2021年の夏、東京では
横尾忠則さんの作品があちこちで見られます。
国内外の団体がここぞと力を出し合い、
類稀なる存在をあらためて知らしめる、
しずかで大きな芸術活動です。
ほぼ日もそのちいさな一端を担います。
吉本ばななさんは、
横尾忠則さんと糸井重里の対話の連載
「YOKOO LIFE」を、
気にいって読んでくださっていました。
いったい、どこがお好きだったのでしょうか。
そして、絵画や文学の果たしている役割とは。
- ──
- ばななさんは多方面で
いろんな活動をなさっています。
こうやって取材もお受けいただいて、
ブログも書いていらっしゃるし、
ほぼ日の學校にも出ていただいたりして、
いったいいつ小説を書いているのかな?
さらに、ちゃんと寝てるのかな? と、
ハラハラします。
- 吉本
- すごく寝てますよ。小説も書いてます。
いまやってるのは
『吹上綺譚』のシリーズの4巻目。
長編としては完結編のつもりです。
- ──
- どうやって時間を見つけて
あの大作を書いておられるのか不思議です。
小説を書くのってとにかく大変だと思うので。
- 吉本
- そうですね、小説って、
やっぱり大変ですよ。
- ──
- はい。
- 吉本
- 書くのも大変だけど、
やっぱり伝わり方も難しいんだな、って思います。
- ──
- 受け手がどう取るか‥‥小説となると、
絵画とおんなじで、ものすごく自由ですね。
- 吉本
- 人それぞれ、違う読み方をしていただいても
いいと思って、出しています。
でも「コアなところ」は伝わってほしい、
という気持ちもあり。
- ──
- ばななさんが書かれる動機のような部分は、
読者として読み取りたい気持ちがあります。
ところで、ばななさんは、
いま状況がたいへんで、脚を骨折なさっていて‥‥。
- 吉本
- そうなんです。
- ──
- 7月17日の横尾さんの
東京都現代美術館のオープンまでに、治る感じは。
- 吉本
- ギリ、ダメです。
- ──
- そんなにかかるんですね。
スタスタスタ、と行ける感じでは‥‥。
- 吉本
- バリバリ、ダメな感じですね。
- ──
- 東京都現代美術館の展示は
10月17日までやっているのですが、
ちなみに、全治‥‥
- 吉本
- 3ヶ月です。
- ──
- 3ヶ月!
痛い、痛いですね。
- 吉本
- トホッ!
- ──
- じつはあさって、吉本家に行ってきます。
ぜんぜん別の、メールマガジンの企画で、
お姉さんのハルノ宵子さんに、
サンドイッチをつくっていただくんです。
- 吉本
- サンドイッチ。へぇー。
‥‥サンドイッチってそんなに得意だったかな。
- ──
- あれ?
「いちばんの得意料理、何ですか」
と訊いたら、ハルノさんが
「サンドイッチ」とおっしゃるので。
- 吉本
- そんなことないと思います。
絶対、嘘ですけど、まあ、いいです。
- ──
- え(笑)。
- 吉本
- 姉の得意料理は揚げものだと思いますよ。
見事なんです、
油切れがすごいですもの。
揚げものがまったく重くない、
あれは特技です。
- ──
- 「キュウリのサンドイッチかな」
とか、すましておっしゃってましたけど、
嘘ですか。
- 吉本
- 絶対、嘘ですよ。
「春巻きつくれ」って、
言ってやってください。
あの、いっろんな具が入った、
春巻きですよ、絶対。
- ──
- いやもう、タイトルも
「猫屋台のサンドイッチ」と決めてるんで‥‥。
ですから、はからずも今週は、
「姉妹ツアー」みたいな気分です。
今日はほんとうに、ありがとうございました。
脚をお大事になさってください。
- 吉本
- いいえ、お役に立てたならよかったです。
- ──
- がんばります、本を。
- 吉本
- はい、たのしみにしてます。
- ──
- 本にはあの「横尾家のカレーの作り方」も、
入っていますので。
- 吉本
- なになに、あの4日間、食べるやつ?
