あやや |
(ドラマ談義中)
|
森下 |
(ドラマ談義中)
|
荒井 |
(ドラマ談義中)
|
|
── |
えーーー、みなさん、ぼちぼち、
この春の連ドラの話を
していただけると‥‥。
|
あやや |
えええ、もう本題ですか!
|
── |
はい、できれば。
|
あやや |
じゃ、その前にちょっとだけ、
前回の秋のテレビガイドを
振り返ってみましょうよ。
|
|
荒井 |
あのシーズンは
『家政婦のミタ』でしたねぇ。
|
森下 |
うん、すごかった。
|
荒井 |
最終回、40パーセントですよ。
|
あやや |
40はすごいですよね!
|
荒井 |
40はすごい。
|
|
あやや |
ただ、なんていうんでしょう、
ものすごくおもしろかったんですけど、
40って出すぎじゃないかと。
|
── |
あ、そうなの?
|
あやや |
いや、これはニュアンスが難しいんですけどね、
40って、歴代ドラマ視聴率ランキングの上位に
入って来ちゃうレベルなんですよ。
|
荒井 |
そうですね。
|
あやや |
だから、おもしろかったんだけど、
そこに並ぶかというと
ちょっと違和感があったというか。
|
── |
つまり、ほかの歴代ドラマへの愛着として。
|
あやや |
そうそうそう!
『ルビーの指輪』の記録は
抜かれてほしくない、みたいな。
|
── |
古いよ。
|
森下 |
あややって、ほんと、
年齢の辻褄合わないよね。
|
|
── |
そうなんですよ。
|
あやや |
12週連続1位ですよね。
ソファがひとつだけ赤いんですよね。
|
── |
せめて『ザ・ベストテン』の話だと
言わないと。
|
荒井 |
話を戻すと、自分としては、
そうとうおもしろかったですよ、
『家政婦のミタ』は。
|
森下 |
おもしろかったですねぇ。
|
あやや |
いや、それはもう、もちろん。
|
荒井 |
しかも我々、去年のこの集まりで、
おすすめの1本に、全員一致で
『家政婦のミタ』選んだじゃないですか。
|
あやや |
そうそうそう。
|
森下 |
あのときのわたしたち、
冴えてましたよねー。
|
あやや |
冴えてた、冴えてた。
|
|
荒井 |
当たりました。
|
森下 |
ほかに挙げたドラマもおもしろかったし。
自分たちの観察眼を誇りに思いました。
|
荒井 |
だって『家政婦のミタ』もそうですけど、
森下さんは『カーネーション』も
強く推してましたもんね。
|
あやや |
そう、そう、そう!
|
森下 |
だって、あのとき私、
『ミタ』『カーネーション』
『11人もいる!』だからね。
テッパンでしょ(笑)。
|
荒井 |
冴えてました。
|
あやや |
あと、ついでに言うとね、
前回にかぎらず、
けっこう当たってますよね。
|
|
森下 |
あ、言っちゃう(笑)。
|
── |
でも、じつは、そうなんです。
あんまり自分たちで言うとなんだから
言ってないけど、予想のときのおすすめと
放映後の数字、評判を比べると、
過去7回、ほぼ当たってる。
|
荒井 |
おお!
|
── |
でも、1回、大きくはずしてる。
|
森下 |
(笑)
|
|
あやや |
ま、それがなんだかは詮索しないとして。
この、主要キャストとプロットしか
発表されてないなかで、
かなり当たってますよね!
|
荒井 |
そう、掲載はドラマのスタート後ですが、
この座談会自体は放送前にやってますからね。
|
── |
‥‥‥‥あ、そうか。
それで、評価されないのかもしれない。
|
森下 |
はじまってから「おもしろい」って
言ってるだけだろう、って(笑)。
|
あやや |
永田さんっっっ!!!!
