みんなで行った、 阿寒きのこの森。
15 森の終わり。

自分たちが採ったきのこで「汁」をつくるんです。
阿寒湖畔という最高のロケーションで、
さあ、下ごしらえをはじめましょう!
‥‥あれ? その堂々とした、きのこは? 
なんと! 「きのこ界の大物」がゲストに!

 




来た!
どしゃぶり!
 

朝、オンネトーへ出発してからずっと
「いやじゃない程度」の
小雨が降り続いていましたが、
森から阿寒湖畔にもどる
車にもどったところで、
雨が激しくなってきました。

「もしも、朝からこの雨だったら
 森歩きは中止でしたね。」
と、新井さん。

あああああああ!
よかった!!!!

あ、でもこれじゃあ
きのこ料理を野外での野望は?
おじゃん?

バケツ。

バケツをひっくり返したような雨
とは言いますが、これこそまさに。
せっかくここまで来れたのに!
と、お先真っ暗になりましたよ。




晴れた!  

湖畔での料理はむりかなー
とあきらめかけていたら‥‥
なんじゃこりゃ?
うそみたいに、さーーーーっと晴れた!
洗われたような青空が。
ああ‥‥なんていう順調な展開!

ちなみに2枚目の写真。
「あの矢印はなんだろう?」
とつぶやいたら、
車中ほぼ全員が知っていました。
雪が積もって道が見えなくなったときの
「ここまで道路ですよ」
のしるしなんですって。
なるほどねー! 知ってました?

そんなの

常識だよ!






井。  

「阿寒ネーチャーセンター」へと
戻ってまいりました。
稜さんのお兄さん、安井岳さんが
笑顔で出迎えてくださいます。

ところで、
新井、安井、糸井。
3つの「井」がそろってますね。

「井」というカタチのものには、
きのこ汁の鍋が
きちんとのっかりそうですね。
食べることで頭がいっぱいですね。

パティシエ

さっき休憩したときに食べた
スコーンを作ってくださったのはこの方。
笑顔がまぶしいっす!




ホワッツ ディス?  

が大喜びで
撮ってっくださったものなんですけど、
これ、なに???

帽子? かぶっていい帽子?
傘??
お面?
何きのこ?
何だけ?

初めて見たーーーー!


ブツブツこうかん。  

こちらは、新井さんや
安井兄弟のおともだちで、
アイヌ料理屋「ポロンノ」のマスター、
郷右近好古さん。

われわれが森から戻ってきたのを
聞きつけて、
前日までに収穫していた
まいたけをおすそ分けに
きてくださいました。

おかえしといってはなんですが、
われわれの収穫である
「ホウキタケ」をどうぞ!
という瞬間です。

でかすぎる。

こんなに大きなまいたけが
見つかったら
さぞかし、舞うだろうなぁ。






阿寒湖への道。  

こっちで合ってるのかなぁと
不安になりつつ林の中を歩いていたら、
あ!見えてきました阿寒湖です!

そこには先に着いていた3人の姿が。
それぞれただ茫然と湖を眺めるばかり。

いままで雨の森の中を歩いていた
僕らにとってはものすごいギャップ!
阿寒湖、ひれぇー!

なじみ。

みんな長靴姿がすっかり
なじみましたよねぇ。
なんか、ずいぶんかっこよく
写してもらっちゃって。
ヒュー! キャメラマン!


阿寒湖の景色。  

これはイトイさんが撮った1枚。

湖畔にはほとんど人がいなくて、
この景色がずっと貸し切りでした。
なんという贅沢。




ぼちぼちと。  

さあ、料理の準備をはじめましょう。

バーベキューを始める前とかに
よく感じるんですけど、
「ぼちぼち始めますか」みたいな
こういう時間独特のゆるさが
僕はすごく好きです。

そして稜さんはなぜか半袖。
僕らはカッパを二重に着るほど寒いのに・・。
さすが地元!




ぼくらが
狩ったきのこ。
 

こちら、
ぼくらが狩ったきのこ
コーナーでございます。

こうしてみると
なかなか色とりどりで、
けっこういい感じなのでは?

