永田 |
さて、今年も我々が開いているのは
例年通り、テレビ雑誌の老舗、
「TVガイド」です! |
西本 |
いつもお世話になります! |
糸井 |
やっぱり、これが我々の一押しですね。 |
永田 |
この企画を何回かやるうちに
気づいたんですよね。
どうも「TVガイド」がいちばん詳しいぞと。 |
西本 |
我々にとってはオフィシャルテレビ雑誌ですよ。
去年の年末、「チンパンニュース」を
きちんと説明していたのも
「TVガイド」だけでしたから。 |
永田 |
もういいよ、「チンパンニュース」は。 |
糸井 |
それにしても、今年の「TVガイド」は
‥‥重いですねぇ! |
永田 |
うん、重い。 |
西本 |
重いっすね。 |
糸井 |
もう、家庭画報化してますよ。
これは、いまのテレビのあり方を現してますね。
マンネリ打破というか、
価値観を高めないといけない時期なんですよ。
テレビというものが無条件に好かれる時代は
もう、終わったということなんですよ。 |
永田 |
いきなりそんなところから語りますか。 |
糸井 |
語っておくべきでしょう。 |
西本 |
まあ、テレビの番組情報だけなら、
ネットで簡単に見られますしね。 |
糸井 |
ということを、
「言われたくないぜ!」と
この「テレビガイド」は主張しているんですよ。
だから、今年のテーマは
「言われたくない!」
これで決まりでしょう! |
永田 |
早すぎ、早すぎ。結論、早すぎ。
しかもよくわかんない。 |
西本 |
しっかし、入ってる広告がすごいですねぇ。
量もすごいけど、質がもう、ばらっばら。 |
糸井 |
(ひそひそ声で)言っちゃあ悪いが、
チープな広告も多いねぇ。 |
|
永田 |
ミッキー時計‥‥。 |
糸井 |
ミッキー時計とか、
具体名を挙げないでください。
あと、オーソン・ウェルズとか
言わないでください。 |
永田 |
誰も言ってないじゃないですか。 |
西本 |
まあ、もともとテレビ雑誌の広告は
ごった煮ではありますけど、
それにしてもすごいですね。
ダイエットから通信教育、
健康食品、ブライダル‥‥。 |
糸井 |
表3は宝くじ必勝講座ですよ。 |
永田 |
「必勝」! 必ず勝つんですか! |
糸井 |
必ず勝つんですよ。必勝講座ですから。 |
永田 |
まいったなあ‥‥。 |
糸井 |
思えばその切り口だってテレビっぽいだろう。
テレビが時代を映すのと同じように、
テレビ雑誌も時代の鏡なんですよ。 |
永田 |
煩悩のかたまりみたいなことになってますね。 |
糸井 |
最低でも108つはありますからね。 |
西本 |
しかし、今年の「テレビガイド」は
綴じ込みはがきの量が多いですね。 |
永田 |
いえてる。ページをめくるごとにはがきが。
いったい何枚あるんだ? |
糸井 |
とにかくあなたはそこにじっとしてるだけで
肯定されますよ、ということだよね。
恋人も結婚も健康も、このはがきを出せばすぐ! |
西本 |
全部、この1冊で夢叶えます!