だから、編集を早めにと‥‥。
|
|
── |
さぁ、それでは、さっそく行きましょう。
1本目はどれにしますか? |
|
あやや |
わたし、いきなり行ってもいいですか。
|
── |
はい。
|
あやや |
わたしは、もうこれが本命、
というのが決まっておりまして、
『リーガル・ハイ』。
|
森下 |
あ、私もです(笑)。
|
|
荒井 |
えー、もう結論ですか(笑)。
|
あやや |
よさそうなんですよー。
脚本家が古沢良太さんなんですよね。
|
森下 |
そうそうそう。
|
あやや |
古沢良太さんというと『キサラギ』、
『ALWAYS 三丁目の夕日』。
|
森下 |
あと、『相棒』も。
|
荒井 |
おおー、かなりの高打率ですね。
|
森下 |
『相棒』のなかでも
「神回」と言われるのは、
けっこう古沢さんが書いてるんです。
|
あやや |
あと『探偵はBARにいる』も
古沢さんなんですよね。
|
── |
資料によれば、
以前、ここで話題になった『鈴木先生』も。
|
あやや |
そうだ、『鈴木先生』もだ!
|
荒井 |
じゃあ、ほんとに、本命じゃないですか。
|
|
あやや |
ええ、『リーガル・ハイ』、
大本命じゃないかと。
|
森下 |
うん、うん。
脚本がいいっていう下馬評は
すでに耳にしてます。
|
── |
主演は、「ほぼ日」にも馴染みの深い、
堺雅人さんですね。
|
あやや |
堺雅人さん、丁寧に役作りをされる方なので、
「練った」演技がたのしみです。
久しぶりの主役ですよね。
『ジョーカー 許されざる捜査官』以来?
|
森下 |
たぶんそうですね。
|
あやや |
じゃあ、絶対そうですね。
この「リーガルコメディ」っていうのが
新しいと思いませんか。
|
荒井 |
この「リーガルコメディ」っていうのは
「法廷のコメディ」っていうことですかね。
|
あやや |
三谷幸喜さんの映画、
『ステキな金縛り』みたいな?
|
森下 |
あれもたしかに「法廷」だけど(笑)。
|
荒井 |
うーん、法廷でコメディって、
あんまり思い当たらないですね。
|
森下 |
海外ものだったら、法廷の離婚劇とか
あったような気がしますけど。
そもそも、日本の法廷って、
海外の法廷とちがって劇的でもないから、
そのあたりをどこまでフィクションに飛ばすか
っていう振り幅がポイントでしょうね。
|
|
あやや |
ああ、そうですね。
|
森下 |
「判決を言い渡す!」みたいなことって
じつは日本ではないですから。
かといって、ドラマで「‥‥主文」っていうのも。
|
荒井 |
そうですね(笑)。
|
あやや |
『7人の女弁護士』みたいに
フィクションに飛ばさない
可能性もありますよね。
|
森下 |
それも手だとは思いますが、
あんまりリアルにするのもつくりづらいだろうし。
民事裁判だと訴訟までいかずに
示談で終わる、みたいなこともあるけど、
ぜんぶ、民事じゃなくて刑事にするのかな。
|
荒井 |
とりあえず初回は刑事事件っぽいですね。
「殺人事件で有罪判決を受けた
青年を救うべく‥‥」って書いてありますから。
|
森下 |
あ、そうですね。
やっぱりおもしろそうだな。
|
あやや |
なんか、1話1話が凝ってそうですよねー。
|
森下 |
そう思いますね。
古沢さんは、ミステリーがすごく好きな人だから、
凝ったものになるんじゃないかなぁ。
|
あやや |
あと、古沢さんの作品って
テンポがいいんですよね。
ひとつひとつのセリフも軽快だし。
|
|
森下 |
そう、そう。
前、古沢さんの舞台観に行ったんですけど、
すごいおもしろかったですよー。
|
荒井 |
うーん、ますますたのしみですね。
|
あやや |
あと、すいません!
私的な注目ポイント、言ってもいいですか?
|
|
森下 |
言うんでしょ?
