みんなで行った、 阿寒きのこの森。
8 1日の終わりに。

疲れを知らない子どものように、
みんなで阿寒の森を歩き続けました。
きのこはもちろんすばらしく、
きのこ以外のものもすべてがすばらしく‥‥。
ゆっくり近づく日没に追いつかれない時刻に、
われわれはひとたび、森を出ることになります。

 




ぼちぼち。  

このあたりから、
森の入り口へ引き返すことになりました。
新井さんのあとについて、
森で迷子にならないように。

帰り道でも新たなきのこがみつかります。
わー、これはでっかい!






おもしろ父さん。  

何かを手にすると、
何かをしないと気が済まないタイプの
お父さん。

これをね、こうやって、
「プップップー」
ラッパかい!

あとね、これをこうやって
「でっかくなっちゃった」
耳かいっ!






いやいやいや!  

ぼくばっかり
悪ふざけしてるみたいに
写真をアップしてますけれど、
ねえ、ゆーないとさんよ、
あなただって、ほら!
何かを手にしたら、
こんなにも
何かをやらずにいられないタイプ!

ヒゲかい! 帽子かい!

ていうか、
このあとしばらく頭にのせたまま
ふつうに歩いてたのがすごいわ!

気に入った。

この帽子、気に入った。


フジウスタケ  

シメジやイグチの仲間など、
典型的なきのこの形をしている、
いわゆる
ハラタケ類のきのこと違って、
フジウスタケなどが属する
ヒダナシタケ類は、
個性的な形をしている
きのこばかり。

フジウスタケも、
傘と柄がほとんど一体化して、
「普通」のきのこのイメージとは
かけ離れた、
まるでコップのような形をしています。

同じような形をしたウスタケは、
色がもっと派手で、
ちょっと小型です。
ウスタケ、フジウスタケともに、
毒きのこなので、
ゆめゆめ食するべからず。

(写真/新井文彦)


森のなかの
新井さん。
 

が撮った新井さんの姿です。

あたりまえのことですが、
新井さんがいない状態で
ぼくらが突然この森にやってきても、
こんなに感動はできなかったわけで。

まだ森歩きの途中ですけれど、
新井さん、ありがとうございます!


あのねのね、倒木の根。  

新井さんが写っている
の撮った写真の奥にある
倒木の根がね、
ものすごいことになってるんです。
倒れきってないの。
根がすごすぎて。
ものすごい立派。
はい、この根に拍手!
パチパチパチ。
賞賛の嵐を送りたいですね。
ひゅうひゅうっ。


蛇肌で、鳥肌っ!  

この、苔!
ダメな人は、かなりダメでしょう。
ちいさなつぶつぶが、びっしり。
ぞわわわわ〜!
ぼくもちょっと、これは鳥肌もの。
蛇苔(ジャゴケ)っていうんですって。
なるほど、ヘビのうろこみたいな‥‥。
ぞわわわわわわ〜!

いいわ〜〜。

このコケは、ヘビのことを
知ってたんだろうか。
知らなくてヘビに似たのか、
ヘビがコケに似たのか、
ヘビにもコケにも両方便利な
形状だったのか。
よくわからないけど、
気持ち悪さから
目が離せない系で、
だいぶじっくり観察しました。


ジャゴケ(苔類)  

湿った地上や、岩の上などで、
ごく当たり前に見ることができます。

名前のごとく、
ヘビのうろこのような模様が特徴。
春から秋にかけては
鮮やかな緑色をしていますが、
寒くなると、
紅葉したみたいに赤くなったりします。

写真撮影的には、
苔ときのこの相性は抜群。
きのこを主役にしたい場合、
苔は、
きれいなカーペットの役割を
演じてくれます。

(写真/新井文彦)








もうすぐ出森です。  

出森(森を出ることの造語)前に、
ちょっと座ったり、
自由に周りを探検したり、
うっとしたり、していました。
みんな、のびのび、
いい表情してるぅ。
わたしはうろうろした後、
深呼吸しながら、
寝っころがっちゃいました。
上空も、最高な眺め。

写真2枚目は、
寝っころかっがたまま撮った
の姿ですが、
このあと彼はこのまま、
静かに目をつぶり、
「努力」
(弊社では「居眠り」のことを
 しばしば「努力」と呼びます)
をしていました。
森の音を聞きながらの「努力」は
超ウルトラスーパーミラクル贅沢!

