永田農法というノウハウを共有できるものに
ほぼ日 『だれでもつくれる永田野菜』という
DVDの販売を「ほぼ日」で始めてから
3回目の春を迎えようとしてます。
諏訪 そうですね。早いですね。
ほぼ日 このDVDには、
「ほぼ日」だけの購入特典として
永田農法にまつわるさまざまな疑問を
問い合わせることができる
「しつもんチケット」がついていました。



諏訪 はい。
ほぼ日 このDVDのプロデューサーでもあり、
ご自身も永田野菜を実践されている諏訪さんは、
「しつもんチケット」を通じて寄せられた質問に、
2年間、ずっと答え続けてきたわけですけど、
振り返ってみていかがですか?
諏訪 最初にこの企画を聞いたときは
「これは大変だぞ」と思いましたが
もう、2年間続いてますね。
ほぼ日 数えてみると
諏訪さんがこれまでに答えた「しつもん」は
全部で200以上になるんですよ。
諏訪 そんなになりますか。
ぼくでは答えきれないものは
永田農法の創始者、
永田照喜治先生に直接問い合わせたりしてね。
でも、みなさんから送られてくる
「うまくいかない!」
「どうしてこうなっちゃうの?」
「もっと詳しく知りたい」
という質問に答えていくのは
とてもたのしいことでした。
自分が20年くらい前、
家庭菜園を始めたころに感じた疑問と
すごくよく似てるんです。
ほぼ日 とくに、DVDを発売した2006年は、
偶然、全国的に天候が不安定な年で、
はじめて野菜づくりをされる方だけでなく、
プロの農家でも栽培が難しい年でしたしね。
諏訪 予想はしていましたけど、
驚くほどたくさんの質問が届きましたね(笑)。
おかげさまで、ぼく自身も勉強になりましたし、
たくさんのノウハウを蓄積することができました。
ほぼ日 そして、その「しつもん」と、
諏訪さんの解答を集めて、
「Q&Aブック」という本を作りました。



諏訪 今では購入者全員に配ってるんですよね。
DVDの中では説明しきれなかった、
気温の低い地方での栽培方法などを
補完する付録になったと思います。
DVDとこの「Q&Aブック」の組み合わせは、
永田先生に直接指導を受けることを除けば、
永田農法を学ぶうえで最良ではないでしょうか。
ほぼ日 そういえば、
このDVDの企画者である糸井重里は、
よく、永田先生に、
「永田農法のノウハウを
 棺桶に持っていかないで、
 きちんと後世に残してくださいね」
と言っていましたが。
諏訪 そうですね。
それがこのプロジェクトの
基本コンセプトですから。
糸井さんがおっしゃっていた、
「永田照喜治という
 一人の天才が生み出した
 永田農法というノウハウを
 きちんと映像コンテンツとして残し、
 財産としてみんなが共有できるものを作りたい」
という提案をDVDという形にまとめることができて
本当によかったなと思います。
ほぼ日 さて、今日は、この春から、
永田農法に取り組む人のために、
「永田農法の基本的なこと」を
諏訪さんにあらためてうかがってみたいと
思っているのですが。
諏訪 わかりました。
これまで、永田先生と一緒に
いろんな産地をみてきた経験を
ぼくなりにまとめて
「永田農法10か条」というのを
作ってみたんですよ。
まずはそれからお話しましょうか。
ほぼ日 おねがいします!
 
(つづきます)
2008-04-09-WED