夫展ご担当として、
以前「ほぼ日」はお世話になりました。
今回訪問した際には、楳図かずおさんの
本のデザインをしていらっしゃいいました。
「コズフィッシュがどんな感じの会社って?
難しいですね(笑)。
勤め出してから、うん、けっこう長いです。
自分はこれまで意外と
勤めが長続きしなかったんですが、
もうすぐ7年です。
なんだかあっという間に時間が経ちました。
ですから、あまり疑問も感じずに
ここまで来ましたね。
忙しいかって? ‥‥うん、忙しいけど
どこも忙しいですよね?
糸井事務所も忙しいでしょ?
祖父江さんのことですか?
祖父江さんはね‥‥あのね‥‥、
自分はいままでの会社で、
上司と話しても、なんだか
言ってることがよく伝わんなかったんですよ。
自分の言葉が足りないことも原因なんですけど、
こういうふうにしたら
おもしろいんじゃないですか?
と言ってみても、全然だめだめ、みたいな感じ。
唯一、祖父江さんは、
案を見せただけで伝わる人でした。
あ、おもしろい、って言ってくれた。
だから、自分はやりやすいなと思っています。
言われて落ち込んだことですか?
基本的に、ダメ出しはされたくないので、
されるようなときには見せないようにしてます。
そのぶん、ちょっと抱えちゃうんですが、
自分で完全に行けるだろうというところで
見せるようにしています。
祖父江さんを見てて
いちばん勉強になることは‥‥、
追い込まれたときにまったく
プレッシャーがなくなってる、という姿です。
あれはすごいなと思ってる(笑)。
ものすごくギリギリのときに、
どういうわけか、シーンとなるんですね。
よくああいう状態になれるなぁ。
自分はけっこうあわてやすいんで、
あ、どうしよう、どうしようって
すぐに思うんだけど、
横の祖父江さんをふと見ると、
大丈夫なのかな、ってちょっと思える(笑)。
意外とどうにかなるのかな、という方向で
考えられるようになりました。
デザインの案を出して、昔は祖父江さんに
いろいろ描いてもらって、
それを元に再考したりしたけど、
いまはずっとそのままじゃまずいなと
思っています。
ちょっと言われたら
もう一回やってきます、というふうにしてます。
祖父江さんから学ぶいちばんのことは、
やっぱり、妥協しないところかな。
あの、粘る感じがやっぱりいいと思うんです。
楽にはできないけど、でも、
そこがおもしろいところのような気がします」
|