和田誠さんの絵(10月25日

・「じぶんは、なにをすればいいんだろう」とか、
 「ぼくに、なにができるのだろう」とか、
 みんなが思ってきたんですよねぇ、あの3月から。
 
 和田誠さんも、やはりそんなことを思ったといいます。
 被災地に行って、がれきの片づけとかは無理そうだし。
 そりゃそうですよ、和田さん、ぼくのひと回り年上です。

 じぶんのことについては、ことばの少ない方ですから、
 ほとんど説明もせずに、はじめていたんですよね。
 1枚ずつ、ポストカードサイズの絵を描いていこう。
 とにかく、1週間に10枚描いていくと決めたそうです。
 『HBギャラリー』というちいさな画廊に、
 展覧会とは別のちいさなスペースを貸してもらって、
 そこで販売をしていきました。
 画廊のオーナーと相談して、すべて一万円とした。
 その売り上げは、ぜんぶ東日本大震災の寄付になります。

 1週間に10枚といっても、
 『週刊文春』の表紙と同じ描き方ですから、
 これは簡単じゃぁないですよ。
 「ぼくに、なにができるのだろう」と考えて、
 「これができるかな」とはじめたこととはいえ、
 とにかく1枚1枚しか描けないんですからねぇ。
 しかも、ぜんぶちがう絵で、人が手に入れたくなる絵。
 「ほぼ日」でも、何人かは運よく、
 この絵を手に入れられて、おおよろこびでした。
 でも、これ、どれくらい続けるんだろう?
 ぼくらは、50作くらいでおしまいかと思っていたんです。  
 
 そしたら、もう200作になっていたんですって。
 まだ終りじゃないらしいのですが、
 1枚ずつ、和田誠が200枚。ですよ、すでに。

 「できることをする」ということばが、
 ここでも生きていたんだなぁ、と思いました。
 ぼくらは、200作のコピーを見せてもらいましたが、
 いやぁ、みんなにも見せたいです。
 また、和田さんに相談してから、その用意をしますね。
 ぼくら、いい先輩がいて、うれしいなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。

「今日のダーリン」より