あやや

どんどん行きますよー。
『エンジェル・ハート』はどうですかね。
冴羽りょう（※「りょう」はけものへんに�潤j、
『シティーハンター』じゃなくて、
『エンジェル・ハート』ですよ。
どうなんですか。
どうだと思いますか。
どうでしょうね？

──

よくわかってないのか。

あやや

原作に対する知識があやふやで。
『キャッツアイ』なら憶えちゃいるが
『エンジェルハート』だとちとわからない。

──

ダウンタウンブギウギバンドを
気取ってる場合じゃなくて。

あやや

やっぱ、少年マンガですから、
荒井先生の分野ですよ、冴羽りょう。

荒井

これは『シティーハンター』のあとに
「コミックバンチ」で連載されたものですよね。

森下

あっ、すみません！
荒井先生、服が「冴羽りょう」風。

──

あっ！

あやや

わっ！

荒井

え。

あやや

冴羽りょう、冴羽りょう！
荒井先生、服が、冴羽りょう！

森下

いつも、こういう感じのジャケットで、
中はシャツだけど、「冴羽りょう」風ですよ。

あやや

シャツの襟切ったら「冴羽りょう」ですよ。

荒井

‥‥と言われても。

──

たしかに。そう言われても。

あやや

すいません。
気を取り直して。

荒井

ぼくの服はともかく、
上川隆也さん、冴羽りょうに、
よく似せてる感じがします。

──

はい。
数々の「マンガをドラマ化」のなかで、
これはかなり品質が高いと
いえるんじゃないでしょうか。

あやや

（じーー‥‥）

森下

（じーー‥‥）

──

ふたりとも、
荒井先生のジャケットを見ながら
冴羽りょうのイメージを重ねるのを
やめなさい！

森下

はっ！

あやや

す、すみません、つい。
しかし、上川隆也さんって、
幅広いというか、おおらかというか、
つまり、なんでも引き受けますよね。

森下

ねぇ（笑）。
でも、どうなんだろう、
冴羽りょうって、ガタイよくて、
ちょっとマヌケなんだけど、
「キメるときはキメるぜ」
みたいな感じだったかなと思うので、
その意味では上川隆也さんは
いい感じなのかなとも思うんですけど、
年齢的には、このくらいでしたっけ？

荒井

そうそう、もうちょっと
若いイメージがありますよね。

森下

そうなんですよ、なんとなく。

荒井

『シティーハンター』の連載がジャンプでしたから。
まぁ、当時読者だった
30代、40代の人が観るとするといいのかな。

あやや

あ、そっか！
私は上川隆也さんで違和感なかったんですけど、
理由がわかりました。
連載当時、冴羽りょうが20代だとすると、
それをいまの上川隆也さんが演じるのは
たしかに違和感があるんですけど、
子どものときマンガを読んでた世代の
「冴羽りょうと自分の年齢差」を考えると、
いまの上川隆也さんくらいでちょうどいいのかも。

荒井

そうですね。

森下

ちょっと大人になってからの
冴羽りょうってことですね。

──

んん？　ちょっと待ってくださいよ？
いま、ざっと調べてみましたが、
『エンジェルハート』はそもそも
『シティーハンター』の10年後くらいを
描いた作品としてスタートしたみたいです。

荒井

連載が青年誌でしたし。

──

だから、上川隆也さんの冴羽りょうを、
『シティーハンター』の冴羽りょうだと
思って見ると年齢にギャップがあるけど、
『エンジェルハート』の冴羽りょうだとすると
このくらいで正しい、
‥‥そういうことじゃないでしょうか？

あやや

うん。

森下

そうですねー。

──

キミら、
「どうでもいいや」と思ってるだろう？

森下

はっ！

あやや

あわわ、いや、あの、冴羽りょうって、
すっごいエロいんですよね。

森下

そうそうそう、おねぇちゃんを見ると、もう。
ほらほら、ここに
「スケベぶりも相変わらず」って書いてあるよ。

あやや

あと、アニメの『シティーハンター』の
エンディングは、
ＴＭネットワークだったんだよね。

森下

Get wild and tough!