|
|
荒井 |
言うんでしょ。
|
|
── |
言うんでしょ。
|
あやや |
今回、堺さんの相手役が、
ガッキーこと新垣結衣ちゃんじゃないですか。
個人的には、この、堺さんとガッキーっていう
組み合わせがかなりたのしみで。
というのも、堺さんって、
若い役者さんのよさを引き立てて
魅力的にみせるのがすごく上手なんですよ。
|
|
森下 |
ああー。
|
あやや |
堺さんと一緒に出てる若い人って、
なんか、いつもすっごく魅力的にみえる。
で、ガッキーって、なんていうかな、
達者な人というよりは、
素材がいい、みたいな人じゃないですか。
|
一同 |
(笑)
|
あやや |
沖縄から来た素材のよさが
いまだに活きてる、みたいな。
|
森下 |
ムニエルというよりは
刺身のよさがあるみたいな。
|
あやや |
そう、調理されてない魅力。
それって、いまどきめずらしいと思うんですよ。
けっこう、いまってみんな、
完成した子が出てくるから、
ガッキーはそういう意味で「素材派」なんですよ。
|
森下 |
生の保存状態が「いい」感じ。
|
あやや |
そう、保存状態がいい子なんですよ、
新垣結衣ちゃん。
で、堺さんの話に戻るんですけど、
この、素材のいい子が、
堺さんの「引き立て力」によって
パーンと開花するんじゃないかな、と。
|
森下 |
な・る・ほ・どーー。
|
|
荒井 |
たしかに、新垣結衣さんって、
好感度も高いし、たくさん出てるんだけど、
これだ! という代表作が浮かばないような‥‥。 |
あやや |
そうなんですよ。
話題作はあるんだけど、代表作がない。
そこで堺さんなんです。
たとえば、『ジョーカー』のときって
一緒にやってた錦戸亮君が、
すっごくよかったんですよ。
「あっ、錦戸くんって
こういう魅力のある人なんだ」
って発見があったんです。
|
森下 |
『篤姫』のときもそういう感じがあったね。
堺さんといるときの宮崎あおいちゃんは、
よりかわいく見えた。
|
あやや |
そうそうそう。
若い人の立て方がうまいんです。
だから、今回のガッキーは
いままで素材だったのが、ついに‥‥。
|
森下 |
ちょっと加工されるかも?
|
あやや |
そう、ちょっと、あぶりトロサーモンみたいな。
|
|
荒井 |
ははははは。なんだそれ。
|
|
37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜 |
フジテレビ系 |
火曜日午後10時 |
|
|
|
あやや |
『37歳で医者になった僕』はどうでしょうか。
草なぎ剛さんです。
|
森下 |
これは、けっこう期待してます。
|
あやや |
わたしもです。
魅力は、脚本家の古家和尚さんと
草なぎくんのコンビ、
つまり『任侠ヘルパー』なんですよ。
|
森下 |
ああ、そうかそうか。
|
あやや |
『任侠ヘルパー』よかったんですよ。
わたし‥‥毎週、泣いてましたもん。
|
|
荒井 |
これは、『僕の生きる道』の脚本の方ではなくて?
|
あやや |
あ、違います。
『僕の生きる道』もすごくよかったですよね。
あれは、たしか橋部敦子さんです。
|
荒井 |
ああ、そうか。
|
あやや |
草なぎさんのドラマって、
なんか、いつもおもしろいですよね。
|
森下 |
安定感がありますよね。
なんか共感できるというか。
|
荒井 |
最近、とくにそうですね。
はずさないです。
|
あやや |
『冬のサクラ』も
『任侠ヘルパー』もおもしろかった。
あと『僕の生きる道』シリーズ、
よかったですねー。
|
荒井 |
3つありましたっけ。
『僕の生きる道』
『僕と彼女と彼女の生きる道』
『僕の歩く道』。
|
あやや |
そう、そう。
|
森下 |
絶対、踏み外さないっていう
イメージがありますよね。
草なぎくんが主演だと、
なんでこんなに企画がうまくいくんだろう。
やっぱり、人柄なのかなぁ。
|
|
あやや |
なんでしょうね。
もう、勝手なイメージですけど、
まわりの人たちがリラックスして
本来のよさを発揮する、みたいな感じ?