ホウキタケという大物が
とくにすばらしいですねー。








下ごしらえをします。  

採取してきた
「たべられるきのこ」は、
きのこ汁にすることにしました。

そのための下準備をします。

シロヤマイグチは、
茎の部分をとって、
傘の下の部分をはぎとります。

ホコリタケは、硬い外皮を
はいでいきます。

そうそう、きのこ狩りというと
みつけたきのこを全部採ってきて、
あとで新聞紙の上に広げて
食べられるものとそうでないものを
分類する、
というやり方だと思っていたのですが、
新井さんは、
「たべられるきのこを
 たべられる分量だけ」しか採りません。




虫を泳がす。  

そして、きれいになったきのこは、
一回、水につけます。

通常かってきたきのこは、
味が落ちるということで
洗ったりはしないと
本には書かれていますが、
自然のなかで採取したきのこには
虫がいることが多くあるので、
いったん水につけて、
虫を追っ払ったほうがよい、
ということでした。

ここで私は気が付きました。
「虫は全部取りきれない」
ということを。
なので、考えないことにしました。
どうぜ、熱でやられているはずだし。
いや、考えないことにしたんです。

野生のきのこ。

皮をはいだり、水につけたり、
自分たちが普段いかにきれいにされた
きのこを買っているのかと
思い知らされた瞬間でしたねー。
虫のことは、そう、忘れましょう・・。

模様でしょ?

そうですよ。
小さい黒い点々の模様でしょ?


応援きのこ。  

私たちが阿寒湖にくる前は、
きのこにとって悪天候がつづき、
つまり、すばらしい
秋晴れがつづいていたのだそうです。

新井さんたちは
「このままでは、たべられるきのこの量が
 確保できないかもしれない。」
ということで、
あらかじめきのこを確保しておいて
くれたのでした。

応援きのこたち。
この立派な、
「ハタケシメジ」と‥‥‥‥。




よ、スター!  

ゆーないとさんが持っていた
巨大きのこの正体は、
なんとマツタケだったのでした。
もちろん、北海道で採れたもの。
こ、こんな国産マツタケみたことない!

新井さんたちが用意してくださった
「サプライズきのこ」。
ああー、びっくりしたあ!

「よ、きのこ界の、スター!
 調子のんなよ(笑)
 そんな調子のってると食べちゃうよ」

ゆーないとさんが、実にうれしそうに
スターをからかってました。








きのこ頭。  

こうして並べてみてみると、
「マッシュルームカット」
という髪型の名前が
いかに適切かがよくわかります。
まるで3つのきのこが並んでいるよう。

ゴキゲンな社長は、熱唱中。
たしか吉幾三のナンバーでした。

かさが開いたマツタケは
香りがちょっと‥‥と聞きますが、
こんなに開いているこれも、
そうとう良い香りでしたよ!?

「酒よ」

社長の吉幾三は「酒よ」です。
目に入ったものをはしから
「酒よ」の曲にのせて歌ってました。

わかりやすく。

友人に見せると、
わかりやすくうらやましがる
写真ですよね。これ。
まさかマツタケだなんてね。
あややさんには、首をしめられました。
ちのこ、でっけーーーー!




マツタケご飯に!  

「大きめのマツタケは、
 マツタケご飯にしましょう」
新井さんの発言に、全員が、
「おおーーー!」
「やんや、やんやー!」

ぱっくりと割って、
手で裂いていきます。
その裂き心地が、きもちいいー。
しあわせ。  

マツタケを裂きながら
幸せにひたる3人。

「調子にのるなよ」と
たしなめるように、
いいタイミングでカラスが鳴きます。


きのこ投入。  

鍋の中には、
ぼくらが狩った「素きのこ」と、
応援きのこのハタケシメジなどが
すでに投入されています。
いままさに複雑な出汁が出ているはず。

ぐつぐつぐつ‥‥。
しばし待ちましょう。

ちょっぴり心配。

そうなんです。
いろいろな種類すぎて
味がまじりあいすぎて、
複雑な味になってるんじゃないかと
ちょっぴり心配でした。
ここでは、ね。


















舞え!  

鍋が煮えるまで、なにして遊ぶ?
あ、そういえば、
さっきマイタケをわけてもらいましたよ。

マイタケ=舞茸。
名前の由来:
大きく育った子実体の姿が
まるで人々が集まって群舞している
ようであるからだという説と、
野生の子実体を発見した人々が
その喜びのあまり
舞いあがったからという説がある。
(出典/Wikipedia)

というわけで、
さあ、ゆーないとよ、
思う存分舞うがいい!
東京から持ってきた「トリ」と、
その手ぬぐいを持って、
きのこの周りで舞うがいい!

わははははははは!
長い! 舞いが長い!

「面白いキノコ舞踊団」
ゲリラ・ソロ公演@阿寒湖畔。

はつらつ。

見てください、この溌剌とした笑顔。
たまたま持ってた手ぬぐいを
新体操のヒラヒラみたいに動かして
舞うわ、舞うわ。

森の中で見た舞の完全版は
こういうことだったんですねー。

(舞ってる間もぐつぐつ煮えるきのこ鍋。
 明日はみんなで食べますよー。)
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2010-12-07-TUE
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN