みんなで行った、 阿寒きのこの森。
9 オンネトーへ。

さあ、2日目です。
きょうはまた、別の森へと案内していただきました。
そして、きょうは食べます。
きのうの森では「鑑賞」がメインでしたが、
本日は当初の目的である「狩り」を行います。
オンネトーという湖を目指しながら。
天然のおいしいきのこ、採れるのかなー。出発!

 




雨、もしかして?  

朝おきて、
ホテルの窓から外をみたら、
雨がけっこう降っていました。

同室のさんと、
「どうなるんだろうね。」
と、ちょっと心配になりましたが、
新井さんが
「多少の雨ならば」と
おっしゃってたし、
我々は、レインウエアをきているので、
きっと決行!
とおもって待ち合わせに向かいました。


寒っ!  

ただいまの気温15度。

東京はまだ、半袖でも
平気な気候だというのに
やはり寒い!
朝は冷え込みましたよ。






冷ややかな目。  

このふたりなぜ、
こんな冷たい視線を送っているのか
さっぱり記憶にないのですが、
撮ったのだれだろう?
こんな視線を送られるのって、
やっぱり
でも、なぜ??
が放屁でもしたのでしょうか。
はーわからない。

狩りだから。

放屁とか言わない。

えーとですね、
あのゴキゲンな冒険で、
ずーっとたのしかったはずの旅で、
こんな表情になった記憶は
自分も他のメンバーも
まったく記憶がないんですよ。
まあ、この写真はぼくが撮ったんですが
こんな冷ややかにされた覚えはゼロ。
で、よくよく考えて思い当たりました。
この日はね「狩り」だったんです。
きのうはきのこを「鑑賞」するのが
メインでしたが、
きょうは狩ったきのこを「食べる」
という目的がはっきりとあったのでした。
それで、この目ですよ。
「とってやる」と。
「待ってろよ」と。
ほんきだわー。
キリッとしてる表情がかわいらしいです。


「オンネトー」って?  

いまさらですが、
本日の目的地について。

「オンネトーに行きます」と
言われました。

オンネトー?

湖の名前なのだそうです。
アイヌ語で「大きな沼」「年老いた沼」
という意味。
なんと、北海道三大秘湖のひとつとか!
「秘湖」っていう言葉、
わくわくしますよねえー。
どんな湖なんでしょう‥‥。
その湖を目指しながら、
きのこを探すのが本日のコース。
いくぞーーー。




おはよーございまーす。  

本日のガイドも、
もちろん新井さんと稜さん。

この駐車場に車を止めて、
さっそくスタートですね。
すこしばかり雨がそぼふってますが
よろしくお願いいたします!

美味いきのこを
食べきれないくらい
みつけさせてください!!






レッドの座。  

実は新井さんと
ホテルでお会いしたときから、
「かぶってもーた!」
とひそかに思っていました。

赤いカッパ上下が
かぶってしまったのです。
ヒーロー戦隊でいうならば、
レッドは、主役。
レッドの座は、奪い合いか!??
血を見るのは、どっち?
赤なだけに‥‥。
しょうもないことを、すみません。

あ、ちなみにこのカゴは、
持参してきたものではなくて、
新井さんたちにお借りしたものです。
どう、似合う?


胞子のために。


わはははは!
3枚目の写真、わはははは!

それはともかく、
このカゴに収穫したきのこを
どんどん入れていくことになります。

新井さんいわく。
「カゴで収穫するのも大事なんです。
 隙間があるでしょ? カゴは。
 この隙間から、収穫したきのこの
 胞子がこぼれるんです。
 それを背負って森を歩けば
 あちこちに胞子がまかれて
 また、きのこが育つ。
 プラスチックの容器に入れていくと
 そうはいきませんよね」

なっるほどねー!
おもしろいなー、
すべてがおもしろい!




あ! 謎の棒!  

いまだに得体のしれない
謎の棒が、きょうもそこに!
かごの中に!

見えそうで見えない!
あの棒の先は何なんだろう?
っていうかそもそも、
何につかうつもりなんだろう?




すてきな、ログハウス。  

新井さん曰く
「これね、
 温泉の入り口に建ってるでしょ?
 あんまり立派なログハウスだから、
 なにかの建物だと思う人が
 多いんですよね。」

で、その実態はトイレでした。

きのこハイクは、
「寄り道上等!」でおもったよりも
時間がかかりますからね。
そして、途中にはありませんからね。

ここは、ひとつ小生は、
寄らせていただきます。




NO電波  

アンテナらしきものはあるけれど、
圏外!
まあ、いいではないですか、
そんなにショックを受けなくても。
電波からも逃げられたということで、
本日も森を満喫しようじゃないですか。
ね。




うふふ。  

まりもちゃん。
高校の修学旅行で
阿寒湖に来たときに、
みんなで買ったんです。
コギャル(死語)的な感じに
女子高生たちがコレを頭につけて
はしゃいでいました。
まぬけです。
前日の夜、部屋に戻ってから
買いに走りました。
友人の分も、たくさん買い込みました。
みんな大喜びでした。
阿寒湖に遊びに行った際には、
ぜひお土産にオススメします。
その修学旅行

その修学旅行のことは、
ここのコンテンツに書かれている。
阿寒湖のことはでてこないけどね。
北海道旅行だったんだね。




ガンマン。  

のあとについて歩いていたら、
急に撃たれました。

とくに言葉を発することもなく
二発撃たれました。

その姿は夕陽の、いや、森のガンマン、
クリント・イーストウッド。
あの口笛が聴こえてくる・・。

入森。

というか、「入森」です。
「入森」は「にゅうしん」と読みますが
ゆーないとさんの造語で
そんな言葉はたぶん世の中にありません。
でも、よく伝わるのでいいと思います。

さあ、入森! きょうも入森!
しあわせだよおー。






パスタにしてぇ!  

オンネトーの遊歩道の入口には、
清らかな水がながれていて、
その水がたまっている
淵のようなところに、
クレソンがたくさん生えていました。

クレソンといえば、さんが、
よく会社のとなりにある
パスタ屋で
「クレソンのクリームソース」というのを
注文していて、しみじみと
「おいしいなあ!」と言っているのを
思い出して、ふと振り向いてみると、
「クレソンだあああああ!」といって
すこし興奮していました。

好物がというわけではなく、
食べられるものが生えていると
人はけっこう興奮しますね。
太古の狩猟と採集の記憶が
呼び覚まされるのですかね。

クレソンは、いい。


そう、好物です。
でも植物採取はNG。
きょうはきのこがターゲット。
さあ、どこだマイタケ!
ヒラタケはいねがあ!
雨に煙る森。  

聞こえるのは
レインジャケットのこすれる音と雨の音、
そして自分たちのしゃべる声
(一部にわか東北弁)だけ。

さあ、今日はどんなきのこたちと
出会えるのでしょうか?!
森に入った直後の様子を動画でどうぞ。

東北訛り。

ふるってるなぁ、社長の東北弁。
「ちのごそのものは、
 いっぱいあんだけどねぇ!」
イントネーション、濁点のつけ具合、
完ぺきな仕上がりと言っていいでしょう。

ちのごはいっぺえあるけれど、
俺たちが食べられるちのこさ
見つけようど思うど、これ、
なっかなが見つがらねえもんだなぁ!


アクアリウムの世界。  

1日目から思っていたのですが、
実はこの森の景色が、
ネイチャーアクアリウムの世界にしか
見えないのです。
(詳しくは
 このあたり
でタナカカツキさんが
 熱く語っています)
これは、「詫び草」というものにしか
見えない。
しかも雨が降って、湿気満載で
ますます水槽の中のようです。










地衣類?  

「ハナゴケ」という名前を聞いて、
こんなにふわっふわのコケがあるのか!
と驚きました。
でもこれはコケではなく、
地衣類というものだそうで。
地衣類‥‥。
またもやソソる呼び名ですね。
地衣類。
聞いたことはあるけれど、
正確な意味は知りません。
どういうものが、
地衣類というのでしょう??

おしえてー、新井さーん。


ハナゴケ(地衣類)  

ハナゴケは、
名前にこそ「コケ」とありますが、
実は、苔類ではなく、
地衣類です。

地衣類とは、簡単に言うと、
きのこの仲間の菌類と
植物である藻類の共生体。

例えるなら、
大家さんである菌類の家に
間借りしている藻類が
光合成によって
エネルギーをつくりだし、
家賃として収めている、
とでも言いましょうか……。
外観も名前も「コケ」ですが、
菌類に分類されます。

阿寒の森では、
地衣類の種類も豊富なので、
きのこが好きな人にも、
コケが好きな人にも、
ぜひ、
注目していただきたいと思います。

(写真/新井文彦)


これは
いけるでしょう?!
 

これ、なんかおいしそう!
ザ・きのこな感じじゃないですか。
さっとあぶって塩でもつけて
いただけば‥‥
あ、食用かどうかは不確実‥‥。
こんなにおいしそうっぽいのに?
‥‥了解です。
「疑わしきは食せず!」
これは森の掟!
みなさんもゆめゆめ
おろそかにされませぬよう。
ほんとに危険ですからね!

せんべいっぽい!

あらためてこのきのこをみると
せんべいに見えてきました。
ちょっと甘めのやつ。


ツヅレタケ  

二日目は、雌阿寒岳山麓の森へ。
アカエゾマツの純林あり、
広葉樹林帯あり、
針葉樹と広葉樹が
入り交じった針広混交林ありと、
変化に富んだ
森の形態を見ることができます。

きのこ狩りの何よりの楽しみは、
食用の、しかもおいしいきのこを自ら、
見つけて、採取して、食べること、
と思われがちですけど、
ぼくにとっては、
きのこを通じて、というか、
きのこ目線で、
森や自然にふれあうのがいちばんです。

そういう意味で、
阿寒の森は見ごたえあり。
原始性、多様性は、
本当に素晴らしいです。

このツヅレタケは、
針葉樹の森で見かけます。
名前の「つづれ」は
「つづれ織り」ではなく、
難しい漢字の「襤褸」、
つぎはぎのぼろ着物、
という意味のようです。

傘のふちに被膜の名残が
ぶら下がっている様子は、
ぼろ切れのように
見えないこともありませんが……。

(写真/新井文彦)






食べられるか
食べられないのか。
 

小雨の中を前へ前へと進むわれら。
きのうの森と比べると
高低差もすくなく、歩きやすいかも。
小雨の湿り気もいい感じ。
木々がけっこう、
雨粒をガードしてくれるんです。

視線を下に向ければ
次から次に、いろいろなきのこさんが。
きのこといえば、気になるのは、
「食べられるか食べられないか」
ですよねー。
きょうは食べますからね!
狩りですからね!

あ、またキノコ。
‥‥これは? クロチチタケ。
で? ‥‥食べるには不適切。
残念!

(食べられるきのこを探しながら、
 つづきまーす)
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2010-11-26-FRI
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN