漠然とした悩みや考えごとがあるとき、
もやもやした気持ちをぶつけるように
この本に手がのびます。
この本は読者からの質問に谷川俊太郎さんが答える
という本なのですが、質問の内容が秀逸で
共感できる質問が書いてあることもあれば、
バカバカしい質問が書いてあることもあります。
でもどんな質問にも谷川さんは真剣に答えられていて、
読み終えると、ふと身体が軽くなります。
パラパラとめくるのも好きですが、
手に取ると必ず読んでしまうお気に入りの見開きがここ。
質問は、こうです。
「私は適当というかがさつというか、
細かいことを考えるんですけど
途中でもういいや!となってしまいます。
この性格は、気楽でいいなと思う反面、
なおしたいなとも思います。
適当な性格をどう思いますか?」
谷川さんの答が、この見開きです。
「もういいや!」に代わる言葉は「ここらでひと休み」。
仕事で失敗してしまった日、力んでしまいそうな日、
おまじないのように、何度も自分の中で反芻しています。
自分の誕生日のほぼ日手帳にも、書き写しています。
言葉ひとつでこれだけ気持ちが変わるなんて、
谷川さんが言うから、
心に入ってくるのだろうなあと思います。
「ほぼ日」の読者投稿コーナー
「今日の小ネタ劇場」の10年分のアーカイブから、
選りすぐりの傑作ネタを集めた『小ネタの恩返し。』
「今日のダンナ」「今日の通じない話」
「となりの珍名さん」など様々なテーマがあり
それぞれに味わい深いのですが、私は子育て中という
こともあり、「今日のこども」がとくに好きです。
こどもたちの想定外の言動や、逆に「あるある」な生態に
笑ったり、ほろりとしたり。
もう通り過ぎてしまった赤ちゃん時代のネタを
我がことのように懐かしんだり。
まだ遠くに見えるお兄さん、お姉さんの姿に、
ちいさく励まされたり。
涙が出るほど笑う小ネタも大好きですが、
ひとつだけというなら、今はこのページの、魂の叫びを。
ぎゅっと抱きしめられる今を大切にしたいと、
思い出させてくれる投稿です。
ちなみに、夜寝る前に何か読むのが好きなのですが、
「小ネタの恩返し」は、最高のナイトキャップです。
笑いあり涙あり、なにかがじんわり、
ほぐされる気がします。(涌嶋)
失礼ながらほぼ日でよむまでは、
吉本隆明さんという方を存じ上げませんでした。
勉強が苦手なので、ましてや哲学なんて・・・
でも糸井さんが厳選してくださるなら
おもしろいかもなあと思い手に取りました。
このページにある「いろんなことを偉そうに
言うけれど、お前が一番ダメ」というのを
よく自分に問います。
謙虚に考えられなくなったら、いけないなと。
特に子どもに対して、思うかもしれません。
上から、あれやこれやと言わないように、
対等に接しようと気づかされました。
(こいぬ)