ほぼ日テレビガイドシリーズ

秋の連ドラチェック2017

あややとふたりのプロフェッショナル
第4回
見逃せないクドカン作品!
安定感抜群の『コウノドリ』と
新機軸の学校もの2本。

監獄のお姫さま

TBS●火曜22時


あやや
じゃあ、私たちの大好きな、
宮藤官九郎さん、行きましょうか!
森下
はいはい。
あやや
ていうか、その、ぶっちゃけ、
今期のおすすめ、ほぼ‥‥
森下
イチオシ確定!
あやや
イチオシ確定!
──
そ・れ・は、最後にうかがいます!
荒井
ははははは。
森下
でもさぁ、これはもう、
「待ってました!」って感じだよね?
あやや
ヤバイですよこれ。
だって、監獄ですよ!
──
まだタイトルも言ってないじゃないですか。
『監獄のお姫さま』です。
あやや
いやー! キャスト、見てくださいよ!
ホームページ、これ、これ!
森下
きゃーーー!
──
両耳をおさえてうずくまらない。
荒井
出演者。
小泉今日子さん、満島ひかりさん、
菅野美穂さん、夏帆さん、
坂井真紀さん、森下愛子さん、
伊勢谷友介さん、塚本高史さん、
おおー、たしかにこれは!
あやや
きゃーーー!
森下
きゃーーー!
あやや
(ばったり)
森下
(ぐったり)
──
いいから。失神ごっこは。
あやや
ヤバくないですか、これ。
森下
ヤバいかもね、これ。
あやや
イチオシ確定!
森下
イチオシ確定!
──
だ・か・ら!
荒井
これはつまり、女囚もの、
っていうことですか。
森下
女囚もの、というジャンルがあるのなら!
あるね!
あやや
どういう女囚ものかと言うと、
罪を犯した5人の女囚たちが
それぞれにイタい人なんだけど、
それぞれにかわいくて、
それぞれにかわいそうなところもあって。
そんな5人の女囚たちを、
厳格な女刑務官、満島ひかりさんが
立ち直らせるべく、教育する、と。
そしていつしか女囚たちの人間的な魅力に、
満島さんも気持ちを奪われていく‥‥
ということらしいです。
荒井
これはやっぱり、おもしろそうですね。
うん。イチオシです。
──
荒井先生!
荒井
すみません(笑)。
あやや
しかし、宮藤官九郎さんって、
こういう不遇な境遇の人とか、
あんまりうまく行ってない人とかを
描くのがほんとうにうまいですよね。
森下
そうですねぇ、ゆとり世代とか、
うまく働けてない人とか、
くすぶってる人とかを、絶妙に。
あやや
でも、決して暗くならずに、
ピンチをチャンスみたいにして
おもしろく逆境を乗り越えていくという。
荒井
『ゆとりですがなにか』は
その典型でしたけど、
こないだのスペシャルも
おもしろかったですねぇ。
あやや
すっごいおもしろかった。
まりぶ、最高。
森下
中国にエビチリつくりに行くんだよね、最後。
──
スピンオフもおもしろかったですよ。
森下
『山岸ですがなにか』(笑)。
荒井
笑ったなぁ、あれも。
あやや
宮藤さんのドラマって、
おもしろいがベースにありつつ、
ときどきホロリさせるような、
いいことを言うじゃないですか。
あれがたまらないんですよね。
荒井
そうそう、意外とアツいことを
ストレートに言うんですよね。
あやや
アツい、アツい。
森下
宮藤さんは年齢とともに
さらにそっちに寄ってる気もするけど、
そもそも
「お前は風呂屋のたかしじゃねーのかよ!」
ですからね。
『池袋ウエストゲートパーク』!
あやや
ああ、しかも、このメンバーですよ。
このメンバーで、おもしろいこととか、
アツいこととか、言い合うわけですよ。
──
これ、もう、みんなメインでしょうけど、
主演はいちおう小泉さんなんですかね。
あやや
そうみたいですね。
小泉さんはクドカン作品に
何度か出てますよね。
森下
『マンハッタンラブストーリー』。
荒井
『あまちゃん』も。
あやや
ちなみにキョンキョンは
どういう罪を犯した人かというと‥‥
不貞をはたらいた夫を刺し、殺人未遂。
荒井
ほう。
森下
他の人たちは?
あやや
森下愛子さんは、違法薬物。
菅野美穂さんが、所得隠しと巨額の脱税。
坂井真紀さんは、詐欺と横領。
夏帆さんが殺人となってますが、
「冤罪?」とか書いてあるから、
殺してないんだな、つまり。
森下
その冤罪を晴らすのが縦軸?
──
やっぱりおもしろそうだなぁ。
あやや
この、宮藤さんのコメントが
ちょっとおもしろいですよ。
「私も立派な中年になりまして、
いま『木更津キャッツアイ』のテンポ感で
ドラマを作ろうと思ったら、
若者より、おばちゃんの方が俄然しっくり来る。
早口だし、声が大きいし、他人の話を聞かないし、
同じことを何度も言うし。
暴力的な速度と有り余る熱量。
彼女たちのおしゃべりを
エンドレスで聞ける場所はどこか、と考え、
舞台を女子刑務所に設定しました」
森下
あはははは、なるほど!
荒井
おばちゃんのおしゃべりが
裏テーマなのか(笑)。
あやや
ますますおもしろそうー。
だって、このメンバーが
しゃべりまくるわけですよ。
森下
宮藤さん、週刊文春の連載かなんかで、
このドラマのこと書いたの読んだんですけど、
『木更津キャッツアイ』の脚本のページ数って、
1話、100ページとかあったんですって。
あやや
それは、多いんですか。
森下
多いよー。
大河だと50ページぐらいだよ。
あやや
じゃあ、倍!
そんなにセリフの量があるんですか。
森下
それを1時間で早口でしゃべって、
さらに編集で間もつめつめにして
『木更津』をつくったんだと思うんですよ。
「どうやって1時間に入ってたんだ?」
ってご本人も書いてた(笑)。
あやや
それをいまドラマでやれるとしたら、
「おばちゃんのしゃべり」ってことですね。
森下
私、大阪出身なんで、すごくわかります。
おばちゃんたち、
ものすごいスピードでかぶせていきますし、
カットインもすごいから。
あやや
人の話、聞いてないしね。
もう、言いたいだけだし、
なんか、とんでもない勘違いとか
言いまつがいとかしても
もう、ぜんぜん平気で、長時間、
自分の好きなことを‥‥あら? おやおや?
──
この場がまさにそうだと。
あやや
いやいやいや!
森下
いやいやいや!
荒井
うん、紙一重ですね。
あやや
ちなみに、
満島ひかりさんのコメントによれば、
「脚本はおかしくて
 読み進めるのが大変でした」と。
つまり、脚本の時点ですでにおかしいと。
荒井
満島ひかりさんは、
『ごめんね青春!』で
クドカン作品は経験済みですね。
森下
『ごめんね青春!』には、
森下愛子さんも坂井真紀さんも出てますね。
ってことは、メインキャストでは、
菅野美穂さんと夏帆さんが
初のクドカン作品参加かな?
あやや
あ、たしかに、菅野美穂さんって
クドカンのイメージないですね。
いったいどうなるんだろう。
菅野さんって、なにしろ上手だし、
かわいいだけじゃなくて、
エキセントリックな役もできるし、
これはちょっと、たのしみですねー。
荒井
男性陣は、メインが伊勢谷友介さん。
あと、塚本高史くんは、
クドカン作品の常連ですね。
あやや
『木更津キャッツアイ』。
──
『タイガー&ドラゴン』にも出てた。
荒井
『マンハッタン』にも。
いや、キャスティングを見てるだけで
ほんとうにたのしみですね。
あやや
あれ? 今回、TBSなのに、
プロデューサーが磯山さんじゃないんですね。
森下
磯山さんは、いま編成なので。
荒井
じゃあ、ドラマをつくる人では
なくなったんですか。
森下
いまは違う部署にいるということですね。
会社員ですから、いろんな部署に行くんです。
あやや
ふーん、そういうもんですか。
荒井
枠は、火曜の22時。
ここは満島ひかりさんが
『カルテット』やってた枠ですね。
あやや
いまイケイケの枠でしょ。
荒井
一番注目されてる枠です。
『カンナさーん!』も数字は悪くなかったし。
森下
『カンナさーん!』、娘が一所懸命観てた。
あやや
いやー、キャストもいいし、枠もいいし、
ほんと、言うことじゃないじゃないですか。
絶対、おもしろいでしょ、これ。
──
でもさ、覚えがあるんだけどさ、
ここで「おもしろい」「おもしろい」と言って
盛り上がってるクドカン作品ほど、
数字が低かったりすることが‥‥。
あやや
あーーーー(笑)。
森下
いや、これも何度も言ってるけど、
宮藤さんの作品はおもしろさと数字が
だいたい合わないから。
荒井
まあ、なかなか二桁行かないですよね。
我々がどんなにおもしろがっても。
あやや
でも、これは、行くんじゃないかなあ?
おもしろくて数字も行く。
だって、このメンバーだよ?
荒井
その可能性は十分ありますね。
森下
あの、最後にひとつ、
ぜんぜん違う話していいですか。
たまたま耳に入ってきた情報なんですけど、
菅野美穂さんがドラマのなかで
「足の指でジャンケンするシーン」
があるんだって。
あやや
えっ!
荒井
足の指でジャンケン?
あやや
足で、じゃなくて、足の指で?
森下
足の指で。
で、グーとパーはできるんだけど、
チョキがどうしてもできなくて。
でも、なんとかして足の指で
チョキができるようになろうと
いま練習してらっしゃるそうです。
あやや
なななな、なんなんですか、その情報。
──
なんでそこだけ伝わってきたんですか?
森下
そこだけ聞いたんですよ(笑)。
菅野さんが顔合わせで
そういうこと言ってたって。
荒井
菅野美穂さんが‥‥。
あやや
足の指でチョキを‥‥。
──
できないから練習を‥‥。
森下
うん‥‥。
あやや
これは‥‥なんとも言いようがない。
荒井
困りますね、この情報。
森下
ごめん、ごめん。
どうぞ、お流しくだされ。
あやや
でも、役者さんって、
そういう無理な注文がくると、
意地になってやったりするじゃないですか。
森下
ああ(笑)。
あやや
きっと今頃、猛特訓してますよ。
──
堺さんと練習してそう。
あやや
あー、してそう!
──
堺さん、あの笑顔で
サディスティックにコーチしてそう。
あやや
しかし、あの、役者さんというのは、
どうしてああなっちゃうんですか。
できないならできないでいいじゃないですか。
あれは、役者だからそうなっちゃうのか、
そういう人だから役者になっちゃうのか。
荒井
そうですねー(笑)。
あやや
だって、できるわけないじゃないですか、
足の指でチョキなんて!
森下
できるわけないよねー。
──
でも、柄本明さんいわく、
「書いてあることやる職業」だからさ。
プロなら、書いてある以上はやらなきゃという。
あやや
すごくないですか、その根性。
足の指でチョキなんかできないよ。
──
でも、そんなこと言ったらさ、
足の指でチョキに限らず、
あんな長いセリフを憶えたりできないでしょ。
あやや
あーー、そうだ!
ほんと、尋常じゃないですよね。
私だったら台本で長ゼリフ見た瞬間、
「こんなのムリ!」って言いますね。
森下
真面目な話すると、役者さんって、
まあ、いろんなタイプがいると思いますけど、
基本的にはフィジカルエリートなんだと思いますよ。
あやや
ああーー。
荒井
「フィジカルエリート」。
森下
しゃべることや憶えることも含めて、
身体能力が、ものすごくみんな高いんですよね。
リズム感もいいし。
あやや
ああー、そうかー。すごいなー。
じゃあ、できるよ、足の指でチョキ!
みなさん、菅野美穂さんの
足の指のチョキに注目しましょう!
あと、みんなも練習しましょう!
──
しなくていいです。

コウノドリ

TBS●金曜22時


あやや
『コウノドリ』行きましょうか。
これは、2期目ですね。
1期目、おもしろかったですよー。
森下
あー、これは、うちの娘の
パラダイスドラマなんですよね。
あやや
なぜ、このドラマがパラダイス?
森下
なぜなら、「塩顔」しか出てこないから!
あやや
ああー、そういうことか!
綾野剛さん、星野源さん、大森南朋さん。
荒井
塩顔好きなんですか?
森下
そう、塩顔大好き。
「これは、わたしのためのドラマだ」と、
小学校5年生に言わせる。
荒井
すごい、小5で塩顔マニア。
森下
「わたしの好きな顔しか出てない!」
って言ってました。
あやや
すごーい(笑)。
荒井
時代ですね。
あやや
時代ですよ、完全に。
荒井
いわゆるコテコテの二枚目じゃない
塩顔の俳優を好むのは、
大人っぽい選択なのかと思ったら、
小学生でもそういう好みなんですねぇ。
森下
2期も、親子でたのしみに見ると思います。
あやや
しかし、この『コウノドリ』、
すごいなと思うのが、
1期で若手として出ていた役者さんたちが
ことごとくブレイクしていることですよ。
松岡茉優さんとか、坂口健太郎くんとか、
ぜんぜん主役級じゃなかったですからね。
森下
ああ、売れましたねー、みなさん。
あやや
いまや売れっ子ですよ。
星野源さんも、ご存知の通り、
いまはすごいブレイクしてますけど。
荒井
そうですね。1期の『コウノドリ』のときは、
まだ、いまほどブレイクしてなかった。
あやや
してない、してない。
森下
だから、メインビジュアルを見ると、
星野源くんと坂口健太郎くんが、
こんなに後ろのほうの立ち位置なんだな、
というのが、なんかすごいですよね。
荒井
ああ、たしかに。
いまは、この位置に立つ人たちじゃないもんなー。
森下
『HERO』もそういう感じでしたよね。
1期の人たちが2期になったら
みんなブレイクしてた、みたいな。
あやや
このドラマ、そういう意味でいうと、
1期に脇役として出て、
ブレイクして主役級になった人たちが、
2期にもちゃんと出てくれてるっていうのが
なかなかすごいなと思うんですが、
その理由は、なんでしょう?
森下
数字がよかったからじゃないの?
あやや
わっ(笑)。
荒井
かはっ(笑)。
──
も、森下さん、
ここが新喜劇の食堂のセットだったら、
みんなイスごとひっくり返ってましたよ。
森下
あら(笑)。
あやや
いや、まあ、数字もありますけどね、
私は、作品自体もおもしろかったし、
現場の雰囲気がよかったんだろうな、と。
だから、みなさん帰ってきてくださったんだなぁ、
と想像してます。
森下
はい、そうだと思います!
失礼しました!
あやや
そんなわけで、いまとなっては
豪華なメンバーがずらりとそろった
『コウノドリ』第2期なんですが、
欲をいえば、欲をいえば、ひとつだけ!
あの、さきほど私は、名言を残しましたよね?
──
なにを言ってるんだ。
荒井
なかなか言えないセリフですよね。
森下
「さきほど私は名言を残しましたよね」(笑)。
あやや
残したはずですよ、名言を。
──
ええと、どちらの名言でしょう?
あやや
「芸能人は顔です」。
荒井
はははははは。
森下
たしかに名言(笑)。
──
おっしゃいましたよ、たしかに。
「芸能人は顔です」と。
芸能人の顔が美しく整っていると、
アップになるだけで安心する。
ドラマを見ることがラクになる、と。