最高の自由。

この小さな橋のところまで
戻ってきたときに、
イトイさんが言いました。
「ここからあまりはなれないようにして、
 各自、自由時間にしましょうか」って。
あのひとことに、しびれました。
「自由な時間だなあ」と思っていたのに、
さらに「もっと自由にして」と
言われたわけだから。
最高ですよ。
ま、それで最初にしたことは
睡眠だったんですけどね。

思い思い。

川にはいったり、コケを観察したり、
寝たり、ぼんやりつったってたり。
そして、きのこの裏側を
思う存分観察しました!
あまりの気持よさに。  

もりでぶらぶらしていたら、
木によりかかって、
うつらうつらするひとを発見しました。
動画でおたのしみください。



夢?

なんだか、口をもぐもぐさせています。
きっと、おいしいきのこを食べてる
夢でも見てるんでしょうか。

森での睡眠要注意。

わ、こんなふうになってたのか!
はじめてみました自分の睡眠動画。

それはともかく、
森で地面に座って眠るのは
たしかに気持ちいいけど
ちょっと怖かったです。
おしりからどんどん
体温をうばわれていく感じ?
ぼんやりとした意識の中で、
さっきのシカの白骨を思い出し、
急に怖くなって立ち上がりました。
「森に侵食される!」
そんな恐怖が背中を走ったんです、
いや、ホントに。

あんがい冷える。

のちに、氏は、
「やっぱ、土の上は
 あんがい冷えるから
 きをつけようとおもった。」
という趣旨のことを説明してくれました。


ヤマネ!  

こんな写真、
撮ろうと思っても撮れないですよ。
たくさんの植物が茂っている倒木の
裏にまわって
隙間から顔を出してるんです。
ヤマネみたいだ!


森の妖精!  

こっちも。
川に渡る倒木に
ちょこんと座る森の妖精。
この微妙な手の角度がポイント。




川に、IN!  

撮影はイトイさん。

自由時間、
川にINしていくさん。
たっのしそー!
フリーダムー!
この直後、長靴の中に水がIN!
でもそれもまた、たのしいよね!

ちべたい。

川の水は、ちべたかった。
でも、うれしかった。


思わぬ笑顔。  

ひとりで川にINして
自由にじゃぶじゃぶ遊んでいたら、
「はい、山下さんこっち向いてー」
と社長に声をかけられ、撮られた1枚。
「はははは、いいねえ、いい笑顔。
 みんないい顔してるねえ」
社長は笑っていたけれど‥‥。
ほんとだ、これはまた、
われながら、ふくふくとした笑顔。
森ってすごいなぁ。
‥‥というか「この森」はすごいなあ!






やっぱり
ここからの風景。
 

この森に入って、
最初にを感動させた
この小さな橋からの風景。
時間が経って、
先ほどとはまた違った雰囲気です。
‥‥やっぱりすばらしい。

じいっとみてると、
また目から水が出てきそうになります。
こころのなかで勝手に、
この橋を
「泪橋(なみだばし)」と名付けました。




1日目、終了!  

というわけで、森を出てきました。
みなさんお疲れ‥‥
あ、疲れた様子はないみたいですね。

ひとたび解散。
宿に戻り、お風呂に入って食事して
それぞれの部屋に戻りました。
しばらくして、
が「今日のダーリン」の
原稿を送信していることに気づきました。
ぼくらは夜の宿でもう一度、
あの森を訪れた気持ちになりました。
こちらでお読みいただけます。

さあ、あしたは別の森です!
おやすみなさーい。

(つづきます!)
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2010-11-25-THU
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN