ほぼ日テレビガイドシリーズ  春の連ドラチェック2011  あややとふたりのプロフェッショナル

学校もの、3連発?
『高校生レストラン』『鈴木先生』『ハガネの女』

── じゃ、荒井先生、
なにか挙げていただけますか。
荒井 そうですねぇ。
この、『高校生レストラン』っていうのは
なんなんですかね。
高校生レストラン
日本テレビ系
毎週土曜日午後9時
あやや ああー、これ、気になりますよね。
荒井 まったく内容が予想できない。
森下 たしかこれ、実話ベースなんですよね。
あやや そうそう。
荒井 あ、実話なんですか。
あやや 実際に、県立高校の調理実習施設として
オープンしたレストランがあるんですよ。
荒井 なるほど。
しかし、それだけでは、つかみどころが‥‥。
土曜9時か。うーん。
あやや 主演は松岡昌宏さんだから
安心して観てられると思うんですけどね。
あと、吹石一恵さんと、伊藤英明さん‥‥。
それぞれに魅力的ですけどね、
ただ、びっくりするような組み合わせとか、
注文すべき新人、みたいな感じの
キャスティングではないですね。
でも、松岡さんのドラマは、
こういう、手堅いキャスティングで、
結果的におもしろかったっていう
パターンもすごく多いから。
森下 うん、そうですね。
あやや 『ヤスコとケンジ』とか、
おもしろかったですよねー。
荒井 で、どういう話なんだろう。
高校生が主役じゃないですよね。
森下 まぁ、高校生たちが、
レストランをがんばって運営してく、のかな。
あやや たぶん、1話完結で、
レストランに変わったお客さんとか来て。
森下 ドラマが進むごとに、
高校生たちも成長していく。
あやや うん。
荒井 ああ、そうか、うーん‥‥。
タイトルだけ見ると独特ですけど、
話は、わりと、ふつうなのか。
いや、タイトルがすごく気になったので。
あやや でも、この土曜日の9時の枠って、
なんていうんでしょう、
ノーマークなドラマがブレイクするっていうか。
こないだの『デカワンコ』もそうですけど。
荒井 『デカワンコ』、
めちゃめちゃおもしろかったですねぇ!
森下 おもしろかったぁー!
あやや 正直、はじまるまえは、キワモノというか、
大丈夫? って思いましたけど。
荒井 最初、そう思いましたね。
でも、「これいけるじゃん!」
っていう当たり方をした。
あやや そうそうそう、だから、
この土曜日9時の枠はけっこう注目ですよ。
なんていうか、ドラマのひとつのつくりかたを
知ってる人たちがやってる気がする。
森下 ああ、そうですね。
こういう楽しみ方もあるっていう。
あやや そうそう。
森下 すごく見やすくて、単純で、明るくて。
荒井 まさに『デカワンコ』はそうでしたね。
いや、おもしろかった。
森下 おもしろかったですよねぇ。
‥‥じつは、娘に言われちゃったんですよ。
「『JINー仁ー』より
 『デカワンコ』のほうが好き」って‥‥。
あやや うわ(笑)。
荒井 すごい娘さんだ(笑)。
森下 まぁ、わかるけど。
『デカワンコ』。
あやや とくに若い子の受けがいいのかもしれない。
こないだ大学生の女の子と話したんですけど、
最近のドラマでなにがおもしろかったか
っていう話になって、やっぱり、
『デカワンコ』って言ってましたから。
森下 うん。
── ‥‥あの、ちょっとすいません。
あやや はい。
── それは‥‥デカい、ワンコ?
荒井 いや、刑事です。刑事(デカ)です。
── ああ、刑事!
あやや 主人公がゴスロリの格好した
刑事の女の子なんです。
荒井 その子の名前が「一子」で、
すごく鼻が利くということもあって、
通称が、ワンコ。
刑事のワンコで、デカワンコ。
── ああ、
刑事のワンコで、デカワンコ。
荒井 そうそう。
刑事のワンコで、デカワンコ。
── 刑事のワンコで、デカワンコ。
森下 何回くり返す気ですか。
あやや 『デカワンコ』って漫画が原作なんですけど、
『ごくせん』を描いた漫画さんなんですよね。
森下 そう! 