- ──
- そうです。
奥さまから横尾家のレシピをもらって、
そのとおりつくって、載せてます。
- 吉本
- 4日間食べるけど、
最後に2日目に食べるカレーのことを言い出して、
なんだかすっごい変なところ、
ありましたよね(笑)。
- ──
- そうです、そうです、
「冷や冷やカレー」を、
2日目の夜に食べる、という話ですよね。
- 吉本
- わけがわからない(笑)。
カレーはほかの家族は食べないから、
ぼくだけが食べるって、
あれ読んだとき、おっかしかった。
本気で笑っちゃって。
- ──
- ありがとうございます。
あのカレーの話を消したくなかったから、
「YOKOO LIFE」の連載を
はじめたようなものなんです。
本、出来あがったら、お送りします。
いま超特急でつくっておりますので。
- 吉本
- ほんとにおもしろかったから、たのしみです。
- ──
- お茶、いただきます。
ぐいぐい、ぐいぐい‥‥
- 吉本
- あらら、そんな、ものすごい勢いで、
黙ってものすごい勢いで(笑)。
(おしまい)
2021-07-13-TUE
この夏、横尾忠則さんの作品が
東京のあちこちで見られます。
ほぼ日は渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」で
横尾忠則さんのお人柄や生活にスポットをあてた
展覧会を開催します。
また、みなさまからの熱い要望により、
連載『YOKOO LIFE』を
糸井重里との新規対談を加えて書籍化します。
みなさま、この夏、
『YOKOO LIFE』の本を片手に
「東京YOKOOめぐり」をなさってください。
(めぐった方には横尾只海苔をプレゼント!)
『YOKOO LIFE』
横尾忠則(著)
糸井重里(聞き手)
1,320円(税込)
渋谷PARCO ほぼ日曜日で
7月17日より注文販売。
7月21日より先行販売。
東京都現代美術館のショップ、
横尾忠則現代美術館、豊島横尾館で、
7月21日より先行販売。
ほぼ日ストア、全国書店で
8月3日より販売開始予定。
打ち合わせや旅のあいだのおしゃべりが、
宝もののようで、聞き逃がせなかった。
だから録音機をできるだけまわした。
どうおもしろいのか、説明はできない。
そんなふうにおそるおそるはじまった、
横尾忠則と糸井重里による
「ほぼ日」のおしゃべり連載は、
通な方々のあいだでじわじわと話題となった。
「あれ、本にすればいいのに!」
という声をいただくも、
編集方針について迷いに迷い、数年経過。
この記念すべきYOKOOイヤーに、
思い切って追加の対談を収載し、
奇跡のような本を誕生させます。
本になって、さらに宝もののような、
貴重な内容です。
「YOKOO LIFE
横尾忠則の生活」
会期/2021年7月17日(土)→8月22日(日)
11:00→20:00
会場/渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」
入場料/450(¥OKOO)円
主催/ほぼ日
協力/朝日新聞社
2021年7月17日(土)→10月17日(日)
東京都現代美術館 企画展示室1F/3F
2021年7月21日(水)→10月17日(日)
21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
2021年7月17日(土)→9月5日(日)
丸の内ビルディング、新丸の内ビルディング
ジャケットとパンツを
2021年7月1日(木)から順次発売
ISSEY MIYAKE SHIBUYA(渋谷PARCO2階)、
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA、
ISSEY MIYAKE SEMBA、
ISSEY MIYAKE MARUNOUCHI、
ISSEY MIYAKE ONLINE STORE
横尾只海苔
(よこおただのり)
プレゼントします。
横尾さんの描き下ろし直筆文字入り!
渋谷PARCOの「YOKOO LIFE」展入口で、
東京都現代美術館で開催する
「GENKYO 横尾忠則展」のチケット
(電子チケットの画面可)をご提示の方に、
横尾忠則書きおろし文字入り
「横尾只海苔」(ホンモノの海苔)を
プレゼントします。
※「横尾只海苔」はなくなりしだい配布終了します。
「GENKYO 横尾忠則展」チケットは
観覧前、後どちらも可です。
(C) HOBONICHI