いますぐはがきを! |
永田 |
はがき業界はもう、すごいことになってますね。 |
糸井 |
はがき業界(笑)。 |
西本 |
たぶん、全国の綴じ込みはがきを
牛耳ってる寡占企業とかがあるんですよ。 |
永田 |
いま、DTPやデザインの仕事を目指している人は
綴じ込みはがきのデザインを
基礎として勉強するべきですね。
現在に求められている必須スキルです! |
西本 |
広告効果を高めるためにというよりは
あとからリーチ率も報告できるために
はがきもつけるんでしょうかねえ。
あとは、個人情報がとりづらくなったから
オールドメディアとしてのはがきが
いままた注目されているんじゃないかと。 |
糸井 |
ああ、なるほどね。 |
永田 |
このはがきには、
なんかブイヨンっぽい犬も載ってますよ。 |
糸井 |
わはははははは、ほんとだ。 |
永田 |
もう、ぼちぼちブイヨンも
地方のスーパーのちらしあたりに
出てると思いますよ。
「気まぐれカメら」の写真が転載されて
吹き出しつけられて
「待ってるワン!」とか言ってますよ。 |
糸井 |
ありそうな話だなあ。
最近、散歩中も
「おっ、ブイヨン!」って言われるもん。 |
永田 |
「あっ、イトイだ!」ではなくて(笑)? |
糸井 |
じゃないんだよ。
最近、男から言われる率が高いね。
建築現場とか通ると
「おっ! ブイヨン!」って。 |
西本 |
ほんとですか(笑)。 |
糸井 |
ほんとほんと(笑)。
京都でほんとにあったんだよ。 |
永田 |
京都の話はまた今度!
テレビの話をお願いします! |
糸井 |
いやあ、なかなか本編に入れないね。
この広告のごった煮を目の当たりにすると。 |
西本 |
意外に大画面テレビの広告とか少ないんですね。 |
糸井 |
大画面テレビは、いまや夢じゃなくて、
「実」の部分ですからね。 |
永田 |
おっ、so-netの広告が河合だ。 |
西本 |
永田さんの中で
大倉孝二さんはいまだに
『新選組!』
の勘定方なんですね。 |
永田 |
すいません。 |
糸井 |
こうしてぱらぱら眺めてみると、
もうテレビというものが全体にさ、
いい男とかいい女とかもふくめて
化け物屋敷状態ですね。
いないでしょ、こんな人たちは。
「どうですか、珍しいから見てくださいよ!」
ということでしょ。 |
西本 |
あ、表紙がダブルになってる。 |
永田 |
小冊子みたいなものも挿まれてますよ。
折り込みポスターも複数。 |
糸井 |
もう、わけがわかんないですよ。
時代はジャガーチェンジしてます! |
西本 |
豹変(ジャガーチェンジ)っすね。 |
永田 |
厳密にいうと豹はパンサーでしょうね。 |
糸井 |
もうさ、いま無人島にもっていくなら
この「TVガイド」だね! |
永田 |
テレビが映らなくても、
この1冊があれば大丈夫! |
糸井 |
そのとおり!
だって大多数の欲望がここに集約してるでしょ。
すごい雑誌ですよ、これ。
10年後くらいには
祖父江さんがデザインしてたりしてね。 |
ふたり |
絶対、年末に間に合わない(笑)! |
糸井 |
と、思えるくらい、欲望のるつぼです。
この「TVガイド」の厚さと重さが
いまという時代なんです! |
西本 |
糸井さん、この重さのわりにね。
この「テレビガイド」のお値段、
いくらだと思います? |
糸井 |
どうせ安いんでしょ。 |
永田 |
いけません、糸井さん。ここは
「こんなに重いんだから高いんだろうね」
と受けてあげてください。 |
糸井 |
だって、西本が振ってる質問だぜ? |
永田 |
そこはのってあげないと。
ここでのってあげないと
今後の展開で、にしもっちゃんが
のってくれなくなりますよ。 |
糸井 |
わかった、わかった。
こりゃ重い! こりゃ高いはず! |
永田 |
そうそうそう。
だってほら、表紙も特色ばりばり使ってるし。 |
糸井 |
1000円は超えるんじゃないですか? |
永田 |
1000円は軽く超えるでしょ!
問題は1000円台の前か後ろかですよ! |
糸井 |
そりゃあ、前だろうなあ!
いくらなんでも後ろは売りにくいから!
