あやや

じゃあ、月９いきましょう。
ちょっと話題になってる『ラヴソング』です。

──

話題になってるの？

あやや

そりゃあ、そうです。なんといっても、
福山雅治さんの結婚後、初の主演ドラマ！
結婚によって世の中の女性たちを落ち込ませ、
「福山ロス」という社会現象まで巻き起こした
福山雅治さんが、いよいよドラマに復帰！
ところが、復帰第一弾で選んだのが、
20歳以上年下の女の子とのラブストーリー。
‥‥なぜに？

森下

‥‥なぜに？

荒井

‥‥なぜに？

あやや

そのことについて、
本日は２時間ほど語り合いたいと思います。

──

やんないから。すでに遅れ気味だから。

あやや

しかし、これ、なぜでしょう？
どうしてなんでしょう？
どう思われますか、みなさん？
ホワイ・ジャパニーズ・ピープルのみなさん、
なぜをどう思いますか？

──

わかったから。

森下

でも、こういう構造のドラマ自体は
いままでにもありましたよね。
大人の音楽プロデューサーが
すごく年下の女の子をデビューさせる、
みたいなストーリー。
あの、中島美嘉さんが
デビューしたドラマはなんでしたっけ？
歌手を夢見る子の役で、主題歌も歌ってて。

荒井

『傷だらけのラブソング』。

森下

それです、それです。

あやや

あと、似たパターンだと、
深キョンの出世作の
『神様、もう少しだけ』なんかもそうですね。
相手役が金城武さんで。

荒井

ありましたね。
金城武さんが音楽プロデューサー役。
でも、あれは深田恭子さんが
歌い手だったわけじゃない。

あやや

そうですね。主題歌も歌ってなかった。

荒井

似たところでいうと、
『チャンス！』というドラマがあったんですよ。
三上博史さんがミュージシャン役の。
あれ、おもしろかったですよね。

森下

あったあった、
三上さんと西田ひかるちゃんねー。
脚本が、たしか北川悦吏子さんですね。
岡田惠和さんも参加されてる。

あやや

だから、
「音楽系の大人の男と、すごく年下の女の子」
という組み合わせは、ドラマのなかでは、
ときどきあるんですね。

──

で、この、福山さんのお相手の
藤原さくらさんというのはどういう方ですか。

荒井

シンガーソングライターですよね。

あやや

役者さんではないんですよね。
私、ちらっと映像で見たんですけど、
素朴な感じの年下の女の子という感じ。
かわいい子でした。
だから、福山さんでなければ、
もっというと結婚直後の福山さんでなければ、
まぁ、こういうドラマもありだよねと。

荒井

そうですね。

あやや

しかし！　復帰作なわけですよ、これは。
だからこそ、意図を推し量ってしまうわけですよ。
役からいっても、実際の年齢からいっても、
20歳以上年下の女の子とのラブストーリーを
なぜ、選んだのでしょう？　なぜに？
ホワイ・ジャパニーズ・ピープル？

──

いいからそれは。

あやや

じゃあ、私が仮説をひとつ提示しましょう。
たとえば！　福山雅治さんは、
吹石一恵さんという
たいへん素敵な女性と結婚されましたけど、
すごく年下の、まだ無名な女性と
このドラマでラブを演じることにより、
「俺はまだ君たちの恋人になりうるよ？」
みたいなことをアピールしてる、
という考え方はどうですか？
「君たちにだってチャンスがあるよ？」と
世の女性にささやいている、
という仮説はどうでしょう？

荒井

そりゃ考えすぎでしょう。

あやや

ぎゃふん。

森下

そういう狙いだったら
もっと違う人を選ぶんじゃないかなぁ。
ここまで歳が離れていると、
恋愛とかいうこと自体を
感じさせづらいと思うんですよ。
だからドラマなんだ、
まさにそれが狙いという考えも
ありうるとは思いますけど。

