5→9 〜私に恋したお坊さん〜
フジテレビ系●月曜日午後9時
あやや
さあ、「月9」行きましょうか。
山Pです。
──
「月9」と言えば、荒井先生。
あやや
ひと言、お願いします!
荒井
そうですね‥‥。
ええと、この‥‥
すみません、タイトルが読めません。
一同
(ずっこける)
──
たしかに、これ、読めないです。
『5→9(ご、やじるし、きゅう)』?
『5→9(ごからきゅう)』?
あやや
読めないうえに
「ニョロ(〜)」もついてますよ。
森下
なにっ! ニョロ!
(※森下さんはドラマのタイトルに
「〜」がつくことを嫌います)
──
ええと、調べたところ、
「5時から9時まで」と読むそうです。
あやや
「5時から9時まで」!
へー、へー、なんだろう、それ。
「渋谷で5時」みたいなこと?
森下
(小声で歌う)
♪きょーはしぶやで
あやや
♪5っじ
森下
ははははは。
──
‥‥。
あやや
あれ? 知らない?
菊池桃子と鈴木マーチンのデュエット。
♪きょーはしぶやで
森下
♪5っじ
──
あやちゃんのそれは、
ひょっとして菊池桃子さんの真似なのか。
あやや
(過剰に舌っ足らずな口調で)
きひくちもむこでぇす。
荒井
ひどい。
森下
あいかわらず。
──
あと、いまどき、
鈴木マーチンって言っても伝わらないぞ。
あやや
ていうか、5時から9時って、
午前5時から午前9時?
朝早くないですか?
荒井
夕方じゃないですか?
森下
このふたりが、
午後5時から午後9時まで会って、
そのあと会えない、みたいなこと?
あやや
午前5時から午後9時までは?
──
長すぎるだろ。
ほぼ一日中で、限定する意味がない。
あやや
じゃあ、午後5時から午前9時!
──
夜更かしか。
荒井
で、なぜ、5時から9時?
──
それが、検索してるんですが、
いまひとつ、よくわからない。
午前なのか午後なのかも不明です。
あやや
♪きょーはしぶやで
森下
♪5っじ
荒井
それはいいから。
──
しかたないので紹介文を読みます。
ええと、29歳を目前に
突然モテ期が訪れた英会話講師と
高学歴・高身長・高収入で
スポーツカーを乗り回すイケメン僧侶が
お見合いをきっかけに出会うラブコメディ、
だそうです。
荒井
山下智久さんが僧侶で
英会話講師が石原さとみさん。
──
そうですね。
東大卒のイケメン僧侶。
荒井
んんー、どうなんだろう。
森下
東大卒ってことは、これ、
宗教学科ということですよね。
じつは私も宗教学科なんですよ。
──
あえてさらっと補足しておきますが、
森下さん、東大卒です。
森下
宗教学科ってね、
けっこう、お寺の息子さんがいました。
あやや
えー、そうなんだ!
森下
わりと多かったですよ。
留学生はチベットのお坊さんだし。
荒井
うーん、見当がつかない世界ですね。
あやや
あの、宗教学科の森下先生に、
ふだんから疑問に思っていたこと
訊いてもいいですか?
森下
うん?
あやや
ダライ・ラマさんって、
メガネどこで直してるんですかね。
森下
‥‥‥‥ん。
荒井
‥‥‥‥。
──
‥‥‥‥。
あやや
だって、メガネって、ずっとかけてると、
ずれたり、頭痛くなったりするから、
ときどき調整したり直したりが必要だと思うんです。
ダライ・ラマさんもトレードマークで、
ずっとつけてらっしゃいますよね。
──
ト、トレードマーク‥‥。
あやや
だから、いつ直すのかな、
直すところあるのかなと、
ずっと思ってたんです。
──
森下さん、スルーでOKですよ。
森下
まぁ、弟子の中にいるんじゃないですか。
メガネ屋から出家した人とか。
あやや
あ、そうなんですか。
荒井
メガネ屋から出家(笑)。
森下
いや、だって、ほんとに。
チベットとかって、人生のうちの一時期は、
必ず僧侶になったりするんですよ、たしか。
あやや
へーーー。
森下
だから、息子が修行するっていうときに、
「おまえ、ダライ・ラマさんの
ところに行くんだったら、
メガネの修理くらいできるようになっとけよ、
うち、メガネ屋なんだから」
ぐらい気の利いたこと言ってくれた
親父がいてもいいんじゃないですか?
あやや
じゃあ、大丈夫だ。
よかったです、長年の疑問が今日解決して。
ありがとうございました!
荒井
解決‥‥ですか。
──
こういうやり取りをそのまま載せると
創作したみたいに思われちゃうんだよなぁ。
森下
しかも、これ、
つくったにしては中途半端な‥‥。
──
そうなんですよ!
あやや
え、なんの話してるんですか?
──
えーーと、荒井先生、どうですか!
今季の「月9」はどうですか?
荒井
ええー、わかんないですねぇ。
「イケメン僧侶」って。
森下
でも、「美坊主」って、
一時期言われたことがありましたよね。
週刊文春とかで、美坊主特集とか。
あやや
あったあった。
森下
だから、そういう需要というか、
ジャンルはあるのかも。
荒井
これは、どちらかというと、
石原さとみさんのほうが主役なんですね。
──
タイトルにも「私に恋した」とありますから、
アプローチされる側なんですね。
荒井
この構造、石原さとみさんのドラマで
前にもありましたよね。
小栗旬さんが相手役で‥‥
リッチマンなんとか。
あやや
『リッチマン、プアウーマン』ですね。
荒井
それです。
あやや
あれの石原さとみさんは、
小悪魔的で、かわいかったですねー。
もう、くちびる全開で。
──
「くちびる全開」って。
あやや
あの「くちびる」って、
誰かがプロデュースするわけですよね?
森下
え、どういうこと?
あやや
つまり、速水もこみちさんが
突然料理しはじめたり、
芸能人の人って、突然、ある部分に
スポットが当たるじゃないですか。
石原さとみさんは、たぶん、
誰かがなにかのタイミングで
「くちびるぷるぷる」で行こうって
プロデュースしたんですよ。
それで、しょっちゅう
「ぷるぷるぷるぷる」させてるんですよ。
もちろん、ご本人のもともとの魅力なんですが、
そこをタグにするというか、
前に出していくっていうのはすごいなぁと、
かねがね思っている次第です。
──
くちびるについてのコラムはともかく、
ドラマについて話しましょう。
荒井
山下智久さんは、坊主頭にするんですかね。
森下
いや、坊主にはしないんじゃないですか?
荒井
ああ、そうかもしれませんね。
坊さんだけど坊主頭じゃないって、
わりといますもんね。
あやや
えっ、そうなんですか!
お坊さんでも、坊主頭にしなくてもいいんですか?
森下さん、どうなんですか!
森下
ん?
あやや
宗教学科だと訊いて、
お坊さんのことをいろいろ
森下さんに訊いてみたくなりました。
森下
いや、私がお坊さんの研究を
していたわけじゃなくて、
まわりにお坊さんがわりといたよ、
というだけの話で。
──
すみません、
弊社の者がおかしな絡み方をして。
森下
私のほうこそ質問したいんですけど、
けっきょく、5時から9時は、
午前なんですか、午後なんですか?
あやや
これ、マンガが原作なんですよね。
マンガのことは漫画家の
荒井先生に訊きましょう。
荒井
いや、タイトルの読み方も、
坊主頭のこともわかりませんけど、
原作の掲載は月刊誌「Cheese!」みたいですね。
──
すみません、
弊社の者がおかしな絡み方をして。
森下
‥‥あ、でも、僧侶ということは、
「5時」のほうは、やっぱり午前5時じゃない?
つまり、朝のおつとめがあるから。
あやや
お! いい読みだ!
森下
だから、朝の5時から
夜の9時まではおつとめで、
そのあとは袈裟を脱ぎ捨てて
エロエロってことですかね。
あやや
エロエロ坊主?
