写真: 伊藤徹也
写真: 伊藤徹也
プロ野球のキャンプがはじまる2月、
今年も宮崎キャンプに行ってきました。
2年目のシーズンを迎える高橋由伸監督は、
去年のこの取材で糸井重里から
「新監督の失敗が見たいです」
と言われたことを憶えてらっしゃいました。
高橋由伸監督が去年一年、
必死で守り続けたこと。
そして、新しいシーズンに思うこと。
練習前のわずかな時間でしたが、
強い決意を感じることができました。
村田ヘッドコーチの話とともに
全3回でお届けします。
2017-03-30 THU
ぼくは、まあ、ダメな年もありましたけど、
10年くらいなんとか試合に出させてもらいました。
でも、本当に「普通の選手」だったから、
必死で練習するしかなかったんですよね。
毎年のようにトレードで
新しいキャッチャーは入ってくるし、
「いいほうを使うぞ」ってずっと言われてましたから。
それはもう、必死でしたよ。
守備も打撃も必死でもがいて練習して、
絶対負けんぞ、今年も試合に出るぞと思ってましたよ。
とにかく「試合に出たい意欲だけは俺が一番だ」
と思って、ずっとやってました。
素質はなかったので、勉強もしましたし。
若いころ、藤田監督から「レポートを書け」って言われて、
対戦相手20人とか30人とか、データを暗記して、
ノートに書いたりしてね。
やっぱりキャッチャーは記憶力、判断力、洞察力、
いろいろ必要になってきますから、
覚えるのは習慣になりますね。
その意味では、小林は進化していると思いますよ。
打つほうはまだちょっとわからないですけど(笑)、
勉強もしているし、キャッチャーとしては
絶対に去年よりも進化していると思います。
あとは、勝つことに対する執念かな。
「巨人軍の1勝に対しての執念を持ってほしい」
というのは、キャンプに入るときに言いました。
やっぱり、キャッチャーというのは、9人のなかで
一番執念を出さないといけないポジションですから。
去年、小林はときどき淡泊になることがあったから。
今年はそれをないようにやってくれ、と。
糸井さんも、試合中、小林が淡泊に見えたら
ぼくに言ってください(笑)。
読売ジャイアンツ一軍ヘッドコーチ。
現役中はしぶとい打撃と献身的なリードで
ジャイアンツを支え続けた。
引退後は複数の監督のもとでコーチを務める。
解説者だった2年間(2004〜2005年)を除き、
1981年の入団以来、
現在までずっと巨人のユニフォームを着続けている。
6月4日(日)東京ドーム
読売ジャイアンツvs
オリックス・バファローズ
4月7日(金)AM11:00
ほぼ日刊イトイ新聞にて
チケット申込受付開始
※こちらのページから
申し込めるようになります。
1975年4月3日生まれ。千葉県出身。
桐蔭学園では甲子園に二度出場。
高校通算30本塁打を放つ。
複数のプロ球団から誘いを受けるも、慶應大学へ進学。
1年生からレギュラーを獲得する。
3年間の通算本塁打数23本は、
現在も六大学野球の最多本塁打記録である。
1997年、ドラフト1位で巨人に入団。
翌年デビューし、いきなり打率3割を記録する。
以来18年間、チームの中軸を担い続ける。
2015年、原監督の辞任後、
チームからの監督要請を受けるかたちで引退。
2016年から、第18代巨人軍監督としてチームを率いる。