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いやぁ、アッコちゃんさ。
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なぁに。
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あわただしい日々じゃん?
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(笑)いきなりなんなの?
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年末が近いと必ずなる。
いっつも、こうなっちゃう。
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ま、なるね。
そんなときに、こういう方々のことを思うわけですよ。
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そうですね。
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こういう動物たちの生態を見て、
自分がこの方々だったらどうするか。
そういうことを考えます。
たとえば「自分がハゲコウだったらどうするか」。
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今日この場に、ハゲコウはいませんけども、
どうするか。
そりゃあ、ぼくは考えたことがありますよ。
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あるんだ(笑)。
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とくにハゲコウには注目しています。
千葉の動物園にも見に行ったことがあるくらいです。
アフリカハゲコウ、動物園から 一度逃げたことがあるんだよ。
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そうなの?
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うん。でも、こんなやつが街の中にいたって、
動物園にいるような鳥とはわからないでしょ?
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そうよねぇ。ハゲコウは
頭に羽毛がないんだけど、それは
「頭部を死体につっこんだときにつく
バクテリアを直射日光で消毒するのにも
都合がいい」
ということらしいよ。
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都合がいい(笑)。
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都合なんだって。
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動物はたいてい、都合だよね。
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そうね。
そういうところにわたしたちは
感動するんだよなぁ。
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そこで、今回はこうして、
「矢野が歌ったどうぶつたち」というテーマで
数回の対談にしてお届けすることにしました。
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そうだったの(笑)?
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で、まずは今日は、ヒヨコ。
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ヒヨコ。
歌いました。
「夢のヒヨコ」です。
でも、私が書いたのではありません。
(「夢のヒヨコ」は
『エレファントホテル』に入っている曲なので
今回の「さとがえる」のための紹介VTRがあります。
矢野さんちの、ねこのチーズも登場します)
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ぼくが作詞です。あなたは歌いました。
これはフジテレビの「ポンキッキーズ」のために
作った歌でしたね。
ヒヨコについて、思うことはありますか?
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鳥類はこれまで、ふれあう機会が
それほどなかったので、あまり思いません。
この「夢のヒヨコ」には
「3000万人コドモがいたら
なんでもできそうなきがするよ」
という歌詞が出てきますが、
わたしはいつもそこを歌うと
ヒヨコがそんなにいたらすごいことになるな、
と思っています(笑)。
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そりゃ、まっきいろだね。
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うん。数がいる強み。
ヒヨコにはそういうところがあるよね。
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ぼくがこの「夢のヒヨコ」を書いたヒントには
じつは、谷川俊太郎さんの詩があるんです。
小学生たちがおしゃべりしてる詩なんですけれども、
その詩の中に、ヒヨコという言葉が
あったかないか、わからない。
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子どもって、ヒヨコっぽいね。
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うん。
谷川さんの詩から連想して、
小学生といえばヒヨコ。
「ポンキッキーズ」を見る人たちのことを思って
書きました。
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ときどき、大人になった若者が
「あれ、好きだったです」とか
言ってくれるのがうれしいです。
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アッコちゃんは、
どうぶつとか宇宙に関することには
たいてい興味があるよね。
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ある。
だいたい、それで1日をすごしています。
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小学生の男の子みたいだよね。
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なんでみんなは、宇宙とかどうぶつとか、
アリンコの生態とかに興味がないの?
「不思議だなぁ」なんて、
わたしはとっても感心するんだけど。
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とくに女の子は、そんなことより
人間関係に興味が行っちゃうんじゃないかな。
「好きかしら」「どう思ってるかしら」
「いけずだわ」とかね(笑)。
アッコちゃんは、人間関係に
興味がないんじゃない?
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そんなことはない。
人間も好きなんだけど、
どうぶつがもっている魅力のほうが、
勝る‥‥っていうか。
だって、どうぶつは毎日のことが
直接「生死」に関係するでしょう。
そういうなかで、みなさん健気に、
いや、本人たちは
健気だなんて思ってないけど。
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そうそう。
ただただ、まじめにね。
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まじめに生きてる。
「ゆかいないきもの」とか
「へんなかたち」とか
わたしたちは勝手にカテゴリーをつけてしまうけど
本人たちはぜんぜん
へんとかゆかいとか思わずに、まじめに。
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「どこがおもしろいんだよ?」と思ってる。
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彼らからしたら
わたしたちのほうがよっぽどゆかいでしょう。 |
(明日につづきます) |
イラストレーション:東久世
写真:松本昇大 |
2013-12-02-MON |