──
「エロエロ」、どこから出てきたんですか。
森下
わかんないけど、
9時になったら変身しちゃうぞ、
みたいな感じですよ。
荒井
エロエロといえば、石原さとみさん、
松本潤さんとやってたドラマありましたよね。
あやや
『失恋ショコラティエ』。
荒井
そう、あのドラマの石原さとみさん、
ちょっとエロかったじゃないですか。
あやや
エロかった、エロかった。
森下
あと山下智久さんも、
すごく色気ありますよね。
あやや
うんうん、このふたり、エロエロですよ。
じつは、観るべきところはそこかもしれない。
うん、このドラマの売りが見えてきました!
森下
あとは、タイトルの謎を‥‥。
偽装の夫婦
日本テレビ系●水曜日午後10時
あやや
じゃ、師匠、行きますか。
森下
師匠、行きましょうか(笑)。
──
つぎに取りあげるのは
遊川和彦さん脚本の『偽装の夫婦』。
遊川さんは、森下さんが
脚本家としてデビューするとき、
お世話になった方でもあります。
あやや
同じく遊川和彦さん脚本の
『女王の教室』で鬼教師を演じた
天海さんが主演ですね。
森下
『女王の教室』はおもしろかったですよ。
あやや
おもしろかったですねー。
そして、当時、生徒役だったあの子が
あんなに大きくなって‥‥。
森下
子役だった志田未来ちゃん。
荒井
今回は職業ものではないんですね。
森下
結婚もの、なのかな。
──
記事によると、
「大人のラブストーリー」らしいです。
「天海祐希が演じるのは美しくも孤高の女性。
学生時代に唯一愛し、裏切られた男と
奇妙なかたちで夫婦生活を
はじめることになった」。
荒井
それで「偽装の夫婦」ですか。
あやや
うーん、これだけではなんともいえませんが、
遊川さんだし、天海さんだし、
期待はしてしまいますね。
森下
『女王の教室』がおもしろかったですからねー。
荒井
ただ、あんまり『女王の教室』っぽい感じは‥‥
森下
しないですよね。
コメディなのかな‥‥。
あやや
天海さんの役がちょっとコメディに寄ると
おもしろくなりますよね。
森下
沢村一樹さんもおもしろいですから、
ふたりの掛け合いとかで見せてほしいなぁ。
──
ええと、資料によれば、
天海さんの役は「大の人間嫌い」。
あやや
うーん、不思議なんですけど、
天海さんって、ご本人はきれいで
すっごく明るくて、正反対の感じなのに、
そういう役がちょっと似合うね。
森下
そういう意味では、
すごく納得感のあるキャスティング。
あやや
そうそう、納得感だいじですよ、
キャスティングって。
荒井
「人間嫌い」の主人公なのに‥‥っていう、
逆に明るいコメディになるといいですね。
森下
そうですねー。
大人のコメディみたいな感じになると。
あやや
たしかに。
遊川さんの前作『○○妻』は
かなり毒がありましたからねー。
荒井
ああ、けっこうキツかったですね。
あやや
最後、柴咲コウさんが死んじゃうという。
森下
そうでしたねぇ。
あやや
あれは、なぜ殺しました?
師匠の心を森下さんはどう読みますか?
森下
死なせなければよかったのに、
ということですか?
あやや
いや、なんというか、最後、
どういう気持ちで見終わればいいのか、
わからなかったんです。
荒井
なんか、あれ、イヤでしたね。
いい感じだったのに「ええーー?!」って。
ふざけてるのか、と思いましたもん。
あやや
そう、死んだことがイヤだというより、
わからないんです、
どういう意図があるのか。
荒井
ハッピーエンドにしたくなかった
ってことですかね?