あやや
はい、言いましたね?
その意味でいうと、
この『コウノドリ』は‥‥ちょっと薄い。
森下
はははははは。
荒井
はははははは。
──
もう、それ、何目線(笑)?
あやや
私的にはね、いま、ちょっとほんと、
顔ブームなんですよ。
──
「顔ブーム」(笑)。
あやや
山P、ガッキー、武井咲ちゃん、
はぁーー、ありがとう‥‥。
綾瀬はるかちゃん、広末涼子ちゃん、
本田翼ちゃん、西島秀俊さん、
はぁーー、ありがとう‥‥。
そのように、芸能人の方々に、いえ、
芸能人の方々の「顔」に感謝しながら
見ていたいんですよ、ドラマを。
だって‥‥ラクだから!
──
もう、あなたは、独自の価値観を
さらにガラパゴス化して生きてます。
森下
つまり、もう塩顔じゃ、安心できないんだね。
あやや
そう、これはもう、好き嫌いでも、
もちろん、優劣でもありません。
私はただ、ラクになりたいだけ。安心したいだけ。
そのためには、もっと、こう‥‥
ビッ! と。
──
華がほしい。
あやや
そうそうそう、そういうことです!
さっきの『監獄のお姫さま』には
華がありましたでしょ。
荒井
ありました、たしかに。
森下
(笑)
あやや
わかりますか?
みんな、わかりる? わかりる? わかりる?
──
大御所の漫談家のような味が出てきてるぞ。
大丈夫か。
荒井
いまの若い人たちが求めているような
スタイリッシュな塩顔では物足りない、と。
あやや
そうです。だから私、
いってみれば、裕次郎世代なんですよ。
荒井
裕次郎世代(笑)!
森下
さすがに、
裕次郎世代じゃないでしょ(笑)。
あやや
でも、いまの世代ではない気がするなぁ。
森下
言うなら、キムタク世代だよね。
ああいう、目鼻立ちがハッキリしてるきれいさに
すごく魅力を感じてしまうという。
あやや
あああ、そうそうそう!
そうかもしれません。
そして、もちろん、塩顔のみなさん、
ちょっとおもしろく言いましたが、
不満なんてまったくありませんから!
森下
あ、不満といえば、ひとつあるよ。
──
え? このドラマに?
森下
そう。第1期でずっと思ってた‥‥。
それは、綾野さんが
ピアノを弾いてるときの、カツラ!
あのカツラは、ぜひとも、
なにかしらの改善をしてほしい!
──
ええと、どういうことでしょう。
荒井
綾野剛さんが演じる産婦人科医は、
天才ピアニストという一面もあって、
ピアノを弾くときはカツラで変装するんです。
あやや
で、そのときのカツラが
シルバーの長髪なの。
森下
なんか、名前も違うんだよね。
なんていったっけ‥‥
あ、思い出した、ベイビーだ!
ピアニスト、BABYだ!
あやや
ベイビー、ベイビー!
森下
BABYのカツラだけがすごい引っかかるの。
なんであんなおかしなカツラなの!
私、このドラマには
全体的に好意を持ってます。
だからこそ、ぜひ、カツラを!
一周回って、あのカツラが、
逆にリアルなんだということもわかります。
それでも、なんか、
半周くらいしか回れない私がいるの!
ぜひとも今回は、
あのカツラをなんとかしてほしい!
シルバーならシルバーでいいから、
「ああ、これなら成立する」
というシルバーにしてほしい!
‥‥ああ、すっきりした。
ほんと、いいドラマなんですよ。
あやや
はい。ちゃんと地に足をつけて
真面目につくってるドラマですよね。
荒井
クオリティー高いと思います。
森下
たのしみにしてます!

