生者と死者が、つながっていて、
たがいを思いやる。(12月23日)
・最初に行った被災地は、宮城県の山元町でした。
あんまりたくさんの人が一度に亡くなったので、
火葬が間に合わなかったそうです。
ひとまず、土のなかに葬られた人たちへの墓参が、
ぼくらの「できること」のひとつでした。
実際に行ったことでわかったのは、
報道や記録で伝えられる震災も、
希望や計画として語られる震災後のことも、
生きている人たちの世界なんだということでした。
ところが、実際にお墓の前に立つと、
「この場所では、死者と生者が両方暮らしている」
そう思えたのでした。
全国のニュースとしては、
死者はいつでも数えられるばかりです。
でも、その人の生活していた場所では、
亡くなった誰それさんとして、
それから後の時間を暮らしているのです。
・震災のあとをどうするか、どうしたいか、
たくさんの知恵がしぼられ、人々が動いています。
でも、それが生者のためだけのものでは、きっと、
いけないんだよなぁと、考えるようにしています。
死者にも居心地のいい世界が、
生者にとっても生きやすい世界なんだと思うんです。
どんな人でも、つまり、ぼくも、あなたも‥‥。
おかあさんでも、おじいさんでも、赤ちゃんでも、
かならずいつかは死ぬわけです。
「死んだ人のことはどうでもいい」世界だったら、
やがて行く先が断崖絶壁ということになっちゃう。
生者は、やがて死者としてじぶんの行く先を、
ただの闇にしてはならないと考えるようになりました。
生者と死者が、つながっていて、たがいを思いやる。
それは、きっと優しい社会なんじゃないかなぁ。
・『スコップ団』が3月10日にやろうとしている
『天国にぶっ放せ!』は、生者と死者の合コンかも‥‥。
なんとか成功させたいなぁ、生者のひとりとして、
やがて死者になるひとりの男として。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくらは『スコップ団』の手伝いをすることにしてます。 |