森下
私もわからないんですけど‥‥
不注意で自分の子どもを殺しちゃった人
(柴咲コウさんの役)が、
過去を隠してしあわせになる、
ということについての、
ひとつの考えなのかなぁ。
わかんないですけどね。
いま、世間的にそういうことに対する
バッシングというか、
風当たりは強いじゃないですか。
「子どもをほったらかしにして最低だ」とか。
まぁ、正論ではあるんですけど。
あやや
風当たり強いですね。
森下
それでも、柴咲コウちゃん演じる○○妻が、
一所懸命、生きていくさまに、
ようやく視聴者が共感したところで、
助けて、守って、死んじゃうみたいな、
そういう結末になるわけですよね。
あやや
そう。
森下
皮肉な感じですよね。
「しあわせになっちゃいけないんだろ」
「死んだほうがいいんだろ、そんな母親は」
みたいな。
あやや
ああー。
森下
なんかちょっとそういうものは
個人的に感じたんですけど、
どうなんでしょうかね。
わからないですよ、ほんとうは。
あやや
深いかも。
荒井
でも、だとすると
屈折してるなぁ、という気も‥‥。
森下
いや、あくまで
私がそう感じたというだけで‥‥。
こういうのって、受け取る方の心を
映し出すものでもあるから。
屈折してるのは私のほうなのかもしれません。
なんか、すみません。
あやや
いえいえ、そんな。
荒井
視聴者を裏切りたかった、
みたいなこともあるんじゃないですか。
ハッピーエンドにしないっていうか。
あやや
あの、マンガとかだとありますよね。
「え? そういう終わり?」みたいなの。
マンガだったら、わかる気がする。
──
マンガって、なんというか、
「作者のつくるものに振り回される」
っていう覚悟みたいなものが
あらかじめ読み手にあるからね。
あやや
あーー、そうかそうか。
──
それをドラマでやると、
お客さんが混乱しちゃうのかもしれない。
それだけ、遊川さんが作家性のある
脚本家だっていうことかもしれないけど。
森下
あと、あのラストは演出のトーンが違ったら、
ずいぶん印象ちがったんじゃないかな。
もっとサスペンスタッチにしておけば、
いきなりガーンときて、というのが、
もっと、「エッジの立った場面」として
撮れたと思うんです。
荒井
なるほど。
あやや
ああー、なるほど。
森下
柴咲コウちゃんが殴りかかるシーン、
後ろからベタッと撮ってましたよね。
といっても、あの演出がよくない
といっているのではなくて、
脚本家がどう意図していたか、
なにをどう描いていたかは
できあがったものを観るだけでは
わからないところもある、
ということを言いたい。
──
脚本家は、わからないわけですね。
「どう撮られるか」は。
森下
そうそうそう。
──
それは、『○○妻』にかぎらず。
森下
それは、そうです。
フタを開けてみないとわからない。
まぁ、それにしても、最後は混乱しましたね。
──
脚本を書いているうちに、
最初思ってたストーリーと
違ってくることは、あるんですか。
森下
それはありますよ。
話って、いちおう最後までは
つくってみるんですけど、
ぜったいその通りいかないものなんですよ。
だから、おのずと変わってきたりとか、
おなじ着地点でも
着地の仕方がまったく違ったり。
──
最後の最後、着地する瞬間に、
ラストを「グッと逆にひねる」
みたいなこともあるんですね。
荒井
ああ、そういうラスト、ありますね。
森下
整合性がつく範囲だったらいいですけど、
最後の着地のひねりをやり過ぎると、
「最後に隕石落ちてきてドッカーン!」
みたいな世界になっちゃいますけど(笑)。
でも、まぁ、それもひとつの世界観だし。
あやや
そうですね。
──
その、今日の最初に話題になってた
『相棒 season13』の最後だって、
いつから決めてたのか、
わかんないですよね。
あやや
そうそうそう、成宮くんの逮捕ね。
荒井
あれは、たぶん途中からですよね。
最初の設定じゃないような気がします。
森下
ドラマ『24』のseason1でもありましたね。
途中から変えた設定かな、というのが。
こっちのほうがおもしろいから、
というので変えてしまったかなぁという。
あやや
海外のドラマとか映画って、
実際に違うエンディングで何パターンか録って、
できあがって編集までするんだよね、たしか。
それを見て、AとBどっちにするか、
みたいなこともあるわけだから。
──
あと、映画でも漫画でもドラマでも演劇でも、
作者の渾身の「ひとひねり」によって
奇跡みたいなラストシーンが
生まれたりもするわけだし。
森下
そうですね。
あやや
そっか、そっか。
みなさんの解釈を聞いて、
ちょっとわかったというか、
落ち着いた気がします。
荒井
でも、個人的には、キツいエンディングというか、
虚しい終わり方だったなぁ。
でも、最後、○○妻が死ななかったとしても、
それはそれで、
「ぬるい終わり方だな」って言われちゃうのかも。
あやや
ああー。
たしかにあの終わり方、心には残りました。
──
そういう引っ掻き傷を
つけたかったのかもしれないですね。
あやや
そうですね。
ああいう風に終わることがあるんだな、
ということが、ちょっとわかりました。
ものをつくる人は予定調和を嫌いますし。
「いい意味で裏切りたい」って
よく聞きますもんね。
森下
よく言われるのは、
「期待は裏切るな、予想は超えろ」。
荒井
おおーー。
あやや
いいですね、いい言葉ですね。
森下
大きな期待は裏切ってはいけない。
だけど、予想するものは斜め上を超えていけ、
というのは、あるんですよ。
ものをつくるときのひとつのセオリーとして。
あやや
うんうん。
なるほど。
──
で! 『○○妻』じゃなくて、
『偽装の夫婦』の話なんですけど!