先に生まれただけの僕

日本テレビ●土曜22時


あやや
櫻井翔くんの
『先に生まれただけの僕』行きましょう。
注目は、なんといっても
脚本の福田靖さんです!
『龍馬伝』『HERO』『ガリレオ』『海猿』など、
ヒット作を連発している方です。
森下
この方、口立てスタイルなんだって。
自分でセリフを言って書き取らせるらしい。
荒井
へーー、そうなんですか。
あやや
志茂田景樹さんもそうですよね。
つかこうへいさんもでしたっけ。
森下
つかさんの場合は、
たしか、稽古場のその場で、
セリフを口頭で伝えるんだっけか。
荒井
え、じゃあ、ドラマの場合だと、
福田さんが脚本を口で言って、録音して、
誰かが起こしてるんですか?
森下
そういうことだと思いますよ。
荒井
へーーー。
──
ちなみに、糸井さんの『MOTHER』もそうです。
あやや
あっ、そうか。
──
最後にセリフを決定するときは、
ひと言、ひと言、口で言って、決めていきます。
森下
だから、スタイルとしては、
そんなにめずらしいことじゃないんだけど、
日本だと、自分でペンを執ったというほうが、
なんとなく美徳とされる風潮があるから、
なんとなくみんな言わないのかもしれないけど・
でも、それって実はすごい能力じゃない?
とくに脚本のセリフなんて、
話す言葉なわけだから、
音にするのは理にもかなってる。
荒井
たしかに、そうですね。
あやや
そんなヒットメイカー、
福田靖さんが手がけるドラマなんですが、
なんと、演出が水田伸生さんです。
荒井
あ、さっき話に出た、
『ゆとりですがなにか』の。
あやや
そうなんです。
水田伸生さんは監督として映画も撮ってます。
──
ええと、映画は『あやしい彼女』。
『ゆとり』のほかに演出を手がけたのは、
『Mother』『Woman』。
荒井
ぜんぶ日テレだ。
森下
ってか、日テレの人です。たしか。
あやや
これ、かなりおもしろいんじゃないかと。
だって、脚本が福田靖さんで、
演出が水田監督ですよ?
──
お話としては、
櫻井翔さんが校長先生なんですね。
エリート商社マンが校長先生として、
赤字経営の私立高校を立て直す。
あやや
実際に、そういうことって、あるんですよね?
森下
ありますよ。
元銀行員が校長先生になったり。
あやや
それは、先生としてではなく、
ビジネスマンとしての視点を入れることによって
学校を変えていくという狙いで。
森下
そうですね。
昔は学校って、開校すれば人が集まったんだけど、
いま、私立の学校って、
名門校以外は放っとくと人が来ないから、
定員が埋まらないんだって。
荒井
へぇーー。
森下
だから、なんとか
改革していかなきゃならないんですよ。
あやや
じゃあ、けっこうシリアスな展開なのかな。
あ、ここに書いてありますよ。
「教師と生徒たちの友情・愛情を描く
ありきたりな学園ドラマではありません。」
へーー、やっぱり、おもしろそう。
森下
うん。
あやや
キャストもけっこう豪華ですよ。
櫻井翔さんのほかに、
蒼井優さん、多部未華子さん。
荒井
櫻井翔さんと多部未華子さんっていうと、
『山田太郎ものがたり』を思い出します。
森下
ありましたねー。
あやや
あっ! たいへん! 見て見て!
保健室になんと、井川遥さんがいるよ!
森下
うわー、いいねぇー。
その保健室はやすらげそうだよねぇ。
あやや
行きたーい、その保健室に行きたーい!
荒井
井川遥さんが保健室にいたら、
男子はいろいろ妄想しちゃうでしょ。
森下
いいよねーー。エロいよねー。やすらぐよねー。
あやや
あ、荒川良々さんも出る。
やっぱりこれ、見ちゃうな。
森下
そうですね。
テーマ的にも、おもしろい気がする。
あやや
私もそう思います。
いままでの学園ものとかなり違う感じで
ちょっとおもしろそうですね。
櫻井翔さんの若すぎる
校長先生っていうのもよさそうだし。
森下
蒼井優さんと多部未華子さんが
ふたりで脇にいるのって、かなり安心ですよね。
あやや
そして保健室の井川遥先生!
荒井
っていうか、まず、このドラマがヒットして、
第2期とかがスタートして、
どこかのタイミングでスピンオフとして、
保健室の井川遥さんを主役にしてほしい。
──
急に大きな計画を。
荒井
ええ。ぜひ、実現してほしい。
エロ路線で行ってほしい。
──
真顔でなにを言ってるんですか。
森下
でも、公式ページに書かれてますけど、
いまの学校は、少子高齢化、
社会保障問題、若年層貧困と、
さまざまな問題を抱えているわけですよ。
だとしたらここは、正しい性教育じゃないですか。
井川先生の保健体育に期待しちゃいますよ。
というわけで、
私も愛に満ちたエロ路線で行ってほしい。
──
真顔でなにを言ってるんですか。
あやや
あーーーーっ!!
森下
な、なになになに?
荒井
どうしたんですか。
あやや
私、すっごいこと気づきました。
見て、見て、見て。
このドラマのタイトル、
『先に生まれただけの僕』でしょ?
『「先」に「生」まれただけの僕』で、
「先生」という文字が隠れてるんですよ!
森下
そうですよ。
あやや
えっ。
荒井
ロゴも、そういうデザインに
なってるじゃないですか。
あやや
えっ。