だから、まあ、1000円台前半か‥‥
もしくは‥‥400円! |
永田 |
なんで突然、当てにいくんですか。 |
西本 |
それでは正解を発表します。
みなさん、表紙を見てください。
‥‥‥‥350円です! |
永田 |
うわっ! ホントに安いわ。 |
糸井 |
ほら! こうなると、
オレが当てにいった「400円」が
効くじゃないか! |
西本 |
うん。思いがけず、いい展開でした。 |
永田 |
あの、すいません、
ぼちぼち番組を語っていきましょう。 |
ふたり |
そうしましょう! |
糸井 |
とくに田口の番組は見てみたいんですね。
あの人のよさを確認できる
いいチャンスじゃないですか。 |
西本 |
そうですね。
シーズン中に公開されている
田口のHPの日記は
ホントにおもしろいですからね。 |
糸井 |
おンもしろいよねー。
目薬をみんなにあげた話とかね。 |
永田 |
あれ、おもしろかった(笑)。
ヒットで一塁に出たら、
相手チームの選手が大声で
「ソウ! ソウ!
こないだもらった日本の目薬を
あと10個くれ!」 |
西本 |
試合のあとに
きちんと原稿書いてるのもえらいですよね。
文章もおもしろいし。 |
永田 |
「会心の当たりだった」みたいなことよりも
横のエピソードを書いているんですよね。
クオリティー高いよなあ。 |
糸井 |
監督がどう喜んでくれたかとかね。
ファーボールでよかった! みたいなね。
最後にちょっと守備に出て行くことの誇り
みたいなものをちゃんと語れるんだよね。
あれを読むことで野球の広さと深さがみえるよね。 |
|
西本 |
ええ。野球を知らない人にもおすすめです。 |
永田 |
生涯でいちばん緊張したバントの話とか
読みました? |
西本 |
読んだ、読んだ。 |
糸井 |
あれはおもしろかったね!
これはもう、大きく取り上げておくべきだね。
ほぼ日テレビガイド男子部のイチ押しは、
田口選手のホームページ! |
ふたり |
テレビじゃないじゃん。 |
永田 |
もろに「今年のニュース総まとめ」
じゃないですか。
大丈夫ですか、糸井さん?
もっと真剣にやってくださいよ。 |
糸井 |
うるさいなあ。
何日も先のテレビ番組のことを
そんなに真剣に考えられるわけないだろう! |
西本 |
逆ギレ。 |
永田 |
逆ギレ。 |
糸井 |
しかし、マジメな話、
こういう番組は貴重ですね。
NHKはこういうところが偉いね。
こういう番組を
しっかり表の番組として立てて、
裏番組が裏番組としてがんばると
テレビがもっとおもしろくなるんだろうね。
たとえばTBSが「レコード大賞」の枠で、
山瀬まみとトメさん(福留アナ)の
「お父さんのためのワイドショー
2006スペシャル」なんていうのをやれば
ものすごくキレイに収まるよね。 |
永田 |
ああ、それはいいかも。 |
西本 |
裏と表とどっちを見るか、
楽しく迷えそうですね。 |
糸井 |
うん。実際、この時間帯、
ぼくは「ニュースハイライト2006」を
見ちゃいそうな気がするな。 |
西本 |
いえてます。
しかもこの番組、ハイビジョンですし。
きれいな映像で1年を振り返れますよ。 |
糸井 |
あ、にしもっちゃんは今年から
ついにハイビジョン導入したんですよね。 |
西本 |
はい! 我が家もハイビジョンです!
衛生もWOWOWもばっちりです! |
永田 |
‥‥‥‥。 |
糸井 |
‥‥で? 永田さんは? |
西本 |
え? まだブラウン管なんですか?
地上波オンリー? あらら。 |
永田 |
‥‥やっぱりくるか。この話題が。 |
糸井 |
となると、男子部3人中、
ふたりがハイビジョンですね。 |
西本 |
永田さんも追い詰められましたね。 |
永田 |
追い詰められてねーって!
だって、いま、不自由ないもん! |
糸井 |
逆ギレ。 |
西本 |
逆ギレ。 |
永田 |
2011年までに
なんとかすればいいんでしょ?
地上波でブラウン管でアナログで
まったく問題ないですよ。 |
西本 |
ええと、永田さんが見られない
NHK衛星第2の番組になりますが、
「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」
これは、ぼく、見ちゃいますね。 |
永田 |
本当? 絶対? 見たいの?
ヨーロッパの鉄道が? ホントに? |