荒井

まあ、単純に、この藤原さくらさんを
世の中に知らしめようということが
まずは、ひとつ、あるんじゃないですかね。

あやや

なるほど。まさにデビューを。

荒井

このドラマ、発表になったとき、
主役が福山さんだということと
だいたいのストーリーはわかってたんですけど、
ヒロインが誰かは発表されてなかったんですよ。
で、みんながいろんな人の名前を挙げて
あれこれ予想していたんですが、
フタを開けてみたら、新人の女性だった。
まさに、才能あるシンガーソングライターを
知らせるためにはちょうどいい形ですよね。

森下

ひょっとしたら、
そこまで「ラブ」に寄せない
ドラマなのかもしれませんよ。
月９だし、タイトルも『ラヴソング』だから
ベタベタのラブストーリーを予想しちゃいますけど、
音楽業界を舞台に、
ラブソングをいかに売っていくか、
というほうがお話のメインで、
「ラブ」のほうはそんなにがっつりやらないとか。

あやや

あー、あるかも、あるかも。
お話の流れとしても、
年下の女の子のほうが福山さんに憧れるけど、
福山さんは、心揺れながらも手を出さない、とか。
あ、それならいい。ファンも納得。

荒井

プロデューサーのひとりの鈴木吉弘さんは
『ガリレオ』シリーズを手がけてる方ですから、
そのへん、福山さんの見せ方を含めて、
どうまとめていくか、というところでしょうか。

あやや

そのあたりも、むしろみどころ、と。
なるほど。だいぶ、理解できました。

森下

つくりながら、そのへんは
バランスをとっていくのかもしれません。

あやや

ところでジャパニーズ・ピープルのみなさん、
もうひとつ、私は言いたいことがあります。
よろしいでしょうか？
それでは、お手元の資料の
脚本家のところをご覧ください。
「脚本‥‥倉光泰子」と書いてありますね。
しかも、（新人）という表記が。

荒井

おお、月９で新人なんですね。
なかなかチャレンジです。

あやや

じつはこの倉光泰子さん、
ヤングシナリオ大賞をとった方なんです。
つまり、有望な新人脚本家ではないかと。
そういうことで、私は、注目をしたいです。
が、どうしたら、いいんだろう？

森下

はい？

荒井

んん？

あやや

がんばってね、と。
あの、すみません、なぜ、私が、
このように強く推しているかというと‥‥。

──

あ、推してるんだ。

荒井

推してるんだ（笑）。

森下

ひょっとして知ってる人？

あやや

あ、森下さん、鋭い！
いや、でも、違う。鋭くない！

森下

なんなの、いったい。

あやや

じつは、包み隠さず申し上げますと、
この倉光泰子さんの友達が、
私の高校の同級生で、いまも会ってて仲良くて。
「泰子ちゃんをよろしくね」って言われてて。

──

な、なんなんだ、それは。

荒井

つまり、このドラマの座談会で、
応援してあげてね、っていうこと？

──

公私混同？

あやや

いや、そうじゃなくて、
どうしたらいいのかよくわからなくて。
だって「泰子ちゃんをよろしくね」って言われても、
私、会ったこともないし、
その人の書いたドラマ、まだ観てないし‥‥。

森下

ま、まぁ、たしかに、そうだね。

──

つまり、ご本人のことは知らないけど、
共通の友達がいて、その人が
「泰子ちゃんをよろしくね」と。

あやや

はい。だから、いま、どうしたものかな、と。

森下

あややのおすすめの３本に入れてあげれば？

あやや

いや、それはできません！
ほんとにたのしみだったら絶対入れますけど。
いや、だからといって、
このドラマをたのしみにしてないわけじゃなくて
ふつうに期待してますけど。