肩によけいな力が入らないっていうか。
|
荒井 |
いや、そういう感じはありますよね。
なんか、いい意味で気楽さがあるっていうか。
|
あやや |
そうそう、いいドラマって、やっぱり、
いいドラマを追求できる、
いい雰囲気が必要だと思うんですよ。
|
森下 |
うん。
|
荒井 |
その意味で、草なぎさんって、
ほどよい気楽さがあると思うんですよね。
スーパーヒーローじゃなくて、
ほんとうにその辺にいそうな人って感じ。
|
森下 |
そうですよね。
だからこそ、つくれる世界がある。
|
あやや |
ふつうに観ることができるんですよね。
それってやっぱりすごいことだと思う。
「オレ、すごいだろう?」みたいな
嫌味がないから、落ち着いて、
リアルに観れるんですよ、ドラマが。
|
森下 |
ドラマをドラマとして
観ることができるんだよね。
|
あやや |
という、草なぎさんを中心に、
なかなか魅力的なキャストがそろってますね。
|
荒井 |
鈴木浩介さんは、最近、よく見ますね。
|
|
あやや |
おもしろいですよねー。
『LIAR GAME』の癖のある役とか。
次世代の生瀬さん、みたいな。
|
森下 |
(笑)
|
荒井 |
お、マツケンさんも。
|
あやや |
そうです、松平健さん。
大河のマツケンじゃなくて、
元祖マツケンのほうです。
マツケンさんが出ることによって
草なぎさんの、リアルでナチュラルな世界が、
ちょっと劇画的になるのがいいんです。
|
森下 |
あー、なるほど、そうですね。
けれんみたっぷりな。
|
あやや |
そう、ちょっと時代劇、みたいな。
マツケンさんが出てくる部分だけ、
いい意味で異彩を放つ。
『任侠ヘルパー』でも、親分の役で
出てらっしゃいましたけど。
|
荒井 |
あー、なるほど。
そういえば、そうですね。
|
森下 |
そうか、そこの3人が
『任侠ヘルパー』と共通してるんですね。
|
荒井 |
主演の草なぎさん、脚本の古家さん、
そして、マツケンさん。
|
あやや |
共通するキャストもありつつ、
新しい組み合わせもたのしみです。
田辺誠一さんも出ますし。
|
|
── |
あと、あやちゃんが、
地味に毎回アピールしてる
斉藤コウさんが出てるね。
|
あやや |
「タクミ」です!
何度いったら覚えてくれるんですか!
「斉藤工」と書いて、
「サイトウタクミ」です!
|
|
── |
ごめん、ごめん。
|
あやや |
あの、振られたんで、仕方なく言いますけどね。
わたし‥‥斉藤工さんが、
もう、すごい、好きで。
|
森下 |
知ってるよ。
|
荒井 |
知ってます。
|
あやや |
なかなかお茶の間の視聴者のみなさまに
名前を覚えてもらえず‥‥
コアなドラマファンからは
いつになっても「期待の若手」と
呼ばれ続けてますけど‥‥
でも、みなさん! いいですか!
|
|
森下 |
はい。
|
荒井 |
はい。
|
あやや |
斎藤工くんは、主役をはれる華のある方です!
(机をドンと叩く)
が、正直なところ、今回のこのドラマでは、
この人の魅力があんまり出ない可能性があります!
(机をドンと叩く)
|
|
── |
なんだそりゃ。
|
一同 |
(笑)
|
|
あやや |
主観ですが、バイオレンスな役のほうが、
斉藤工さんの魅力が出ます。
今回、エリートのお医者さんということで、
おとなしい役だとすると‥‥
やや、持ち味が出ないかもしれない。
斉藤工くんの魅力をより深く知りたい、
という方は、今クールの
『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』
にも出てらっしゃいますので
こちらをご覧ください。
前回から引き続き、当たり役をやってます。
いえ、でも、いいんです、
わたしがこんなに推さなくても、
斉藤工さんは、いずれブレイクします!
してください! するでしょう! するかも!
|
── |
うるさい、うるさい。
|
あやや |
まとめると、どうですかね。
『37歳で医者になった僕』は。
|
森下 |
これ、実話ベースだしね。
おもしろそうな感じがありますよ。
|
あやや |
そうなんですよね。
37歳で脱サラして医者になるって、
すごいですよねぇ。
だって、ここから一人前になるまでに
たぶん、10年くらいかかるんでしょうから。
そしたら、そのころ、47歳?
うわぁ、47かぁ、そうかぁ‥‥。
|
|
── |
なにを言ってるんだ、なにを。
|
あやや |
だから、このドラマのテーマは、
「人生は何歳でもやり直せる」
っていうことですよ!
|
森下 |
‥‥ほんとぉ(笑)?
|
あやや |
ほんとですよー!
|
荒井 |
何歳でも?
|
あやや |
やり直せます!