荒井

それはそうと、この枠って
いま『デスノート』やってる枠ですか。

あやや

そうです。

荒井

なんか、日テレはジャンプ作品を
よくドラマ化しますね。

あやや

あ。

荒井

『ど根性ガエル』でしょ。

森下

え、『ど根性ガエル』って、ジャンプなんですか？

荒井

ジャンプです。

──

「ど根性ガエルはジャンプ」って、
すっと言える世代。

あやや

さすが、荒井先生。

荒井

『デスノート』もジャンプ。
『地獄先生ぬ〜べ〜』もそうでしたね。

あやや

それは‥‥癒着のニオイがしますね！

森下

あはははは。

──

どういう癒着なんだよ。

あやや

ジャンプの作品を
日テレにドラマ化させてあげるかわりに、
ジャンプはそれ相応の金額をいただく！

──

ふつう。

荒井

そういうもんでしょ。

森下

ていうか、それがドラマ化。

荒井

まぁ、いまドラマを観る世代に向けて、
ドラマ化して受けそうな昔のヒット作を探したら、
ジャンプ作品が多くなっちゃう
っていうことでしょうね。

森下

あと、枠の話に戻って言うと、
この日テレの「日曜ドラマ」って、
枠の色付けをものすごく意識的に
ガッツリやってきてますよね。

荒井

ああ、そうですね。

森下

最初がエグザイルをバーッと並べた
『ワイルド・ヒーローズ』で、
つぎが『デスノート』、
そして『エンジェル・ハート』という。

あやや

清々しいくらい、はっきりしてますね。
日テレは土曜日９時の枠も
同じように差別化してますよね。

荒井

ああ、同じ感じですねぇ。

あやや

それでいうと、ＴＢＳの日曜９時の
「がんばれ日本人」的な枠も
色がはっきりしてる。

森下

週末のこの時間はこういうドラマを、
っていう感じで、
どの局も枠のカラーを固めてきてますね。

荒井

で、そこにハマると、続けて観ちゃう。

あやや

つくる側としては、朝ドラみたいに
習慣化してもらいたいんでしょうね。

──

あー、なるほど。

あやや

『サムライせんせい』いきましょう。
主演は錦戸亮さんです。

森下

幕末の志士を演じるんですね。
武市半平太。

あやや

タイムスリップするんだ。

森下

学習塾に来ちゃうっていう。

──

土佐の武市半平太が。
ってことは坂本龍馬も出てくるんですかね。

荒井

ですね。
坂本龍馬は神木隆之介さんが演じるようです。

あやや

あの、すみません、
『ちょんまげぷりん』という映画を
観たことある方、いらっしゃいますか？
中村義洋監督の。
けっこうおもしろかったんですよ。
サムライの錦戸さんが
現代にやって来るんですけど、
それで、プリンをつくるんですよ。

──

へーーー。

森下

これもそんな感じですね。

──

続編とかじゃなく？

あやや

関係ないと思いますよ。
だから、錦戸さんはけっこう好きなのかもね。
サムライになってタイムスリップするのが。

荒井

それは、本人の意向ではないのでは。

あやや

いや、でも２回目ですよ？
役者さんの人生で、
そんな２回もサムライになって
タイムスリップってありますか？

──

そりゃそうだけど。

森下

あー、でも、
探せば意外にいるんだろうなぁ。

あやや

あ、そうですね。
「この人が何度もタイムスリップしてます！」
っていうメールが届きそう。

荒井

うーん、誰かいますかね。

──

検索のしようもないしなぁ。

あやや

‥‥‥‥あっ！！
マイケル・Ｊ・フォックス！

森下

それはシリーズでしょ。

──

あと、サムライじゃない。

あやや

うーん、そんなに何度も
サムライでタイムスリップしないよ、ふつう。

荒井

『ちょんまげぷりん』を観た人が
キャスティングした
可能性があるんじゃないですか。

森下

あ、それなら、あるかも？

あやや

完全に豆知識ですけど、
『ちょんまげぷりん』には
子役としてブレイクする前の
鈴木福くんが出てます。

──

ええと、ドラマの話を。

森下

タイムスリップしてくるのが
武市半平太っていうのが、
また、ちょっと渋いですね。
武市半平太って龍馬と幼なじみで
最後、死んじゃう人だよね？

──

も、森下さん、
歴史上の人ですから‥‥
みんな最後は死んじゃいます。

あやや

あははははは！

森下

ごめん、ごめん、そうじゃなくて、
若くして志なかばという感じで
処刑されてしまう人だよね。

──

はい、たしか切腹ですね。

森下

で、奥さんが板の間で寝る。

あやや

なんですか、そのピンポイントな知識。

──

ええと、奥さんは、
武市半平太が投獄されているあいだ
苦労をともにしようということで
板の間に寝るんです。

森下

そうだった、そうだった‥‥。
うーーん、ドラマのために仕入れた
歴史の知識が断片的に‥‥。

荒井

これ、ヒロイン的役割は、
比嘉愛未さんでいいのかな。

あやや

たぶん、そうですね。
そして‥‥おっ！　このきれいな人は誰だ。
なんか新しい人、出てきましたよ。
このかわいい人、石田ニコルさん。

荒井

モデルから女優へ、というかたちでしょうか。

──

調べてみたところ‥‥
『ファースト・クラス』に出てますね。

あやや

あ、出てそう、出てそう。

森下

出てそう、出てそう。

荒井

あとは、黒島結菜さん。
最近、よく見ますね。

あやや

『ごめんね青春！』の学級委員長だ。

荒井

ということは、武市半平太と委員長が
『ごめんね青春！』つながり。

森下

あ、そうですね。

あやや

先生のこと好きだった人だ。
あの、委員長、かわいかったですよねー。

森下

委員長かわいかったですね。
いま、みずほ銀行のキャラクターとか
たくさん出てますよ。

荒井

朝ドラの主役、やりそうですね。

森下

やりそうですね。

あやや

もうやりますね。

荒井

カルピスウォーターのＣＭもやってますし、
これからさらに主役級で来ると思うんですよね。

あやや

ってことは、
カルピスウォーターからの朝ドラヒロイン？
それって‥‥。

荒井

能年玲奈さんのパターンですね。

森下

石原さとみさんっぽい印象もありますね。
２段階でブレイクするというか。
「一時期売れなくなっても、
　もう一回売れるパターンの顔」してる。

あやや

ああー、わかるわかるわかる！

──

そんな顔のタイプがあるんですか。

あやや

あります、あります。

森下

あると思うんですよ。

荒井

うん、わかります。

──

はーーー、勉強になります。
「一時期売れなくなっても、
　もう一回売れるパターンの顔」。

あやや

黒島結菜さん、まだまだ若いし、
これから洗練されていく過程がたのしみです。

──

ああ、「女優の生き様」ファンが目をつけた。

あやや

長いスパンで追いかけていきますよ。

荒井

脚本の黒岩勉さんって、
いろいろ書いてらっしゃいますよね。

森下

はい。若い脚本家さんで、
いまはジャンルにこだわらず
なんでも書いてるという感じがします。

──

ええと、あ、ほんとに多彩ですね。
『ようこそ、わが家へ』『上流階級』
『すべてがＦになる』『よろず占い所』
などをお書きになってます。
あと、『ストロベリーナイト』
『謎解きはディナーのあとで』
『LIAR GAME』。

あやや

はぁー、そうですか。

荒井

ほんとに、いろんなドラマを書いてますね。

あやや

ええ、バリバリ書いてる感じがします。
ちょっとこれ、たのしみですね。

森下

あ、そういえば、この
テレ朝の「金曜深夜11:15」って、
我々の心のオアシスとなっている
『民王』の枠ではないですか！

あやや

そうです、そうです！

森下

『民王』の枠だとわかったら、
いま期待感がグググッと高まってきました。
もう笑っちゃいそうです。

あやや

♪あわな、あわな、あわな、あわっ、
たーりらった、たーりらった♪

森下

今度はどんなダンスだろう。
‥‥タイムスリップダンスかな？

──

どんなダンスですか。

あやや

つぎは、フジテレビ木曜日10時、
篠原涼子さんの『オトナ女子』。
あのぅ、すみません！
ここで、みなさんに
ご意見をうかがいたいんですけど‥‥。

──

いちいち、立ち上がらなくていいから。

あやや

あのですね、リアルの篠原涼子さんは、
旦那さまが市村正親さん、
お子さんも２人目が産まれています。
なのに、ドラマではしょっちゅう
「モテない独身女子」を
演じてらっしゃいます。
これ、どう思います？　どう思う？　
なぁ、みんな、どう思う？　なぁ？