荒井
そうだった、そうだった(笑)。
あやや
いや、『○○妻』のことを話したことで、
『偽装の夫婦』がすごくたのしみになりましたよ。
あの終わらせ方をしたあと、
遊川さんが「夫婦」や「結婚」をどう描くのか。
森下
どこかで読んだんですけど、
遊川和彦の脚本で、
プロデューサーが大平さんで、
ドラマをつくるときには、
雑談から話をつくるんですって。
「最近、こうだよね」って、
夫婦のこと、社会のことを雑談をして。
あやや
へぇー。
森下
だから、このドラマも、
「リアルな生活」がベースになると思います。
ただ、それを成立させながら
ドラマとして展開していくのが
大きいテーマになればなるほど、
難しいんだろうな、とは思います。
あやや
そっかそっか。
今回、大きいですよね、テーマが。
「結婚」とか「夫婦」だから。
森下
はい、だから、たのしみです。
遊川和彦が送る、結婚観シリーズ。
荒井
どっちへどう転ぶか。
あやや
『ミタ』みたいな特大ホームランが
ありますからねー。
ほんと、たのしみです。
無痛〜診える眼〜
フジテレビ系●水曜日午後10時
あやや
「水10」対決ですよ。
『偽装の夫婦』の裏が『無痛〜診える眼〜』。
──
これも「ニョロ(〜)」ついてますけど。
あやや
森下先生のきらいなニョロ。
森下
なにっ! ニョロ!
‥‥なんか私、ニョロについて
キレ芸人みたいになってない?
あやや
なってる、なってる(笑)。
森下
あっ、そうだ!
告白しておかなくちゃ。
私、自作でもついにニョロがついてしまったの。
荒井
えーーーーー!
──
なにやってるんですか!
あやや
え、どれですか。
森下
NHKの経世済民の男シリーズで、
『小林一三〜夢とそろばん〜』。
──
あーー、「ニョロ」が!
荒井
ショックです。
あやや
せめて「ナカグロ(・)にしてください」って、
なんで言えなかったんですか。
森下
いや‥‥その‥‥なんとなく‥‥。
──
ニョロが断れなかった?
あやや
だらしないニョロ!
森下
だって!
『小林一三』だけだと学習マンガみたいだし、
『夢とそろばん』だと
そろばん塾の話みたいだし!
『夢とそろばんと小林』だと
『部屋とYシャツと私』みたいじゃない!
──
なにを言ってるんですか。
あやや
断れなかったニョロね。
荒井
まぁ、ニョロの話はさておき。
──
荒井先生、ありがとうございます。
森下
ええとね、まず、気づいたんですが、
このフジテレビの『無痛』と、
さっきのNHKの『破裂』は
原作者が同じ方じゃないですかね。
あやや
あっ、ほんとだ! 久坂部羊さん。
「久坂部」と書いて「くさかべ」さん。
「くさかべでーす!」
──
いいから、引っ越してこなくて。
森下
つまり、もしかして、この方、
ドラマ業界にとって、
いま密かに来てる原作者なんじゃない?
荒井
ああ、そうかもしれません。
医療ミステリー系の作家の方ですかね。
原作ラッシュが来るかも?
