株式会社三越伊勢丹
ご担当者さま

いつもお世話になっております。
ほぼ日刊イトイ新聞です。

これから「ほぼ日」では、
「ほんとうに欲しい白いシャツ」をテーマに
「白いシャツ」にまつわるあれこれを
コンテンツにしていきたいと考えています。
ゆくゆくは、ほぼ日オリジナルの
「白いシャツ」を作ってみたいという気持ちもあります。
とはいえ、シンプルなだけにつかみどころのないのが
「白いシャツ」。
わたしたちも、まだ「なにもわかっていない」状態です。

そこで、まずは白いシャツにまつわるひとたち、
詳しいひとたちにお話を聞いてみたいと考えています。
つきましては、世界中から白いシャツが集まっている
伊勢丹新宿店で、白いシャツプロジェクトメンバーが
白いシャツを購入するお手伝いをお願いしたいと思います。

さまざまなブランドの特徴に触れながら
自分にあったお気に入りの一着を見つけるまで、
おつきあいくださいませんか。
この「白いシャツを買う」ということそのものを
コンテンツでもとりあげたいと考えています。

<やりたいこと>

婦人服、紳士服、いろいろなブランドの白いシャツを
セレクトしていただき、
婦人、紳士、それぞれのバイヤーの方から、
そのシャツの特徴などをうかがいながら、
世代も性別も趣味も違う、
白いシャツプロジェクトメンバー
(男性3人、女性3人)がそれぞれ1枚ずつ、
白いシャツを購入するまでの
お手伝いをしていただきたいと思います。

<取材について>

婦人服の日、紳士服の日と2回にわけて
取材をさせていただきたいと思ってます。
できましたら、ブランドやフロアごとではなく、
まとめて、試着室を使わせていただけると
大変ありがたく存じます。

ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。


企画書を送った先は、
イセタンさんの宣伝部の、コバヤシさん。
「調味料マニア。」
「ジョージさん」まわりのコンテンツ
お世話になっているかたです。
そうして待つことしばし、のつもりが、
あっという間に返事をいただきました。
お世話になります。
白いシャツは商品群としても定番で、
シーズン問わず欠かせないものですし、
スタイリストさんからのお貸出しの要望も
非常に多いアイテムです。

まとめてご試着を、というところですが、
たしかに昔はアイテム単品フロアが主流だったので、
「見比べ」「着比べ」が簡単でしたね。
最近はコーディネイトでの提案が多いので、
百貨店で探すのは結構たいへんかもしれません。

フロアにお越しいただく前に、まずは、
紳士服、婦人服、それぞれのバイヤーや、
商品を担当しているものと、
一緒にお話しできればと思っております。
○月×日△時でご都合いかがでしょうか?
私も現場ヒアリングをしておきますね。


わあ、前向きなお返事をいただいた!
バイヤーさんというのは、
「買い付け」担当のかたですよね。
そして「商品を担当」しているというのは、
現場(売り場)のかたかな?
ともあれきっとみなさんは「白いシャツのプロ」。
さあ、どんな話がきけるだろう?

そうしてやってきた○月×日△時、
場所は伊勢丹新宿店(の近くにある)会議室。
ぼくらを待っていてくださったのは、
紳士服、婦人服、それぞれの部署から
「白いシャツ」に深くかかわっているみなさんでした。
まず、シャツ&ジャケット姿がバッチリ決まった
男性ふたり。
「佐藤さん」は、シャツとネクタイのバイヤー、
「岡田さん」は紳士服の全般の販売計画を
担当しているそうです。
婦人服からは女性が3人。
フロアの担当は違うそうですが、
商品担当のマネジャーである
「清家さん」と「林さん」、
そしてアシスタントバイヤーの「小島さん」です。