──

後半、馴れ馴れしい。

森下

なぜそういう役をやるかってこと？

あやや

というよりも、
単純に、篠原涼子さんが
「モテない独身女子」を演じることに
さすがに違和感があります。

荒井

まぁ、ギャップは感じますよね。

森下

たしかに、いまの篠原涼子さんが
モテないとか、ありえない感じですよね。
「オトナ女子の奮闘記」を、
しあわせいっぱいの人が演じることに
ちょっとギャップがある、と。

あやや

そうです、そうです。

──

でもさぁ、しょうがないじゃない、
役なんだから！

荒井

はははは、まぁ、そうですね。

あやや

いや、わかるんですけどね。

──

個人は個人、役は役！

あやや

わかるけど、
ほんとにほんとのことを言うと、
やっぱり、観てて、頭をよぎりますよ。
しあわせそうな人が演じてることが。

森下

でもさ、ちょっと
自分の身に置き換えて考えてみ。
もしも、あややが女優でね‥‥

あやや

「篠原涼子」だったら？

森下

そうそうそう。

あやや

あ、いいですねぇ‥‥
ぐふふふふ‥‥。
いいですねぇー。

──

そこまで想像しなくていいから。

森下

もしも自分がリアルで
２児のお母さんだからって、
「お母さん奮闘記」みたいなドラマの
お母さん役をやりたいですか？

あやや

やりたくないですよ。
ドラマのなかでは
せめてお母さんじゃない役を。

森下

だからじゃない？

あやや

あ、たしかに（笑）。

荒井

まぁ、リアルな篠原涼子さんと
ギャップのない役だったら、
ドラマになりにくいかもしれないですよね。

あやや

それもそうですね。

森下

篠原さんご本人とのギャップといえば、
『アンフェア』もそうだよ。
銃でシャワーだからね。

あやや

ああ、『アンフェア』もそうだ！
本人、ほんとはしあわせなお母さんなのに、
銃でシャワー浴びてるもん。

──

「銃でシャワー」？

荒井

「銃でシャワー」？

あやや

銃で、バンバン撃って、
ひと仕事終わったらシャワーシーン、
みたいな、ハードボイルドな役。
銃でシャワーをこう‥‥。

──

あやちゃん、そのポーズだと、
手に持った銃から
シャワーが出てることになるんだけど。

荒井

もしくは、
銃を持ってシャワー浴びてるんですか。

あやや

じゃなくて、
銃とシャワーの世界という意味で‥‥。

──

火薬、湿気る、ちゅうねん。

森下

湯船に銃がちゃっぽーん！

荒井

なにがなんだか。

あやや

いや、ええと、マジメな話、
『アンフェア』なら、まだわかるんです。
つまり、銃とシャワーという、
ある意味、現実っぽくない世界観だから。
でも、「独身オトナ女子の奮闘記」とかだと、
やっぱり、どうも、ギャップがあると。
ちょっと長くなって、失礼しました。

荒井

タイトルの『オトナ女子』っていうのは
どうなんですか。

森下

何歳くらいのことなんですかね。

──

紹介文には
「現代アラフォー女性」という
フレーズがありますね。

荒井

40歳だとしたら、オトナ女子っていうか、
十分、大人の年齢ですね。

森下

雑誌で言うと「In Red」とか？
もうちょい上の「GLOW」？
そこがキョンキョンとか、YOUさんでしょ。

あやや

ああ、そのあたりの年齢、
たしかによくドラマになってますね。
以前、天海祐希さんがやってた
『Around40 〜注文の多いオンナたち〜』
っていう、もろにアラフォーがテーマの
ドラマがあったじゃないですか。

