そうですね。
書店の棚にこの本が
置かれることを想定すると
続いて2巻、3巻が並ぶ。
あるいは1巻だけで
長いこと本屋に置かれる可能性もある。
どちらであっても
OKにならないと困るんです。
こういう時、
つい網羅的になって失敗することが
技術を持ってる人たちの失敗でよくあります。
例えば巻数が増えていくから
虹の色にしようという案が出たとしても
「虹の色でみんなが必ず好きとは限らないぞ。
並んでから虹の色になるんだったら、
その途中で虹の色になってないときって、
虹じゃないじゃん」
と、ぼくは思うんです。
こっちの頭の中ではすっかり整ってるけど、
お客さんにはその準備ができてないことを
よく押し付けるんですよ、
コミュニケーションって。
それは非常に防ぎますね。
虹の場合だと
「最初から虹の色にしようよ」と言って、
1冊に虹の色を入れちゃうようなことを
ぼくなんかは好みますね。
この表紙の中には、
「この子……この子そんなにスター?」
「第1巻なのにこの感じ?」
という謎があるんです。
ブタフィーヌさんに関して
うちの会社で
よくミーティングのとき言ってたのは
「例えば、うちが
芸能プロダクションだとしよう。
ブタフィーヌさんという子が
道を歩いてたのをスカウトしたんです。
この子をスターにするための仕事が
僕らの仕事です」
という言い方をするんです。
だから、売れないかもしれないと思って
作っちゃいけないというのが、
とにかくうちの約束事なんです。
卓さんにデザインをお願いしたのも
「卓先生をお呼びして
衣装を作ったんですよ」
みたいな気持ちもあるんです(笑)。
こういう説明すると
ちょっと分かりやすいかな。 |