荒井

じゃあ、まぁ、「泰子ちゃんをよろしく」、と。
そういうことでいいんじゃないでしょうか。

森下

だいじょうぶ。
はじめてのときは、人間、がんばるよ。

あやや

泰子ちゃん、いま脚本がたいへんで、
「泰子ちゃん激励会」的な場にも
出席できないらしいです。

荒井

おいくつぐらいの方なんですか？

あやや

年齢はちょっとわかんない。

──

ヤングシナリオ大賞受賞だから、
若いんじゃないですか？

森下

ヤングシナリオ大賞って、
心が若ければヤングなんです、たしか。

あやや

じゃあ、私が今日応募してもいいんだ。

森下

心がヤングならね。

──

ヤングステーキみたいなもんですね。

あやや

なんですか、ヤングステーキって。

──

フォルクスのメニューなんですけど、
前の会社でぼくの先輩だった柴田さんという人が、
フォルクスに行くといつも
「オレ、ヤングじゃないけどヤングステーキ！」
って注文するんですよ。

森下

そういえば、「ヤング」って聞かなくなったね。

荒井

「ヤング」って、響きがたまんないですね。

あやや

ペヤングの「ヤング」って、「ヤング」ですか？

──

急になにを言ってるんだ。

荒井

あ、たしかそうですよ。
あれは「ペア＋ヤング」って意味なんです。
それを略して「ペヤング」。

森下

「ペアヤング」なんだ。
でも、ペヤングのどこが「ペア」なんですか？

──

たしかにそうだ。
ペヤングは百歩譲って「ヤング」だとしても、
「ペア」じゃないぞ。

荒井

「ふたりで一緒に食え」みたいなことじゃないかな。

──

そんな適当な。

森下

ふたりで食べるほどボリュームないですよねぇ、
ペヤングって。

あやや

ヤングはそれを分け合うんじゃないですかね。

荒井

ペヤングを？

──

っていうか、ペヤングの話になってる！

あやや

ええと、だから、泰子ちゃんなんですけど、
この場で話題にしてねって言われたんですけど、
とくに影響力もないし、どうしたものかなと。

荒井

だからやっぱり「泰子ちゃんをよろしく」、と。
それでいいんじゃないでしょうか。

森下

そんなこと言ったら、
「佳子もよろしくお願いします」

──

佳子って、森下佳子ですか。

森下

そう。「佳子の方もよろしくお願いします」

──

森下さんはもう推さなくていいでしょう。

森下

そんなこと言わずに。

あやや

大河の脚本家、まだいくのか！

──

佳子はもう十分だ。

荒井

十分過ぎます。

森下

いやいや。どうなるかわかんないんだから。

──

なんて貪欲な脚本家だ。

森下

「泰子ちゃんと佳子をよろしくお願いします」

あやや

じゃあ、波瑠ちゃん行きましょうか。
『世界一難しい恋』です。
『あさが来た』のあさが、
もう、つぎのドラマをやるんですよ。
『ごちそうさん』の杏ちゃんが、
すぐ『花咲舞が黙ってない』をやったように。

荒井

休まないで、そのまま行っちゃうパターンですね。

あやや

行っちゃうパターンです。
この、「すぐやるパターン」の真逆が、
「いつ出てくるの、能年玲奈ちゃん」。
早く戻ってきてくれないかなー。

森下

能年ちゃんがブログでやってた
『おそ松さん』のコスプレかわいかったですね。

あやや

かわいかった、かわいかった。
私、朝ドラのヒロインって、
終わったあとにインターバル置かないで、
すぐつぎのドラマやったほうがいいと思う。

森下

うん。
能年玲奈ちゃん、どんどん出てほしいですね。
なんていうか、能年ちゃんの、
「クセが強くないのに個性がある美少女顔」って
すごく貴重だなぁと思うのよ。
彼女もいずれ大人の女性になっちゃうだろうから、
早く！　もっと！　って思う。

あやや

わかります！
映画には何本か出てらっしゃいますけど、
もっと気軽にいろいろ出てほしい。
だからやっぱり、朝ドラが終わったあとに
すぐでるパターンはいいと思う。
だって、みんなが顔を覚えてくれたわけですから、
どんどん出たほうがいいですよね。