荒井 森本梢子さんですね。
あやや 強いんですよね、原作のおもしろさが。
荒井 優秀ですよねぇ。
森下 よかったですよ、『デカワンコ』は。
娘がマネしてたいへんだった。
「やっぱりっ! やっぱりっ!」って。
荒井 あれ、いいですよね(笑)。
あやや ドラマは多部未華子ちゃんの
魅力が大きかったですよね。
森下 あれは、多部未華子ちゃんという
日本人形みたいな顔してる人が
ゴスロリの格好してるのが
すごくよかったんだと思います。
たぶんあれ、おめめパチパチの子に
同じことやられると‥‥。
あやや そうそうそう、ダメダメダメ。
森下 あんまりにもマンガになっちゃって、
きっとつらかったと思うんですよ。
だから、多部未華子さんの不思議な力。
荒井 多部未華子さんは不思議な魅力がありますねぇ。
あやや 不思議ですよねぇ。
かわいいんだか、かわいくないんだか、
かわいくないんだか。
── あやちゃん、あやちゃん、
かわいくないのほうが一個多い。
あやや ともかく! 完全に話がそれましたが!
荒井 『高校生レストラン』でしたね。
土曜日9時は、化ける枠なので、
そのあたり、注目したいです。
── じゃ、森下さん、1本、挙げてください。
森下 わたしはテレ東の『鈴木先生』。
あやや あーーー、わかります!
鈴木先生
テレビ東京系
毎週月曜日午後10時
森下 まず、マンガがめちゃめちゃおもしろい。
あやや そうらしいですね。
森下 しかも、脚本が古沢良太さん。
あやや いいです! この方は、いいです。
森下 とーっても優秀な方なので。
あやや 『キサラギ』、『ALWAYS 三丁目の夕日』。
荒井 ああ!
森下 あと、最近では『ゴンゾウ』。
わたし大好きなんですよ、古沢さん。
あやや わたしも大好きです。
森下 で、漫画の『鈴木先生』もおもしろい。
となれば、これは‥‥。
荒井 ああー、それは、よさそうです。
森下 おもしろくならないわけがない、
と、言ってしまいたい。
あやや うん、うん。
森下 同じテレビ東京の
『モテキ』のようなブレイクをしそうな気が。
あやや しかもこれ、
『モテキ』と同じプロデューサーの方が
手がけてらっしゃいますね。
森下 あ、そうなんだ、やっぱり。
荒井 月曜10時か。
『モテキ』と枠は違うけれど、
同じ雰囲気がありますね。
あやや 最近、テレビ東京のこのへんの番組って
そうとうがんばってますよね。
おもしろいですよ。
森下 これは絶対ね、いくと思います。
あやや ちなみに、どんな話なんですか。
『鈴木先生』って。
森下 鈴木先生は、中学校の先生なんですけど
うーん、なんていうかな。
むずかしいな‥‥説明が‥‥。
あやや 何系の学園ドラマですか。
鈴木先生は、いい人、悪い人、普通の人?
森下 いい人なんだけど、思い悩むというか。
何事に対しても、素で当たる感じなんですよ。
で、あるがゆえに、ちょっと生徒が
かわいく感じられたりすると、本気で
「俺は淫行教師になってしまうんじゃないか」
とか悩んじゃったりするんです。
あやや おや!
森下 いや、実際に生徒に
手を出したりはしないんですけどね。たぶん。
すごくこう、思い悩む人で、
真面目であるがゆえに
きわどいセリフもばんばん出たり。
あやや それを、この長谷川博己さんが。
荒井 『セカンドバージン』の人ですよね、この人。
森下 そうそう、
『セカンドバージン』。
あやや わたし、じつは『セカンドバージン』で
この人の魅力がわからないまま
終わってしまったので
荒井 あ、そうなんですか(笑)。
森下 コウくんね。
あやや コウくん、コウくん(笑)。
森下 コウくんの役よりは、
こっちの鈴木先生の役のほうが
似合ってるかもしれません。
あやや よし、じゃあ、鈴木先生で
その魅力を、確認したいと思います。
荒井 ちなみに、このドラマは、
エロ的な部分はどうなんですか。
『モテキ』ってちょっと
エロかったじゃないですか。
森下 あそこまでいかないと思うんですけど。
荒井 なるほど。
森下 ただ、ふつうに健全かというと
そうではない。なんかこう、
いけない妄想がほとばしってたり。
あやや でも、手を出さずに
妄想してるだけの教師って、
逆にいうとものすごくリアルじゃないですか。
森下 そうそうそう。
だから、なんていうか、説明しづらいんだけど、
新しい切り口は感じますよ。
── ‥‥あ! 「でんでん」が出てる!
森下 でんでんさん、出てます。
あやや でんでんさん、いますね。
しかし、この方の名前はこれでいいんでしょうか。
── 「でんでん」は「でんでん」だろう。
あやや そうですか?
でも永田さん、テレビぜんぜん観ないのに、
急に渋い役者さん知ってますね。
── いや、でんでんさんはそうとう古いよ。
ていうか、でんでんさんが
役者をやってるという事実に
オレは驚いてる。
あやや え???
── オレの知ってる「でんでん」は
『お笑いスタ誕』の人だ。
あやや オワライスタタン?
森下 いまはいい役者さんなんですよ。
こないだも『冷たい熱帯魚』っていう映画で
すごく味のある役をやってました。
── そうなんだー。
あやや ん? オワライスタタン?
荒井 『お笑いスター誕生!!』ですよ。
むかし、この人はお笑いの人だったんです。
あやや へーー。
── ブレイク前のとんねるずや
イッセー尾形さんなんかと
いっしょに出てたんだよ。
荒井 コロッケさんとかね。
── そうそうそう、まだ形態模写だけだったころ。
あやや へーー。
── お、あやちゃんにテレビの話で
優位にたてるのははじめてかもしれない!
コロッケさんはな、最初、
無言で顔マネをするだけで、
歌のモノマネはあとから練習したんだぞ。
あやや へーーー。
── 『お笑いスタ誕』も知らないのか!
司会は中尾ミエさんと
いまは亡き、山田康雄さんだ!
あやや ふーん。
── ちなみにでんでんさんのギャグで
オレがいまでも憶えているのは、
舞台にひとりで出てきたでんでんさんが
すごくもったいつけて、こう言うやつだ。
「みんなァ、ほら、見てくれ。
 オレの眉って‥‥オレの目より‥‥太いだろ?」
荒井 わはははははは。
── わはははははは。
あやや ぽっかーん。
── あとなぁ、『お笑いスタ誕』には、
小柳トムさんとか、ミスター梅助とか、
九十九一さんとか‥‥。
あやや ていうか、もう、いいから。
ハガネの女
テレビ朝日系
毎週木曜日午後9時
森下 あやちゃんの番だね。
あやや わたしですね。
じゃあ、『鈴木先生』から「先生」つながりで、
『ハガネの女』を挙げたいと思います。
前回の『ハガネ』ってご覧になってました?
森下 ちゃんと観てないんですよー。
おもしろいんだよね、これね。
あやや おもしろいですよ。
荒井 「Season2」がすぐできるってことは、
けっこう手応えがあったんでしょうね。
あやや なんかね、『鈴木先生』と
傾向が似てるのかもしれませんけど、
学園ものなんだけど、
ふつうのきれいごとで終わらせないんですよ。
あの、学園ものの「恒例のオチ」
みたいなのってあるじゃないですか。
ありがちな終わり方、みたいなの。
このドラマはそういうふうに
終わらせないんですよ。
こう、気持ちいい意外さみたいなのがあって。
だって、生徒の親に
跳び蹴りしたりするんですよ。
森下 へぇー。
あやや ぜひ、観てみてください。おもしろいです。
私、前回の『ハガネの女』を観て
吉瀬美智子さんを再評価したんですよ。
やっぱ、この人、いいな、と。
キレイなだけじゃないな、と。
荒井 もとはモデルさんですよね。
(永田に向かって)
吉瀬美智子さんは知ってますか?
── ‥‥いえ。
あやや うっそーーーん。
なんで、「でんでん」知ってて
吉瀬美智子さん知らないんですか!
── いいから、いいから、
オレにかまわず、先を続けて。
あやや ほんとに知らないんですね。
ほんとに知らないんだよなー。
糸井 (またしてもひょっこり顔を出し)
なにが知らないって?
あやや あ、糸井さん、永田さんがね、
あまりにもテレビのことを知らなくて。
吉瀬美智子さんを知らないんですよ。
荒井 ちなみに糸井さんは
吉瀬美智子さんをご存知ですか。
糸井 知ってますよ。
吉瀬さんはね、歳とってから
人気者になった人ですよ。
あやや そうです、そうです、
31歳か、32歳ですよ。
森下 私、吉瀬さんにはじめて注目したのは
『ブラッディー・マンデイ』だったな。
あやや ああー!
荒井 うん、『ライアーゲーム』と
どっちが先だったかな。
森下 なんだろう、ひと言でいうと、
過剰なエロさというか‥‥。
荒井 そうそう、エロかったですね。
糸井 あらま。
森下 なんか、ドラマ中に、
エロいいたぶられシーンっていうのが
ありまして(笑)。
あやや 金髪のかつらをつけて、
ミニスカートに網タイツ履いてね。
森下 そうそうそう(笑)
水攻めかわかんないけど、
拷問みたいなのされてるんですよね。
あやや そう、すごかった。
糸井 水攻めは、なかなかいいですね。
森下 しかもそれが土曜8時のドラマで。
家族団らんの時間帯なのに、
なぜか、部分的にすごいエロいんですよ。
あやや びっくりしましたよね(笑)。
あれは、女から見ても
ちょっと誘惑されたいと思いますよね。
糸井 そんな吉瀬美智子さんを、
永田くんは知らないと。
── ええと、あ、ほらほら、
清水ミチコさんも出てますよ。
糸井 お、ほんとだ。
あやや いいんですよ、清水ミチコさん。
なんていうか、ほんとに
清水ミチコのまんまで
小学校の先生をやってる感じで。
森下 ときどき、モノマネしたり?
あやや いえ、モノマネ抜きで。
糸井 あ、このあいだ、
清水ミチコとカラオケに行ったんだけど、
真横でユーミン歌ってくれたよ。
あやや うそーーー、すごい贅沢!
糸井 そうそう、なんか、
カラオケのゲストにユーミンが来た、
みたいになっちゃうんだ。
しかも、画面にちゃんとユーミン本人が
映るカラオケだったからさ、
もう、本人カラオケ。
森下 いいですねーー。
聴いてみたい!
糸井 でもね、おもしろかったのはね、
舞台で観る清水ミチコのほうが、
やっぱりおもしろいし、
ユーミンにも似てるんだよ。
そうじゃなくて、仕事じゃないときに
カラオケで清水さんが歌うユーミンって、
やっぱり、清水さんご本人なんだよ。
あやや へぇー。
森下 へぇー。
荒井 へぇー。
── へぇー。
糸井 そうとう似てるんだよ?
そうとう似てるはずなのに、
「あ、これは清水さん本人の範囲だ」
ってわかっちゃうんだよ。隣で歌ってると。
あれは、なんなんだろうね。
ちょっと理由がわかんないんだよ。
あやや へぇー。
森下 へぇー。
荒井 へぇー。
── へぇー。
糸井 と、座を感心させたところで、
オレは去るぞ。
森下 おつかれさまです!
荒井 おつかれさまですー。
あやや おつかれさまです!
── おつかれさまです。
糸井 じゃーねーー。


(つづきます)

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2011-05-05-THU