オトナ高校

テレビ朝日●土曜23時5分


あやや
もうひとつ、学園ものを行きましょう。
『オトナ高校』。三浦春馬くん主演。
ハルマーとしては、見逃せませんよ。
荒井
え、三浦春馬さんのファンを
「ハルマー」って言うんですか?
森下
わかりやすくていいと思います。
あやや
さて、こっちの学園ものは、
時間帯も深夜ですし、
テイストもずいぶん違うようです。
三浦春馬さんが通学する「オトナ高校」は、
童貞処女を卒業したら即卒業、
というオトナの高校だそうです。
荒井
は?
森下
え?
あやや
そういう設定みたいです。
荒井
んん?
森下
これ、日テレ?
あやや
フジ?
荒井
テレ朝ですね。
あやや
えっ、テレ朝が
土曜の23時にドラマをやるんだ。
森下
起ち上げたんじゃない?
あやや
じゃあ、新枠?
──
「土曜ナイトドラマ、衝撃の誕生」
って書いてあるから、きっと新しい枠ですね。
森下
そうだよね。
あやや
ドラマの視聴率がなかなか上がらないなか、
なぜ、テレビ朝日は土曜日の夜11時に
新しいドラマ枠をつくったのでしょう?
どう思われますか。
土日が視聴率がいいとかですかね?
──
あ、公式ページに書いてあるよ、狙いが。
「様々な既存のメディアとの融合も
仕掛けていきながら、若いデジタル世代に
幅広い方向で楽しんでいただける
斬新な企画をお送りする新たな連続ドラマ枠です」
あやや
な、なるほど。
荒井
わかるような、わからないような。
──
過剰に硬い表現ですね。
森下
で、三浦春馬くんは、
東大卒のエリートでありながら童貞、
という役なんですね。
荒井
あだ名が「チェリート」って書いてある(笑)。
森下
ははははは、
チェリーのエリートだから(笑)。
あやや
チェリート(笑)。
荒井
しょうがないなぁ(笑)。
森下
しょうがないですねぇ(笑)。
あやや
あの、ひとつ、言ってもいいですか?
荒井
言うんでしょ。
森下
言うんでしょ。
──
言うんでしょ。
あやや
三浦春馬くんは、
なんでこれ、引き受けたんでしょうか?
一同
(笑)
森下
わかりません(笑)。
あやや
だって、これ、直親のあとでしょ?!
──
直親は隠し子がいるような役だったのに。
荒井
反動ですかね。
森下
まあ、主役ですし、新枠ですし、
なんていうか、新しいし‥‥。
あやや
でも、もうちょっと、選んでも?
森下
でも、設定は変だけど、
おもしろいかもしれないじゃん。
あやや
脚本は、橋本裕志さん。
森下
『ビリギャル』の方ですね。
あやや
『就活家族』を書いた人です。
あと、『リスクの神様』も。
『リスクの神様』はおもしろかったです。
荒井
うん、たしかに、深夜枠にしては
ちゃんとしたキャストがそろってますし、
おもしろいんじゃないかという
気がしてきました。
あやや
そんな気もしてきました。
──
公式ページによれば
「大人の群像コメディー」だそうです。
森下
気になりますね、やっぱり。
あやや
そうですね。
だって、高橋克実さんもいるし、
黒木メイサさんも出てるし。
森下
教師役で杉本哲太さんも出ます。
あやや
で、井川遥さんが、保健室で‥‥
あ、違う、違う(笑)。
──
出ないから、これは(笑)。
あやや
それは、あっちの学校だ。
荒井
ごっちゃになってる。
森下
あははははは。


(次回、最終回。おすすめの1本を選びます!)
2017-11-05-SUN

(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN