生きるために信じ合っている。(12月9日)

・昨日は「気仙沼のほぼ日」に行ってきました。
 今回はじめてお会いする人が、ふたり。

 ひとりは、震災直後、被災した人たちに
 大至急手配したクルマを100台、
 無料で貸し出した自動車販売会社社長の千田満穂さん。

 もうひとりは、朝日新聞気仙沼支局の
 たったひとりの記者でありカメラマン、
 被災の中心にいた掛園勝二郎さん。
 
 やがては、「ほぼ日」に掲載される予定ですが、
 お話を聞いているぼくのなかに、
 ずっと静かな興奮がありました。
 千田さんは、ぼくの10歳年上の経営者で、
 掛園さんは朝日新聞全記者のなかでの最年長の68歳。
 どちらも、もちろん年齢相応の落ち着きで、
 実に謙遜なことばで、控えめに語ってくれました。
 でも、熱を発しているんです。

 途方もないようにも見える災害を、
 「なんとかできること」に分解して考えている。
 あるいは、人々が望んでいることを、
 真剣に耳をそばだてて聴き続けている。
 やはり、光の射す方向を見つめて、
 慎重にそっちに歩を進めているのがわかります。
 
 気仙沼で、いろんな人を紹介されて、
 それぞれの人にお会いするごとに、
 ぼくの「いただきもの」が増えてきています。
 そうか、そうするのか、そう考えるのか‥‥。
 火花のように知恵が発光している。
 筋肉以上の力がなにかを動かしている。
 生きるために信じ合っている。
 映画のようなことが、実際に起こっているので、
 厳しい状況のなかに、たくさんの「愉快」があるんです。
 「ああいうことがあって、よかったと思うことも、
  ほんとにいっぱいあるんです」
 その「よかったこと」に勘定されるように、
 ぼくらも「できること」をしていきたいと思います。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「ほぼ日」の興味は、あちこちいろんな方向に向います。

「今日のダーリン」より