荒井

波瑠さんも、いま、日本中から
応援されているような状態でしょうから。

あやや

いまさらですけど、
『あさが来た』はよかったですねぇ。
♪あすゎーのそるゎをみぅわーげてぇ
　きょうとぅーぃうー
　いツぃにツぃがーーー

──

それはちょっと似てる。

荒井

『あさが来た』はよかったですねー。
とにかく、イヤな感じがしないんですよね。
すごく丁寧につくってある気がしました。

あやや

波瑠ちゃんも、観ててすごくらくっていうか、
からっとしてて、よかったですよね。
透明感あるし。
そのあたりの印象が、このドラマでどうなるか。

──

どうしても、
「あさ」だと思って観ちゃうところが。

あやや

ありますよね、よくも悪くも。

森下

脚本は金子茂樹さん。

あやや

『きょうは会社休みます。』の人ですね。
あれ、おもしろかったです。
主役は、大野智さん。

荒井

これは、波瑠さんと大野さんで、恋愛モノなんですか。

あやや

どちらかというと大野くんのほうが、
波瑠が好きという設定みたいですね。

──

資料によりますと、
「性格に難のあるホテル社長（大野）の
　初恋に奮闘する姿と成長を描くラブコメディ」。

荒井

ホテル社長の大野さんが、
中途採用された社員の
波瑠ちゃんに一目惚れしちゃうんだ。

あやや

設定としては、ちょっと韓流ドラマみたい。

森下

そうですね。

荒井

ほかのキャストは、小池栄子さん、北村一輝さん、
わりと手堅い顔ぶれですね。安定感はありますが。

あやや

そこは波瑠さんがひとりで
「いま輝いてます！」っていうオーラを
出すんじゃないですか。

荒井

ああ、なるほど。

森下

大野さんが主役のドラマで、
直球のラブストーリーものって
けっこうめずらしくないですか？

荒井

いつもはもっとクセのあるお話が多いですよね。
『鍵のかかった部屋』とか。

森下

『魔王』とか。

荒井

嵐のメンバーのなかでも
直球の恋愛ものにはあんまり出ない印象があります。

あやや

そのへんは、ちょっとたのしみです。
大野さんの演技、けっこう好きなので。

──

嵐の人たちはみんな上手ですよね。
毎クール、かならず誰かが主演してるのも、
なんというか、バランスがいいですね。

荒井

主演しているドラマの種類にも幅がありますよね。
今回の大野さんは、直球。
とはいえキャラ的には変人っぽいのかも。

森下

けっこう、このドラマは
観ちゃうんじゃないかなぁ。

あやや

金子茂樹さんのドラマって、
おもしろいうえに独特の軽さがあって、
観ちゃうんですよね。
なんというか、らくに観られるんです。
毎週観よう、一所懸命観よう、
みたいな感じじゃないんですけど、
ちょっとテレビをつけて、
気楽に観ている、っていうか。

荒井

そういうの、ドラマを観るときに
けっこう重要ですよね。

あやや

あとは、やっぱり波瑠ちゃんですね。
ミーハーですけど、ずーっと毎日、
あんだけ波瑠ちゃんを見続けてきたわけですから、
単純に、次の役も観たいなぁ、というのはある。
ただ観たい。

荒井

そういう人は多いと思います。

あやや

さぁ、福田靖先生、いきましょうか。
『グッドパートナー 無敵の弁護士』。

森下

これは、おもしろそうですね。

あやや

そう、おもしろそうなんですよ。
法律事務所が舞台で、
しかも企業法務っていう
ちょっと堅そうなジャンルがテーマですから、
どちらかというと
あんまりおもしろそうには
見えないはずなんですけど、
脚本が福田靖先生だと、
期待がそれをひっくり返しちゃうんですよね。

森下

わかります。

あやや

それで思い出すのは、
かつて沢村一樹さんが主演した
『DOCTORS〜最強の名医〜』ですよ。
あれも、はじまるまえは、
ちょっと地味だなという感じで
視聴率的にも苦戦するんじゃないかと
思っていたんですが、
福田靖先生の脚本がやっぱりおもしろくって、
けっこうな視聴率を記録し、
いまやシリーズものになっているという。

