糸井 | (黒柳さんが部屋に入ってきて) うわー、なぜか、あがっちゃいます! 自分の会社なのに、あがっちゃう。 |
黒柳 | ほんっと! こんなにすごいって、 わたしも、びっくりしました。 写真のスタジオかと思いました。 |
糸井 | ここは、普段は会議室なんですが、 いつもと飾りつけが違います。 周りで座って見てる人たちも なんだかはりきってますが、全員、社員です。 |
黒柳 | まぁ、そうなの? じゃ、ほんとに、 こんなにいっぱいいらっしゃるのね。 わたしね、糸井事務所って お勤めの人がいっぱいいるんだなと思ってて、 事務所の人がみんな同じ方向向いて 机のとこで事務してるような 珍しいとこ見れるんだな、と思ってたから、 入ってきて、うんと驚いてます。 |
糸井 | みんな、いまはちょっと仕事の手をあけて、 ここに見に来ちゃってるんですよ。 |
黒柳 | あ、お電話とか、なくって? |
一同 | (笑) |
黒柳 | ふふふ、糸井さん、しばらくでした。 どうも、ごきげんよう。 |
糸井 | しばらくでした(笑)‥‥で、思い出したけど、 「世界ふしぎ発見!」のときって、 黒柳さんが前説 (まえせつ・番組収録の本番前に 客席に挨拶や説明をしたり、 観客の雰囲気を盛り上げたりすること) をやるんですよね? |
黒柳 | うそ、うそ。うそです。 |
糸井 | (笑)いや、うそでもないと思う。 「ようこそおいでくださいました」 って、いまみたいな感じでね? |
黒柳 | 少しはやります。番組の収録中にやるんです。 野々村(真)くんが考えてる間に。 |
一同 | (笑) |
黒柳 | だって、野々村くん、 15分くらい考えてるときがあるんだもの。 ふふふ、糸井さん、お元気で? |
糸井 | あ、わたくしは、お元気です。 |
黒柳 | かわいいですね、お召しになってるTシャツが。 |
糸井 | 動物ものがいいと思って。 |
黒柳 | しかも、動物が球の上に乗ってるなんて。 |
糸井 | こりゃ、自分がゲストになった気分です。 |
一同 | (笑) |
黒柳 | (テーブルにあるフルーツのお菓子を見て) ご親切に、いちばん好きなものを 置いてあったんだ! すごくうれしい。 |
糸井 | お菓子、お好きなんですか。 |
黒柳 | うん、こういう果物がいちばん好き。 |
糸井 | 「徹子の部屋」の番組中は、 お召し上がりになったりは しないですよね? |
黒柳 | あまり食べないですが、 出してほしいとおっしゃる方にはお出しします。 例えば、草餅がいいだとか、 和菓子がいいとおっしゃる方とか、 それから、メロンがいい、って、フッ(笑)、 中井貴一さん。 |
糸井 | え? |
黒柳 | お父さまの佐田啓二さんが早く亡くなったので、 メロンは贅沢なものだったとおっしゃるんです。 番組で用意してくださるもの、 なんでもいいのならメロンがいいです、と、 あそこは、ご姉弟、別々にいらしたんですが おふたりとも(お姉さんは中井貴恵さん)、 メロンがいいとおっしゃいましたんで、 そういうときはメロンをお出しして。 |
糸井 | 姉弟とも。 |
黒柳 | あの、高いメロン、ありますでしょ? |
糸井 | はいはい。網のもようのある、 桐の箱に入ったようなやつですね。 |
黒柳 | そう。あれをお出しするんですよ。 おふたりとも、番組がはじまる前に 「おいしいなぁ!」とおっしゃって 召し上がります。 |
一同 | (笑) |
黒柳 | でもみなさん、番組中はあんまり 召し上がらないですね。 だって、お話してると、 ずるずるしたものとか、食べにくいでしょう? あ、でも、この頃は、 健康ドリンクの登場が多くなってきてるから、 それは飲みます。 |
糸井 | ゲストが持ってくるんですか? |
黒柳 | ええ。ゲストの方が 「わたし、毎日健康ドリンク飲んでるので」 ということで、番組にお持ちになったり‥‥ ニーノだっけ、ニーナ? |
観客 | (‥‥ノニ、ノニ) |
黒柳 | そう、ノニです! ノニも「体にいいですから」って、 お持ちになった方、いらっしゃいました。 あとは 「これは自分で作ったひまわりの実のお茶です」 とか、ゴマと、なんとかとなんとかと、 きなことなんとかが入った、 どろどろドリンクとか。 |
糸井 | どろどろドリンク(笑)。 |
黒柳 | そういう場合には、 「じゃあ、わたしもいただきます」 と言って、飲みます。 ヨーグルトと、きなこと、黒ゴマと、 それから、酢卵。 |
糸井 | すたまご? それはなんですか。 |
黒柳 | 酢卵は、プロスキーヤーの三浦敬三さんが 持っていらしたんですけどね。 三浦さんって、99歳のときに、 モンブランでしたっけ?からターッと スキーでもってすべった方です。 三浦さんは骨のために、生涯ずっと酢卵を 飲んでらっしゃったようなんです。 |
糸井 | 酢卵って、酢漬けの卵ですか? |
黒柳 | フッ(笑)、わたし、 ほんとにびっくりしたんですけどね、 お酢の中に卵を5つくらい、 殻ごと入れるんです。 |
糸井 | なるほど、それで? |
黒柳 | それがね、1週間もしないうちに、 なんと! 卵の殻はお酢の中に 全部溶けてっちゃうんです。 |
糸井 | へえ! |
黒柳 | で、お酢のなかに、 びよんびよんびよんびよんって、 薄い袋の中に入って 黄色いものが残るんです。 それ以外は、なんだか、ただお酢の液体、 沈殿物が何も見えないようなものが できあがるわけです。 それが酢卵というものです。 |
糸井 | ほう。 |
黒柳 | 酢卵には、殻が溶けているわけですから、 カルシウムがたっぷり入ってるんです。 これをくしゃくしゃってかき回して、 スプーン2さじくらいを 牛乳とヨーグルトときなこと黒ゴマの 中に入れて飲むんです。 そうすると骨にいい、と 三浦さんがおっしゃったので、 わたしはしばらく飲んでました、ほんとに。 で、そのね、酢卵っていうものがね、 |
糸井 | 酢卵‥‥。 |
黒柳 | なぜ卵の殻がお酢で溶けるのかが、 わかんないんですよ。 ガラスの、フタつきのビンみたいのに 入れてやるのよ。 で、作ってるあいだ、 冷蔵庫に入れとくんですけど おやりになるとおもしろいですよ? いれもののなかで「あっ」っと言うまに、 殻が全部きれいに溶けて透明になっちゃうの。 ところがあなた、 殻がどこに行ったの? って思わない? |
一同 | (笑) |
黒柳 | もうね、中の黄色い、袋に入ったものだけが、 びよびよん、びよびよんとなって。 びっくりするわけですよ。 |
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2008年10月8日(水)〜10月26日(日) |
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