森下

はいはいはい。

あやや

アラフォーって、男の人も、女の人も、
人が葛藤する時期なんですかね。

荒井

するんじゃないですか、やっぱり。

森下

すると思うよ。

──

ちなみにほぼ日でも去年、
AERAさんと協力して
「40歳は惑う。」特集をしました。

あやや

ああ、そうだ、そうだ。反響、大きかった。
そっかー、葛藤する年代なのか、
アラフォーは。

森下

あやや、まだアラフォーじゃないよね。
葛藤してる？

あやや

いえ、まったく。

森下

若い（笑）。

荒井

いいですねー。

あやや

そっか、なるほどね。
アラフォーは葛藤する世代なんだ。
だから、ドラマのテーマとして
定期的にあるんですね。

──

ちなみに、前のドラマで
天海祐希さんが
葛藤するアラフォーを演じてたときは、
私生活とのギャップは感じなかったの？

あやや

あ、違和感、なかった！
もちろん、天海祐希さんが
等身大で演じてたわけじゃないけど、
ギャップは感じませんでしたね。
なんでだろう。

森下

あれじゃないですか、
天海祐希さんって、あんまり、
私生活が見えてない人じゃないですか。

あやや

あーーーー！

荒井

なるほど。

森下

俳優さんも、女優さんも、
私生活がオープンにされすぎて、
夢が見れなくなってきちゃうのかもね。

あやや

そっか。昔は、どうだったかな？
浅野温子さんとか‥‥
ああ、やっぱり、等身大じゃない役でも
ぜんぜん違和感なかったなぁ。

森下

けっこう前から結婚してるけど‥‥。

あやや

独身の役ばっかりだったし、
銃、バンバン撃つような役もやってたけど
おかしくなかったね。

森下

たぶん、あんまり
私生活見せてなかったからだよ。

あやや

そうだ、そうだ。

荒井

いま、結婚したらトーク番組で、
私生活の話をする人もわりといますからね。

あやや

そうですね。
ああいうの、あんまりやりすぎると、
仕事に影響与えますね、役者さんは。
だから、篠原さんが悪いんじゃなくて、
キャスティングが悪いわけでもなくて、
篠原さんのことを私たちが知りすぎてるんだ。

──

知りすぎたから、
ドラマが素直に観れなくなったのかも。

荒井

純粋にドラマのフィクションの世界を
たのしみたいなら、
役者さんのそういう情報を徹底的に
シャットアウトしたほうがいいんでしょうね。

あやや

そうかもしれないです。
だって、木村拓哉さんが独身の役やっても
ぜんぜん平気じゃないですか。
そこは、「戦略」の問題なんですね。
だから、たいへん勝手な言い方をすると、
私生活をオープンにすることと、
篠原涼子さんの「戦略」が
合ってないのかもしれない。
そうだ、わかりました。解決。

──

ていうか、あやちゃんが
芸能ゴシップニュースを
掘り過ぎなんじゃないのか。

あやや

ドキッ！
本質を突かないでください！

森下

でも、ドラマをつくる立場からすると、
その、きれいな女優さんとか
かっこいい俳優さんとかが
「モテない」役をしなきゃいけないっていうのは
けっこう難しいテーマなんですよね。

荒井

だって、「モテない」役の人も、
けっきょくはモテますからね。

森下

そう（笑）。

あやや

モテてる、モテてる。

──

まぁ、それがドラマだから。

森下

そうだよね。
ほんとにモテないままのドラマってないよね。

あやや

ないないない。
っていうか、そんなのドラマじゃない。
‥‥あれ？　じゃあ、いいのかな。
篠原涼子さんが独身アラフォーだけど、
そこでいろいろ奮闘していくっていうのは。

荒井

そうですね。ドラマです、それは。

森下

観るときは、プライベートのことを
頭から追い出して。

──

芸能ゴシップニュースもほどほどにして。

あやや

わかりました！
っていうか、そんなに観てません！

──

ほんとかなぁ。

あやや

これ行きましょうか。
『遺産争族』です。
向井理さんがテレ朝連ドラ初主演だそうです。

森下

へぇー。

──

あ、岸部一徳さんが出ますよ。
しかもテレ朝ですよ、荒井先生。

荒井

出た！

──

「テレ朝の岸部一徳」ですよ。

荒井

「テレ朝×岸部一徳＝高視聴率」理論。

あやや

たしかにそうなんですよねー。
『相棒』しかり、『ドクターＸ』しかり。

──

そういう意味では、
「テレ朝に岸部一徳さんが出ると高視聴率」
という荒井先生の仮説が検証できますね。

あやや

そうだそうだ。

荒井

こういうのは仮説のままのほうが
おもしろいのに（笑）。

森下

どうなるんだろう。

あやや

ほかのキャストを見ていくと、
向井理さんの相手役が榮倉奈々さん。

荒井

榮倉奈々さんがテレ朝って
めずらしくないですか。
はじめてのような気がする。

森下

そうだっけ？

──

調べてみましょうか。
‥‥ああ、たしかにないですね。
ええと、連ドラではないけど、
『めぞん一刻』に出てますね。

荒井

テレ朝で『めぞん一刻』なんて
やってましたっけ？

あやや

なんの役？

森下

まさか、おかみさん？

荒井

そっ、それを言うなら、「管理人さん」です。

──

わはははははは！

あやや

「おかみさん」って（笑）。

森下

す、すみません！

──

『めぞん』の響子さんは「管理人」さんです！
「おかみさん」じゃありません！

森下

いろんな言葉が出てこなくなるのよー。
アラフォー世代の葛藤。

荒井

そういうことじゃないでしょう、
アラフォーの葛藤は。

──

ちなみに、『めぞん一刻』のときの
榮倉奈々さんは管理人さん役ではなく、
七尾こずえさんの役ですね。

森下

話を『めぞん一刻』から離して‥‥
ええと、『遺産争族』の脚本は
井上由美子さんですね。

あやや

井上由美子さんは
テレビ朝日のドラマだと
なにがありましたっけ？

森下

『同窓会』とか。

あやや

あー、おもしろかったですね。

森下

おもしろかったよね。
黒木瞳さんとか、斉藤由貴さんが出てて。
同じ中学校だっけ？　卒業して、
ふつうに大人になった人たちが再会して、
焼けぼっくいに火がつく話。

荒井

三上博史さんとか
高橋克典さんが出てたやつですか？

森下

そうそうそう。

荒井

あれ、おもしろかったですね。

あやや

ということは、キャストもスタッフも
なかなか安定感ある感じですね、
『遺産争族』。

荒井

しかし、すごいタイトルですね。
「相続」じゃなくて「争族」。

あやや

ま、遺産を争うんでしょうね。

荒井

向井理さんが婿入りした研修医で。

森下

お金持ちのおじいちゃんが死にそうで、
婿養子の父親と、それの娘がいて、
娘がなんかよくわからんけど、
どこの馬の骨ともわからん研修医を連れて来て、
遺産相続が起こるって話ですか？
まとめると。

あやや

社長令嬢が、純粋な医者に惹かれて結婚。
遺産相続には巻き込まれないようにして、
ひょうひょうと生きる、闘わないヒーロー。
社会風刺を盛り込んでいくらしいです。

荒井

でも、遺産相続の話で10回もできるんですかね。
２時間ドラマならわかりますけど。

あやや

うーん、どうなんだろうなぁ。

森下

まぁ、相続する土地の境界線のことで、
10年ぐらい揉めてたりするからね。

──

それは現実の相続の話でしょう。

森下

そう（笑）。

あやや

でも、ほんとに遺産相続って
もめるとたいへんらしいですよ。
盗聴器しかけられたりするらしいですよ。

森下

そうなの？

あやや

そうみたいですよ！　盗聴器ですよ！
だから、10回くらい
余裕でできちゃうんじゃないですか。
週ごとにテーマがあって、
今週は「盗聴」の回とか、
翌週は「盗撮」の回とか。

──

なんかそれ、テーマ変わってないか。

荒井

あとやっぱり、伊東四朗さんが
どーんといるのがいいですね。

あやや

あっ、伊東四朗さんと
岸部一徳さんが親子なんだ！

──

もう、そこだけでおもしろいね。

森下

岸部一徳さんの舅が伊東四朗さん。
歳、そんなに離れてないよね？

あやや

そうですよね。
年齢的には、岸部一徳さんを、
岸谷五朗さんぐらいにしとかないと、
成立しない気もするんですけど。

荒井

実子じゃなくて、
婿養子だったら成立するでしょ。

あやや

ああ、そっか。

荒井

伊東四朗さんの遺産をめぐって、
実子と婿養子と孫と
たいへんな争いになるんでしょうね。

森下

でも、すごくテレ朝らしいテーマですね。
ほかの局でやってるイメージがまったく湧かない。

あやや

あー、たしかに。

森下

テレ朝っぽい、
安定感のある仕上がりになりそうですね。

──

しかも、岸部一徳さんが数字を持ってるし。

荒井

そうそう（笑）。

あやや

もう１本、行きましょうか。
『サイレーン』、どうですか。

荒井

フジの火曜日10時。
『HEAT』枠ですか‥‥。

森下

この、サブタイトルっぽく入ってる
「刑事×彼女×完全悪女」ってのは、
なんでしょうね。

荒井

刑事のコンビが主役でなんですね。
「プライベートでは恋人」って書いてあります。

森下

それが「刑事×彼女」かな。

荒井

じゃあ「完全悪女」は？

あやや

「猟奇殺人とその裏にちらつく謎の美女、橘カラ」
って書いてありますから、
その「橘カラ」が「完全悪女」なんですよ。
「刑事」が松坂桃李くんで、
「彼女」は木村文乃さん。

荒井

「謎の美女」は誰が演じるんですか。

あやや

あ、菜々緒さんですね。

──

紹介文には
「警察をあざ笑う史上最強の悪女役を熱演」と。

森下

似合う、似合う。

あやや

菜々緒さん、すっごい売れてますよね。
やっぱり、映像的にいいんですよね。
変な言い方ですけど、彼女が出てると、
「画面がおもしろくなる」んですよ。
菜々緒さんが出てくると、「異質」だから。

森下

けっこう締まるよね。

あやや

そうそうそう。

森下

私、わりと好きです、菜々緒さん。

あやや

ヒロインは木村文乃さんなんですが、
以前も言ったとおり、私はいまひとつ、
木村文乃さんの魅力がつかめてないというか、
魅力探しの旅に出ている最中なんですが、
旅は、少し、進みましたよ。

荒井

お、木村文乃さんの魅力がわかってきましたか。

あやや

わかってきました。
でも、まだまだ国内旅行レベルです。

──

場所でいうとどのへん？

あやや

うーん、日光くらい？

荒井

近っ！

──

ヘタしたら日帰りじゃん。

あやや

すみません、日帰りレベルの発見で恐縮ですが、
木村文乃さんって、
一所懸命な女の子を演じさせると、
すごくリアルというか、
「ほんと」っぽいんですよね。

森下

あ、そうそうそう。

あやや

あとは、森下さんが前に言ってましたけど、
「ふくらはぎがしっかりしてる」と。

森下

うん、木村文乃さんの魅力は、
「地に足が着いた感じ」だと思うんです。

あやや

この感じの女の子って、
いまあんまりいないんですよ、芸能界に。
美人でありながら、ちょっとだけヤボったい。
その、すれてない感じがリアルで、
存在として貴重なんです。

森下

そうなんです、ありがたいんですよ。

荒井

日帰り旅行にしては、
かなり的確に魅力をつかんでますよ。

あやや

はい、だいぶわかってきました。

──

これはマンガが原作なんですね。
モーニングで連載中。

あやや

脚本は佐藤嗣麻子さんですね。
「銃とシャワー」でお馴染みの
『アンフェア』を書かれた方です。

──

「銃とシャワー」じゃ、
火薬、湿気る、ちゅうねん。

あやや

原作もよさそうだし、
スタッフもキャストも実力あるし、
手堅いんじゃないでしょうか、これは。

森下

主演の松坂桃李さんと木村文乃さん。
お似合いだし、好感度も高いと思うんですが、
ちょっと優等生っぽいというか、
個人的には、もうちょっと
色気があるとうれしいなぁ。

あやや

ガツガツしてなさそうですよね。

森下

そうそう、
優等生と優等生がいるみたいな感じがして。
でも、そこがいいのかもしれないですね。
刑事さんどうしのカップルだから。

荒井

総合的には、おもしろそうですよね。

あやや

そう思います。
『アンフェア』の脚本家さんだから、
すっごくコケることもなさそう。

森下

サスペンス書ける人、いいなー。



（次回、おすすめの１本を決めますよー！）