「未完成のジグソーパズル」(10月29日

・陸前高田の『高田ドライビングスクール』に、
 田村満社長を訪ねてきました。
 いかにも、温和そうな懐の深い感じの方で、
 いくらでも話は弾みました。
 『高田ドライビングスクール』といえば、
 この地域で、最初に自衛隊が集合していた場所です。
 警策の部隊も、ここに集結していました。
 青年たちが、勉強会を開いた教室もここを借りてです。
 仮設の商店街も、ここの敷地に設営されました。
 田村さんは、それらの提案を、すべて受け容れました。

 「この地域のために、やってきてくれるんだから
  ぜんぶいいことなんです。
  引き受ける以外は考えられない」
 それだけのことだった、と言います。
 ほんとうの現場での判断は、あんがい、
 とても率直な考えでされているのかもしれないです。
 

・地元では、空きの多い仮設住宅を、
 「体験の宿泊所」として流用して、
 やってきてくれた人をどんどん泊まらせたらいい、と、
 そういう考えもあるようです。
 手伝うことも思いつかないのに行っては失礼ではないか、
 という心配をしている他県の人たちなども、
 「世界遺産」の見学とセットにして、
 ぜひ、「ただ来る」だけの目的で来てほしいと、
 会う人会う人、みんなが言っていました。
 
『八木澤商店』河野通洋さんとも、ゆっくり話しました。
 田村社長にしても、河野さんにしても、
 夜にお会いした菅原気仙沼市長はじめとする
 気仙沼の仲間たちも、それぞれ、
 じぶんの「未完成のジグソーパズル」を持ってます。
 あと、どういうピースが必要なのか、探している感じ。
 そういえば、ぼくも、そうです。
 人に会い、場所に出合って、新しい空白を埋める。
 そういうことを互いにやっているんですよね。
 この日、ぼくはぼくなりに、
 ジグソーの空白を、埋めたり埋められてりしてました。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いくつかの頼まれ事を引き受けました。なんだかうれしい。

「今日のダーリン」より