荒井

たしかに共通するものはありますね。
同じテレビ朝日の同じ枠。
主演は竹野内豊さんと松雪泰子さん。
今後、シリーズものになる可能性も感じます。

あやや

竹野内豊さんと松雪泰子さんは
もと夫婦という設定なんですね。
「企業法務をテーマにした弁護士ドラマ」
「優秀な仕事パートナーで、
　元夫婦だったふたりが織りなす
　法務かつホームなドラマ」
あ、ここ、かかってるんですよ、
「法務」と「ホーム」が。

──

わかってるよ。

あやや

え？　わかってます？
「法務」と「ホーム」ですよ？
法律に関する事務とかの「法務」と、
英語の「Home」の「ホーム」。
わかってます？

──

わかってるよ。

あやや

しかし、あれですね。
「企業法務」という、堅そうで地味っぽいテーマを
おもしろくしてしまうのが福田靖先生の脚本なんだと
力説しておきながら、あれですけど、
やっぱりその‥‥堅そうですね。

森下

うん。堅そう。

荒井

おまけに地味ですね。

あやや

しかし、何度も言うが、福田靖脚本！

──

どっちなんだ。堅いのか、おもしろいのか。

あやや

うーん、どうだろう。

荒井

これは、たしかめるためにも、
とりあえず初回は観るパターンですね。

森下

そう思います。

あやや

ちなみに他のキャストのみなさんは、
どうですか。

──

ええと、杉本哲太さん、國村隼さん。

あやや

わ、いい人で固めてますね。

荒井

この山崎育三郎さんって、最近、よく出ますねぇ。
なっちの旦那さんですよ。

あやや

「ミュージカルの王子」と呼ばれてる方だ。

荒井

『下町ロケット』にも出てましたね。
ガウディの営業してた人。

あやや

あ、そうそうそう。

森下

濃い感じの顔のね。

荒井

全体的に、キャストも問題ないですね。
安心できる人たちがそろってます。

あやや

そうですねー。
今季、あんまり骨太なドラマがないなと思ったけど、
これがそういうふうになる可能性ありますよね。

荒井

関係ないですけど、こないだ、
竹野内豊さんが主演する
『素敵な選TAXI』のスペシャルを観たんですよ。
めちゃめちゃおもしろかったですよ！
伏線が終盤にストンと回収される感じで、
よくできてたなあ。

あやや

あ、録画したままだ。観よう、観よう。　
あのドラマの竹野内豊さんもいいですよねー。

荒井

コミカルとシリアス、両方いけるんですよね。
貴重な俳優さんだと思います。

あやや

そして今季はもうひとつ、弁護士ものがあります。
『99.9-刑事専門弁護士-』。

森下

こっちの弁護士は松本潤さん。

荒井

日曜９時のＴＢＳっていうことは
『半沢』枠ですよね。

森下

そうですねぇ。

荒井

『半沢』枠に、『半沢』の人が出てますね。

──

あ、ほんとだ。香川照之さん。
おんなじ格好で、同じ雰囲気で出てる。

あやや

で、こっちの弁護士は、
「刑事事件」を専門に担当する
「刑事専門弁護士」なんですね。

──

「刑事事件の裁判有罪率は
　99.9パーセントという逆転不可能な状況の中、
　残された0.1パーセントの可能性に
　こだわって事実を追求する
　刑事専門弁護士たちの姿を描く」
と、資料にはあります。

森下

さっきの、竹野内豊さんが演じる弁護士とは、
畑がまったく違うということですよね。
竹野内さんは「企業弁護士」。
松潤は「刑事専門弁護士」。

あやや

つまり、竹野内さんは稼ぐ弁護士で、
松潤は貧乏、ってことですかね。

荒井

そうですね。
刑事弁護は稼げないと思いますよ。

森下

そうですねぇ。

あやや

そのへん、ちゃんと
役づくりしてるんだろうなぁ、と思うのは、
松潤のこの写真、いつもの松潤とちがって、
こう、ふつうっぽいじゃないですか。
かっこよくないとは言わないですけど、
わざとちょっと野暮ったくしてる。
髪型とかも、キメキメじゃなくて。