森下
海堂さん、池井戸さん、東野さんに続く
つぎの売れっ子はこの人かな、
みたいな感じはちょっとしますよね。
あやや
よし、じゃあ、憶えておいて、
今季の『破裂』と『無痛』が当たったら、
つぎの連ドラチェックで
「いま来てますよ!」って言うことにしよう。
──
いや、このやり取り、ぜんぶ書くから。
あやや
ガーーン。
荒井
主演が西島秀俊さんでヒロインが石橋杏奈さん。
あと、伊藤淳史さん、伊藤英明さん。
いい感じの並びですね。
あやや
伊藤英明さんが脇役で出ますね。
『海猿』のあと、上手にすっと移動しました。
こういうの、大事ですよね。
森下
服を着ないところから、着るところへ。
あやや
伊藤英明さん、
『天皇の料理番』でもよかったですよね。
篤蔵にカツレツをごちそうしたコックさんの役。
森下
伊藤さんがいると、ドラマが明るくなるんですよ。
それはとても助かりますね。
荒井
そういえば、伊藤英明さんと石橋杏奈さんって、
両方『料理番』の人じゃないですか。
森下
あ、そうですね。石橋杏奈さんは妹役で出てました
あやや
‥‥しかし、すみません、
私、さっきからあらすじを読んでいるんですが、
どういう設定なのか、ちっとも理解できなくて。
ええと、「神の診察眼を持つ‥‥」。
──
主人公・為頼英介は「神の診察眼」をもつ町医者。
犯罪者に現れる「犯因症」を見通し、
ある事件を未然に防ぐ。
森下
ええー、「犯因症」って何!?
そんなのあるの!?
荒井
つまり、これから犯罪を犯す人には
その「犯因症」が現れるってことですかね。
──
まぁ、フィクションでしょうけど。
あやや
フィクションでもおもしろい!
要するに、これから悪いことする人は、
体になんか出てきちゃうってことですか?
森下
なんか徴候があるってことじゃない?
──
ドラマの紹介によれば、
犯因症というのは、
「エネルギー過多の一種で、
犯罪を起こす者に現れる徴候」。
荒井
ああ、やっぱり。
あやや
それが見えちゃうお医者さんが
いるっていうことでしょ?
すっごいおもしろいじゃないですか。
森下
どうしよう‥‥自分に「犯因症」、出てたら。
──
でも、それが出ていたとしても、
すぐに逮捕できるわけじゃないですよね、きっと。
その、ドラマのなかでも。
荒井
あー、そうですね。
「これから犯罪を起こす」っていうのも
含まれるわけですから。
森下
そのへんの設定は気になりますね。
──
ちょっと調べてみます‥‥。
ん? んんん?
意外なことが書いてありますよ。
「現代の医療制度の矛盾を突きながら、
責任能力の有無によって
心神喪失者、心身衰弱者の罪を罰しない、
あるいは、軽減することを定めた
刑法39条の是非を問う、社会派ミステリー」。
森下
ええーー!
あやや
ええーー!
荒井
ははぁ‥‥。
──
テーマがあるんだ、そこにこそ。
森下
重いですね、それは。
あやや
重いけど、おもしろいかも。
『リスクの神様』とかと同じで。
森下
いろいろ気になりますね。
あやや
あの、勝手な予想ですけど、
西島秀俊さんって、
いますごくたくさんオファーがあるだろうから、
作品をすごく選んで
出てるんじゃないかと思うんですよ。
これも、そういう作品なのかなぁ、と。
森下
うん、うん。
あやや
そういう意味で、いますごく
信頼感のある人だなと思ってるんですけど。
森下
でも、逆に「なんでこれ?」
っていうのもある気がする(笑)。
あやや
あ、もしかして、CMとかですか(笑)?
荒井
CMはそうとう自由ですよね。
ラーメンとか‥‥。
あやや
洗剤のCMもかなり‥‥。
森下
CMはむしろそういうものを
選んでるのかも?
結婚式の前日に
TBS系●火曜日午後10時
あやや
最後は、これです、
『結婚式の前日に』。
香里奈さん、お久しぶりです!
きれいな作品でカムバック!