日野原重明先生ぐらいのスパンで考えれば、
まだまだ人生、三分の一ですよ!
|
── |
つぎのドラマ、行きましょう。 |
|
あやや |
今期、一番注目されてる
ドラマのひとつではないでしょうか。
|
森下 |
『ATARU』。
|
あやや |
ですが、なんというんでしょう、
わたしは少々、危険な香りを感じています。
|
荒井 |
『ATARU』と言いながら‥‥。
|
あやや |
『ATARU』と言いながら‥‥。
|
|
── |
まずはそのダジャレを
誰しも言いたくなるんでしょうね。
|
森下 |
絶対言うと思ったもん。
|
荒井 |
すいません、つい4コマ的展開が
浮かんでしまって。
|
── |
あの、荒井先生、もう完全に、
本来の漫画の更新よりも、
ドラマの人として登場するほうが多いですよ。
|
荒井 |
ババーン!!
|
|
── |
「ババーン!!」じゃなくて。
|
荒井 |
‥‥で、どういうドラマなんですか、これ?
|
森下 |
中居くん演じるアタルという人が
サヴァン症候群で、その特殊な能力で
事件を解決するヒントを提示する、と。
|
あやや |
『レインマン』のダスティン・ホフマンですね。
|
荒井 |
サヴァン症候群って、
ほんとはどういうものなんですか?
|
森下 |
いろんなタイプがあるらしいんですけど、
簡単にいうと、
「記憶を消さない人たち」らしいです。
記憶って、脳が勝手に消したり上書きしたりして
整理してくれるじゃないですか。
だけど、サヴァン症候群の人たちは、
ある一部分の記憶が延々と残り続けて、
絶対に消えないらしいんです。
|
|
── |
‥‥あやちゃん?
|
あやや |
うん。そう言われたことあります。
わたし、観たドラマのことは
ほぼ消えずに残ってます。
|
森下 |
あ、ここにいた(笑)。
|
── |
あと、あやちゃん、
トランプの「神経衰弱」が無敵なんだよね。
|
あやや |
そう。こうやって見て、
(机に顔を近づけてなめるように見る)
ぜーんぶ、憶えちゃう。
|
|
── |
それはサヴァン症候群じゃないけど、
『レインマン』っぽい。
|
あやや |
だから、わたしを映画化するときは
『レインマン』みたいにしてください。
トム・クルーズ的な人とわたしが旅をします。
|
── |
‥‥さて、スタッフなどは、
どういう感じでしょうか?
|
森下 |
なかなか、おもしろい組み合わせなんですよー。
『ケイゾク』『SPEC』のプロデューサー、
植田博樹さんと、
『科捜研の女』『相棒』の脚本家、
櫻井武晴さんという、
近いようで遠いぞ、みたいな
組み合わせのタッグなんです。
|
あやや |
へーー、それは、なんていうか、
ふつうの組み合わせよりも期待できますね。
|
荒井 |
異色タッグ。
|
森下 |
そうなんですよね。
たとえばプロデューサーの植田さんは、
このドラマのような
「天才系の主人公」がお好きなんですね。
一方、脚本の櫻井さんは、
ギミックに頼らない、
地道でしっかりした脚本を書く方。
|
|
あやや |
あ、じゃあ、ほんとに、遠いところにいる
ふたりの組み合わせなんですね。
|
森下 |
わたしの中で、両者の作品は、
それぞれにいいなあと思いながらも、
ものすごく遠いイメージがあります。
同じ刑事モノでも、発想が両極端にあるというか。
だからこそ、一緒にやるとどうなるんだろう、
というおもしろさがあるんですけど。
|
あやや |
なんか、そのふたりみたいなコンビが主役の
刑事ドラマがあったらおもしろそうですよね。
天才肌の刑事みたいな植田さんと、
コツコツ派の鑑識みたいな櫻井さんと。
|
森下 |
(笑)
|
荒井 |
その組み合わせって、
どっちかがどっちかに寄るんでしょうか。
半分半分っていうのは、逆に難しいし、
互いのよさを消し合っちゃうような
気もするんですよね。
|
森下 |
そうですね。
うーん、設定としては植田さんの
色が強いような気もしますけど、
演出が堤さんじゃないとすると、
地味でしっかりした『科捜研』に寄るのかな。
|
あやや |
それはちょっと意外(笑)。
天才側が歩み寄る?
