HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
 
お直しとか
 
横尾香央留
     
 
 プロローグ #0   はじめのはじめに。


横尾香央留さんをはじめて知ったのは、
大橋歩さんの『アルネ30号』を開いたときのことでした。

最終号となった『アルネ30号』は、
糸井重里のインタビューや
「ほぼ日」を取り上げてくださった一冊です。


※画像CLICKで、『アルネ30号』について、
 大橋歩さんのコメントをお読みいただけます。
 (ほぼ日での販売は終了しています)

この30号に、
「横尾香央留さんのお直し。」という記事がありました。

お直し。

まずはこの言葉に、引き込まれたことを覚えています。
誌面に載っているお直しの写真も、かわいくて。


お直しと言っても、ただの修繕ではない。
元通りにするわけではない。
虫喰いの穴に動物の刺しゅうをほどこしたり、
ほつれた部分をカラフルなステッチで補修したり‥‥。

大橋歩さんは『アルネ』のなかで、
横尾さんのお仕事をこんなふうに書かれています。

「だからお直しは、目立つんです。
 かわいくうれしく目立つんです。」

かわいくうれしく目立つお直しに
興味を持ったわれわれ(担当/山川と山下)は、
横尾香央留さんという女性が
一冊の書籍を出されていることを知ります。

たたずまいがきれいな一冊でした。
作品と文章の、両方がすてきな本でした。

こういうムードのコンテンツが
「ほぼ日」にあったなら、
それはずいぶんうれしいことかもしれない。
横尾さんとご一緒できないものだろうか‥‥と、
われわれ(担当/山川と山下)は願いました。

果たして、
およそ2年の時間が経ち、
その願いはこうしてかなうことになったわけです。
(くわしい経緯は省きますが、実現するまでには、
 様々なご縁と多くの感謝がありました)

10月24日から、
「お直しとか」の本編がはじまります。

それがはじまる前に、
はじめのはじめに、
横尾香央留さんのことをご紹介させてください。

ご本人へのインタビューはあえて行わず、
彼女をとりまく人々に、
まるで証言を集めるようにお話をうかがってきました。
「横尾さんと出会ったきっかけは?」
「彼女の魅力の秘密は?」
「お仕事への姿勢は?」
「横尾さんはふだんどんなひと?」
そんな質問を、ぜんぶで9名の方にうかがいました。

こんな方々です。

大橋歩さん。

横尾さんがつくった「大橋さん」

料理家の高山なおみさんと、

そのご主人の落合郁雄さん。

横尾さんのかつての職場、
「ミナ ペルホネン」の長江 青さんと、

田中景子さん。

お友だちのイラストレーター、
福田利之さん。

横尾さんの「お直し」を撮り続けている、
写真家のホンマタカシさん。

『プレゼント』のブックデザインを手がけた、
グラフィックデザイナーの
中村至男さん。

『プレゼント』のスタイリングを担当された、
スタイリストの高橋みどりさん。

この9名の方々のお話で、
読者のみなさんのなかに、
「横尾香央留さん」が浮かび上がってきますように。

本編を前に、ちょっと長めの助走ですが、
どうぞゆっくりとお読みください。
きっと本編を
何倍もたのしんでいただけることになると思います。

あしたから3日にわけて、プロローグをお届けします。

(あしたにつづきます)

 
 
2011-10-18-TUE
 
 
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デザイン:中村至男