荒井

そうですね。
もっと派手目に仕上げようと思ったら、
絶対、できるはずですから。

あやや

松本潤さんという人は、
もともとはきれいなルックスなんだけど、
役に合わせて見た目から仕上げてくる
タイプなんじゃないかな、と思うんです。
道明寺のときはいかにも「道明寺」って感じですし、
誠実な弁護士のときは、
ふつうっぽいルックスにして、役に入る。
そのへん、真面目な方なんだなぁ、と。
なんていうか、役者さんのなかでも、
「オレはオレですから」って、
どんな役でも「同じ自分」で
出てくる人っているじゃないですか。
松潤はそのあたり、きちんと仕上げてくる。

森下

真面目な人ですよね。

あやや

真面目だと思います。

──

嵐のバラエティ番組とか観てると、
松本潤さん、料理とか、隠し芸とか、
すっごい練習してたりしますよね。

森下

そうそうそう（笑）。

あやや

努力家だよね。

荒井

けっこう失敗したりしてますよね。

あやや

で、ちゃんと悔しがるよね。

──

そうそう（笑）。

あやや

たぶん、本質的に真面目なんだと思います。
そのあたりが、今回の刑事専門弁護士の
「ちょっとダサい感じ」に表れてるんじゃないかな。
でも、松潤のこのルックスで、
うだつの上がらない感じに仕上げるのって、
けっこう、たいへんだと思いますけどね。

──

なるほど、なるほど。

荒井

ヒロインは、榮倉奈々さん。

あやや

榮倉奈々ちゃんって、
顔ちっちゃくてかわいいのに、
スタイルいいから、高級感あるよね。
どうですか、荒井先生、榮倉奈々ちゃんは。

荒井

いいですよねー。
とにかく、脚が、すげー長い。

あやや

な、なるほど。
脚が、すげー長い。

荒井

うん。
脚が、すげー長い。

あやや

わ、わかりました。
ええと、これは、１話完結ですかね？

森下

基本的には１話完結じゃないですか。
で、各回にゲストが登場して、という。

あやや

何人かのゲストはもう発表されてますね。
赤井英和さん、風間俊介さん‥‥
ああ、いいですね。
こういう人たちを弁護していくのかな。

荒井

でも、刑事裁判が
「99.9パーセント逆転不可能」だとすると、
毎回、奇跡の大逆転を起こしていくんですか？

森下

そう、そこが問題ですよね。
毎回「0.1パーセント」の確率にチャレンジして
ドラマチックに勝ち続けるというのは、
まぁ、ドラマだから、できなくはないですけど、
ちょっとムリがありますよね。

──

『リーガルハイ』は、無敗という建前を守りつつ、
ときどき上手に負けたり、
引き分けにしたりしてましたよね。

森下

そうそう。

あやや

あと、ほぼ有罪が決まってるのに、
「0.1パーセントの可能性にこだわって
　事実を追求する」と、罪を犯した人を
無罪にしちゃうこともあるってこと？

森下

そのへんはまさに、ドラマのなかで
葛藤が描かれたりするんじゃない？

あやや

そうか、そうか。
じゃ、やっぱりこのドラマ、おもしろそうですね。

荒井

ＴＢＳの日曜劇場という伝統枠ですから、
骨太なドラマを期待したいですね。

あやや

『JIN』『天皇の料理番』と、
この伝統枠でヒット作を生んできた森下さん、
いかがですか？

森下

日曜の夜９時に放送されるドラマは、
おじさまたちのハートを
熱くしないといけないんですよ。

荒井

あー、なるほど！

あやや

で、月曜日の朝に「行くぞ、働くぞ！」と。

森下

それが日曜劇場という枠のテーマだと、
私は思ってました、よ？



（まだ続きますよー！）