祖父江さんについて、あれから
いろいろ思ったんですけど、
うーん、なんでしょう、
ひと言でいうと、あのたのしさですね。
あのたのしさは、すごいなぁ。
糸井さんもそうなんですが、
仕事をするなかで、
「遊ぶ、たのしむ」ということを
ご自分もあんなにやるし、
周りにもそうするようにおっしゃっています。
それなりにぼくらも
できるようになってきたんだけど、
あれぐらいしなきゃだめなんだな!って
ほんとうに思いました。
ぼくたちが訪れたあの場でも
あれだけ遊ぶ感じは、すごいですよね。
「いいと思えるプランを思いついたら、
一直線にそこに向かってすすみ、
そこから外れないように完成させる」
ということをやりがちなんですけど、
寄り道や脱線して転がっていった場所のほうが
ほんとうだということを
おっしゃっていたように思います。
だってそっちのほうがいきいきしてるから。
糸井さんも、いつもそうしてることですが、
祖父江さんは、ふだんいっしょにいないぶん、
新鮮に思えて、そのことが改めて
よくわかりました。
デザインについては、
マーケティングはしちゃだめで、
自分がいいと思うものについても微妙だ、
と、祖父江さんはおっしゃっていました。
それよりも、ものをつくるときに
どれだけわくわくしてるかということのほうが、
裏切りが少ない、嘘が少ない、ということも
よくわかりました。
たしかに、自分の
うまくいったケースを振り返ると、
いいものを作る、ということには
「自分がほんとにわくわくしているかどうか」が
関係していると思います。
あとはね、ほんとにあたりまえの話なんですが、
祖父江さんはとっても目がいいな、と思いました。
それぞれの制作物を出したとき、
瞬時にすべてが見えていらっしゃいました。
デザインしたものというのは、ある意味、
意図したことの集合体ですから
それを意味のかたまりとして
パッととらえられるんです。
まぁ、あたりまえのことだけど、
それにしてもすごいな、と思いました。 |