考えや思いは口に出すこと、
聞いてもらうことで変化する(7月16日)


・前に、ぼくは、ここで
 「ひとりで考えていることを、
 もうひとりに話したら、それがはじまりになる」
 ということを言いました。
 そしたら、どう読んだのか、「もうひとり」というのを、
 「もうひとりのじぶん」と思っちゃった人が、
 けっこう何人もいたみたいです。
 
 ‥‥それはちがいますって。
 文字通り「もうひとり」の「じぶんじゃない人」のこと。
 なにかやってみようとして、
 他人にそれを話して、誘われてくれたとしたら、
 それは、じぶん以外の人をも
 その気にさせたってことですよね。
 その他人という人が、「たったひとり」だとしても、
 じぶんひとりとは、ぜんぜんちがうんですよね。
 たったひとりの他人に、「賛成」って言われることは、
 あと2人とか、3人とか、10人とか‥‥100万人とかに、
 「賛成」って言われる可能性があるということです。

 アイディアやら、決意やらを、
 じぶん以外の人に話してみるということ。
 じぶん以外に、それを聞いてくれる人がいること。
 それって、ものすごく大事なことだと思うのです。
 
 先日お会いした気仙沼の人たちは、
 ああでもないこうでもない、ああしようこうしようと、
 考えや思いのラリーを繰りかえしていました。
 「ほぼ日」は、よそでは「不毛」「無駄」の代表のように 
 言われたりもしている「会議(ミーティング)」を、
 とても大事にしています。

 考えや思いは口に出すこと、聞いてもらうことで、
 時には大きく、時には微妙に小さく変化します。
 その変化のなかに、行くべき道が見えてくるものです。
 ずうっっとひとりで考えていることは、
 もしかしたら「えらいこと」なのかもしれないけれど、
 「わかってもらえないこと」になってしまう‥‥
 そういう可能性があるのです。
 聞いてもらえるって、ほんとにすばらしいことです。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
ぼくには聞いてもらえる場所があって、ありがたいです。

「今日のダーリン」より