△ 当日の様子。この日は取材というより打ち合わせだったので、
  写真をちゃんとおさえておらず、すみません。

画像からはわかりにくいんですけど、
みなさん、とってもおしゃれ。
ぼくは、おもわずこう訊いてしまいました。
「伊勢丹のかたって、みなさん、新人のころから、
 こんなふうに高感度なんですか?」と。
すると、佐藤さんいわく。
「いえいえ! そうじゃないものがほとんどじゃないかな。
 私も、最初はダメダメでしたよ。
 新人のころ、つけていったネクタイを、
 そんなダサいのをつけてくるな、と。
 そして『これをつけろ、これだけあれば大丈夫だ』、
 そこからのスタートでした。
 きびしい先輩のもとで鍛えられていくんですよ」

うっひゃー!
その日、ぼく(武井)は、ちょっとはりきって、
お気に入りの白いシャツを着ておりました。
eYeっていうブランドの、
丸襟のオックスフォードシャツです。
自分としては、いっちょうらです。
とてもシンプルなつくりで、ややタイト。
デザインも好きだし素材もいいし、
サイズもそんなに外れているわけじゃないんですけれど、
ぼくは「ずんぐりむっくり」なうえに「なで肩」なので、
どうしても肩まわりにしわが寄ってしまう。
ぼくにとってシャツって、
それはもう「しかたのないこと」で、
よっぽどのことがないかぎり、「お直し」はせず、
そのまま着ることにしています。

でも、見るからに、ちがうのです。
佐藤さんや岡田さんは。
なんていうんだろう‥‥「シュッとしてる」というのかな、
タイト目なんだけれど、小さいわけでははなく、
「身体に寄り添って」「ちゃんとしている」感じが、
すごく、します。
なんだかちがいますよね、ぼくのシャツと、
みなさんのシャツって。
「いえいえ、武井さんも、
 白いシャツが、とてもお似合いですよ。
 きれいに着ていらっしゃると思います」
と、佐藤さん。
おお、そうですか! よかった。
でもねえ、この、しわが。

「たしかに、自分にぴったりの白いシャツを見つけるのは、
 むずかしいと思われるかもしれませんね。
 そのブランドが好きだけれど体型がすこし合わない、
 というかたのなかには、自分の体型に合わせて
 『お直し』をなさるかたもいますよ」

ズボンの丈やジャケットの袖を直すように、
ブランドのシャツも、お直しをする人がいるんですね。
そういえば、知人のさらに知り合いの、ある作家のかたは、
某ブランドのシャツがお気に入りなのだけれど、
かならず、じぶんで、裾を2センチ、
みじかくして、着ているらしい。
そのバランスが自分にはいちばんいいから、と。

ぼくは、いちど、伊勢丹さんじゃないところで
輸入物のセールでいいシャツをみつけて、
でもやたらと袖が長かったので
お直しをしてもらったんです。
それを洗濯機で洗ったら、縮んでしまって(自分が悪い)
つんつるてんになり、
けっきょく半袖にしちゃったことがありますよ。
それからなんだかちょっとこわくって。
でも、それとは別に思うんですが、
紳士服って、デザインというかサイズが、
細身になってきていませんか。
小さい、ってことじゃなくて、
まえはもうちょっと「だぶっ」としていたのが、
「ぴたっ」になってきた感じがします。

「一般的なファッションブランドは、
 そういう傾向にありますね。
 けれども、ジャケットの下に、
 だぶつかせずに着るための、
 シャツ専門メーカーのシャツは、
 もともと、そういう傾向があります。
 ぼくらがきょう着ているのは、
 そういうメーカーのシャツなんです。
 白いシャツって、ブランドの各コーナーで
 探すのも、もちろん楽しいんですけれど、
 紳士物にかぎっては、こういった、
 シャツ専門メーカーのつくっているシャツが
 一堂に会しているところがあります。
 そこに、白いシャツもあるんですよ。
 ご存知ですか?」
ん? 伊勢丹には、月に4、5回は行っているわたくし。
メンズ館もそれなりに踏破しているつもりなんですが、
白いシャツがいっぱいあるコーナーって、
あったっけ?!

(つづきます!)
2015-01-22-MON