|
|
森下 |
というよりは、『相棒』っぽい、
地道な刑事もののベースに、
サヴァン症候群っていう
『SPEC』的なものが乗ってるっていうほうが
考えやすいかもしれないですね。
|
荒井 |
あー、それなら、ドラマとして見やすいかも。
|
あやや |
脚本がしっかりしてそうですよね。
キャストに「話題のあの人が登場!」みたいな、
アピールがないところが、逆に好印象。
内容に自信があるんだろうな、みたいな。
|
森下 |
脚本はいいといううわさですよ。
|
あやや |
主演の中居さんは、
ドラマになるとシリアスな役が多いですね。
|
荒井 |
やっぱり、バラエティーでの露出が多いから、
そこと重なる明るいキャラクターは
演じないようにしてるんじゃないでしょうか。
|
あやや |
あー、なるほど。
だから、『砂の器』の和賀英良とか。
|
森下 |
『白い影』の直江庸介とかね。
で、なんかね、今回、
中居くん、お尻出すらしいですよ。
|
荒井 |
ええ?
|
森下 |
すいません、断片的な情報で。
|
あやや |
でも、中居くんって、絶対お尻きれいですよ! |
|
一同 |
(笑)
|
── |
そこ?
|
森下 |
あ、お尻といえばさ。
|
荒井 |
そこ?
|
森下 |
お尻といえば、
『結婚できない男』って、あったでしょ?
あのドラマの初回って
新鮮すぎて判断できないものがあって、
「おもしろいのかなぁ? おもしろいんだよな」
って感じだったんだけど、
最後のシーンでお尻が出て、
「視聴継続確定!」ってなった人、
多いと思うんですよね。
少なくとも、わたしはなった!
|
── |
そうなの?
|
荒井 |
それは、男優の尻を見たいっていう人が
いるということですか。
|
森下 |
男優の尻を見たい? 決意を感じさせる?
うーん。とにかく尻です。
|
── |
あのさ、まえやってた
『世界ウルルン滞在記』って、
ジャングルとかに行く若い男優さんが
必ずどこかで一回、シャワー浴びるでしょ?
|
あやや |
うん、浴びる浴びる。
|
── |
あれは、そういうことですか。
|
あやや |
いや、わたしもね、
昔はわかんなかったんですけど、
いま、自分が、年をとってみると‥‥。
|
|
森下 |
母になってみると‥‥。
|
荒井 |
あ、ご出産、おめでとうございます。
|
森下 |
おめでとうございます。
|
あやや |
ありがとうございます。
いざ、自分が、この年になってみると‥‥。
|
|
── |
若い男優さんのお尻は‥‥。
|
あやや |
やっぱり‥‥悪くないですよね。
|
── |
ははははは。
|
あやや |
わたし、じつは、昨日、
斎藤工くんのシャワーシーンを観たんですよ。
やっぱり、うん、悪くないですよね。
|
── |
しょうがないなぁ。
|
あやや |
あの、はじけるでしょ、水滴が?
|
森下 |
ああ、肌のね。
|
あやや |
肌で、水滴が、こう、
じめーっと、広がらないでしょ?
はじけるでしょ? お尻で?
ポーン、ポーンと、こう、なるでしょ?
それは、視聴者として、悪くないですよね。
|
|
森下 |
あれは、なんか塗るんですかね。
肌に塗って、はじけるようにするとか?
わたしが現場のディレクターだとしたら、
絶対、はじけるようにするけどね!
|
── |
「絶対、はじけるようにする」(笑)。
|
あやや |
あ、でもね、森下さん、
こうも言えるんじゃないですかね。
そういう、シャワーシーンのある人は、
お尻に、なんか塗らなくても、はじける。
|
荒井 |
ははははは。
|
森下 |
ああ、なるほどね。
つまり、そもそもはじける。
|
あやや |
そう! そもそもはじける。
|
── |
「そもそもはじける」(笑)。
|
あやや |
もちろん、形もよくてね。
こう、横に出てないというか。
|
森下 |
左右がこう、キチッと
しまわれてる感じね。
|
── |
「しまわれてる感じ」(笑)!
|
あやや |
タイトな茶巾ずしみたいな。
|
|
荒井 |
なにを言ってるんだか(笑)。
|
あやや |
悪くないですよね?
|
森下 |
悪くないです。
ぜんぜん、悪くないです。
|
あやや |
これは、思わぬたのしみが増えました。
|
森下 |
あ、でも、うわさだから、
出なかったら、ごめんね、おしり。
|
あやや |
いえ、出るかもしれないというだけで
十分、悪くないです。
(つづきます) |