荒井
ラブ、というよりは、
ヒューマンな感じのドラマですかね。
──
そうですね、
「結婚式を100日後に控えながら
脳腫瘍と診断」という設定が‥‥。
あやや
んー、涙を誘いそうな。
荒井
でも、設定だけ聞くと重そうですけど、
観ると、そうでもないんじゃないかな。
あやや
そうですね、
ちょっとどたばたコメディっぽい
感じもしますよね。
森下
脳腫瘍を宣告されたんだけど、
それ自体をずっと描いていくのではなく、
突然帰って来た型破りのお母さんと
バトルしていく100日間、
ということなんですかね。
あやや
そうですね。
森下
でも、最後は絶対、
泣ける方向へ行くんだろうなぁ。
あやや
そうですね。
これ、実話ベースなのかな。
荒井
とは書いてないですね。
森下
母と娘の関係性がテーマみたいですね。
荒井
28年ぶりに突然帰ってきちゃった
母親が原田美枝子さん。
あやや
相手役が鈴木亮平さん。
──
よく出てますねー。
鈴木亮平さんは『天皇の料理番』の役作りで、
すごく痩せたんですよね。
あやや
周太郎兄やんね。
森下
そうなんです。
あやや
で、そのあと、違う役ですぐ太ったでしょ。
俺の‥‥なんでしたっけ?
森下
『俺物語!!』っていう映画で太って。
話題にはなるし、ありがたい話ではあるけど、
どうなんだろう、
ご自身の健康的には
そろそろやめたほうがいいんじゃないかなぁ。
個人的には、心配です。
あやや
あと、我らが『民王』、
遠藤憲一さんも出てますよ。
森下
あ、ほんとですね。
荒井
遠藤憲一さんもずっと出てますね。
ぜんぜん途切れない。
こういう売れ方もあるんですね。
あやや
実力者で、ちょっと遅咲きで、
ブレイクが遅かったぶん、
売れてからはずっと出ているという。
遠藤憲一さんのほかには、
吉田鋼太郎さん、吉田羊さん、
そのはしりが小日向文世さんなのかな。
荒井
この方たちを「売れっ子」と言うんでしょうね。
あやや
あ、真野恵里菜さんも出るんですね。
森下
けっこういいですよね。
荒井
ハロプロの女優さんとしては
いちばん活躍してるんじゃないでしょうか。
あやや
「らみぱす らみぱす‥‥」みたいなの
なんでしたっけ?
『SPEC』で。
森下
あ、そうそうそう。
荒井
「ハイ、サトリます」。
あやや
そうだ、サトリだった。
「サトリん サトイモ スイスイスイ」だ。
森下
(笑)
荒井
パンチラドラマの
『みんな!エスパーだよ!』にも出てます。
あやや
真野恵里菜ちゃん、いいよね。
森下
うん、いい。
荒井
いいですね。
あやや
そしてなにより、
香里奈さんが久々の連ドラ主演ですよ。
荒井
はい、久しぶりです。
あやや
たしか、森下さんの娘さんが
好きなんですよね、香里奈さん。
森下
よく覚えてくれてますねぇ。
保育園のころ、
「香里奈おねぇちゃん、すき」って言ってました。
あやや
ふふふふ。
森下
香里奈おねぇちゃん、
髪の毛ちょっと暗めにしましたね。
あやや
そうですね。
そして、ちょっとぷっくりしましたか。
このくらいのほうがいいかも。
──
さて! これで、だいたい、
ぜんぶしゃべり終わった感じです。
荒井
おーーーー。
森下
けっこうありましたね。
あやや
ということは、選ぶわけですか。
──
はい、お願いします!
まずは、いつものように、
自分が期待する3本を挙げてもらいます。
荒井
ふーーーむ‥‥。
森下
んんん‥‥。
あやや
まずこれでしょ、あと、これでしょ。
でもこれがなー、でもなー‥‥。
──
はい、自然に決まった
いつもの順番で行きましょう。
まずは、あやちゃん!
あやや
どうしようかなぁ‥‥ハイ!
まず、ちっちゃい記事のコーナーから
『おかしの家』と『デザイナーベイビー』。
森下
おおおー。
荒井
テレビ雑誌の記事は小さかったけど、
ちゃんと拾いましたね。
あやや
あと1つ、困ったなぁー‥‥『偽装の夫婦』!
──
はい、3本、いただきました。
じゃあ、森下さん。
森下
はい、私は『サムライせんせい』。
あやや
おおー、いいじゃないですか。
森下
『掟上今日子の備忘録』。
あやや
うわー、それ、迷ったんですよー。
森下
で、『偽装の夫婦』。
あやや
うん。
──
3本、たしかにいただきました。
それでは、荒井先生!
荒井
『下町ロケット』、『掟上今日子の備忘録』。
あやや
おおー。
荒井
で、『サイレーン』ですね。
あやや
へぇーーーー!
森下
割れましたね、今回ね。
あやや
木村文乃さん好きだから、先生。
森下
あ、そっか。
荒井
そう(笑)。
──
「そう」だって(笑)。
あやや
あっさり認めた。
なんかちょっと、私だけ守りに入ったかなぁ。
もう一回攻めようかなぁ。
森下
いやいや、ぜんぜん守りに入ってないですよ。
あやや
あ、そうですね、ちっちゃい記事から
2本選んでるし。
荒井
しかし、ばらけましたねぇ。
──
ええと、ダブったのでいうと、
『偽装の夫婦』が2票。
『掟上今日子』が2票。
あやや
私ね、ほんとは、
『下町ロケット』も入ります。
森下
そりゃ私も、気になると言えば、気になる。
あやや
あと、『無痛』も入れたいですよ?
──
荒井先生は『偽装の夫婦』に入れてない。
あやちゃんは『掟上今日子』に入れてない。
森下さんは両方入れてる。
あやや
ちょっと気になるんですけど、ガッキー、
「NYLON」のガッキーじゃないんだもん。
コミカルガッキーなんだもん。
荒井
(笑)
あやや
「古美門せんせーい!」って
怒るガッキーでしょ、これ。
森下
でも私、このドラマを観ながら、
随所で「古美門せんせーい!」って叫びたい。
「来てー!」みたいな(笑)。
──
来ないから。『真田丸』だから。
荒井
『偽装の夫婦』は、
やっぱり、前作『○○妻』のオチで、
ちょっと二の足を踏んでしまいました。
あやや
じゃあ、『掟上今日子』?
まさかの?
森下
まさかの?
「古美門せんせーい!」。
──
『下町ロケット』も候補といえば、候補ですよ。
あやや
うーん。ただ、『下町ロケット』は、
ちょっと、テッパンすぎる感じがありますよね。
おもしろいだろうし、クオリティもいいだろうし、
約束されてる感じがあるよね。
森下
うん。たぶん、すごくおもしろんだと思います。
あやや
そうですね。
だから、いつもこの話になるけど、
私たちのここでの理想のおすすめは、
『鈴木先生』を発掘したときですよね。
森下
そうそうそう、
あのくらいの「感じ」がいいよね。
荒井
スポットを当てたというか、
「見つけた」感がありましたよね。
──
そうですねー。
あれが理想形になってるね。
あやや
だって、あれ、映画化したんですからね。
いや、もちろん私たちはただ言ってるだけで、
なんの力もないですけど。
荒井
でも、ああいうのが
また出てくるとおもしろいですね。
あやや
そうですね。
じゃあさ‥‥今回は‥‥
『掟上今日子の備忘録』!
行きましょうよ、みなさん。
森下
行ってみますか。
荒井
いいんじゃない?
あやや
私は「NYLON」で見せてくれた
ニューフェイス・ガッキーがいいけど、
それは、つぎに期待ということで。
森下
随所で叫びましょう、みんなで。
「古美門せんせーい、来てー!」
あやや
「古美門せんせーい」
──
古美門先生、来ないから。
こないだも殺陣をどうするか悩んでる
って言ってたから。
あやや
(笑)
──
ということで、今回の3人のおすすめは、
『掟上今日子の備忘録』に決まりました!
一同
(拍手)
──
おつかれさまでした。
あやや
おつかれさまでしたーーー!!
荒井先生、森下さん、
いつも、ありがとうございます。
森下
おつかれさまでした。
ありがとうございました!
荒井
ありがとうございましたー。
あやや
あああ、たのしい時間が、
また終わってしまった‥‥。
あっという間だったなぁ‥‥。
──
いや、ぜんぜん、たっぷりしゃべってる。
ていうか、今回もきっちり4時間。
あやや
あああ、春がたのしみだなぁ。
早く春にならないかなぁ‥‥。
( お し ま い )
2015-10-12-MON