これからのこと、ブタフィーヌさんのこと。

その2 ブー型のブタフィーヌさん。

── 6巻では、おじさんが、
はっきり恋に落ちますよね(笑)。
たかしま はい(笑)。
── ドカーンと。
たかしま そうですね、ドカーンと落ちますね。
── で、おじさんにとっての
ブタフィーヌさんっていうのは、
やっぱり特別な存在で、
ブタフィーヌさんだけに
本当のことを、言うじゃないですか。
たかしま ああ〜。
── 「好きになっちゃったよ」
みたいなこと、言うじゃないですか。
ブタフィーヌさんだけに、こっそり。
たかしま ブタフィーをお風呂に入れながら
ボーっとしてね。
── つい言っちゃう。

▲554話「それなら負けないわよ!」より
たかしま 紫のシャツの人が美容師さんの所に来て、
それでこう、おじさんもちょっとこう、
気持ちが高ぶってしまって、つい。
── その前に「恋わずらい」って、
自分で認めてるんですけどねえ。
たかしま これはですね、
おじさんのモデルになった人物も、
そういうことはめったに
言わないタイプなんですよ。
周りが見てると、
もう完全にわかるんですけど、
言わないんですよ。
一同 (笑)。
たかしま テレて言わないタイプなんですよね。
でも、酒に酔ったりとか、
何かの拍子にポロッと素直なことを言ったりすると、
妙にかわいく思えたりするんですよ(笑)。
だからもう、まるっきりそのモデル通りに。
── ブタフィーヌさん、
僕が心配してたのは、
嫉妬するんじゃないのかなと思ってたんですよ。
たかしま ああ! なるほど。
── でも、焼きもちなんて、焼かないですよね。
それは、「好き」っていう言葉の、
おじさんが思う言葉と、
ブタフィーヌさんが
「アラ、もちろんアタシも好きよ」って言う、
そのすごい素直な「好き」が、
同列にあるからですよね。

▲554話「それなら負けないわよ!」より
たかしま はい。
まあ、どっちが好きかっていうので
張り合ったりはするかもしれないですけどね。
「私のほうが美容師さんのこと好きよ」ぐらいに。
── ふたりをくっつけようとは?
たかしま うーん、でも、
恋とかそういう捉え方っていうのは、
ブタフィーは持ってなくて。
── はい。
たかしま おじさんと美容師さんの恋を応援するとか、
そういうスタンスも取らないんですね、
ブタフィーは。
── ほう。わかってない?
たかしま わかってないです。
ただ、おじさんと美容師さんが仲良くなると、
美容師さんとちょくちょく会えるので
嬉しいっていう、そういう気持ちはあると思います。
── ブタフィーヌさんは、
みんなで仲良くしたいんですよね。
たかしま そうですね。

▲584話「出発進行〜!」より
── まあ、紫のシャツの人と
ワルフィーヌは別として。
たかしま はい(笑)。
── ロナウドの話に戻るんですけど、
6巻で、ロナウドが記憶を取り戻して、
しばらく一緒に楽しく暮らしてるんだけど、
突然、「じゃあ」って‥‥。
たかしま 結構ドライに、出て行きますね。
── 荷物まとめて出て行くんですよね。
あれ、びっくりしたなあ。
もともとドライなんだね、あの子ね。
たかしま そうです。クールなんですよね。
── クールですよね。
たかしま はい。そうなんです。

▲522話「ちょっとちょっと!」より
── あのう、5巻で別れた時も、
慌てはするんだけど。
で、ブタ子、ブタフィーも
ドライなところがあるんですよね(笑)。

▲477話「そっか‥‥」より
たかしま ブタフィーはブタフィーで、
「受け入れる」みたいなところはありますね。
── B型っぽいですよね。
たかしま ほんとに、B型なんです。
B型というか、ブー型なんですけど。
── ブー型(笑)?!
そういうダジャレだったんですか?!
たかしま はい(笑)。
── でも、すごい、人間で言うB型っぽさが
ありますよねえ。
このね、割り切り感とか‥‥、
あの、あくまでも個人的な経験ですけど、
感情が豊かで泣いたり笑ったりしつつ、
例えば、いざっていう別れ話の時とかに、
「あなたのこと嫌いになったわけじゃない。
 しょうがないじゃない。別に好きな人が
 できちゃったんだから、別れましょうよ」って、
すごいドライなこと言ったりするんですよー。
たかしま そんな経験が?
── いや、あの、その。
あくまでも個人的なことで‥‥いやはや。
たかしま はあ〜(笑)。
そうか、ちょっとわかりました、
そういう性格に、僕のちょっとした憧れがあって、
それが、ブタフィーに入ってるかもしれないですね。
割り切って、サバサバというか。
── サバサバしてますよね。
たかしま でも、そのほうが、
絶対なんかこう、楽しく生きられるし。
── そうなんですよねえ。
たかしま そういう生き方への憧れが
ちょっと反映されてるのかもしれないです。
僕A型なので。
── 僕(シェフ)もA型なんですよ。
すっごいうらやましいです。
たかしま こう、ジメジメね(笑)。
── おじさんは多分A型なんじゃないですかね。
たかしま おじさんA型ですね。
モデルもA型です。
── ああ、モデルの方もA型?
美容師さんは、ABかOか。
たかしま ああ〜。
── でも、O型にはない感じのドライさもあるから、
ABなのかなっていう感じもするんですよね。
たかしま 言われてみればABな気がします。
── 急にアメリカ行っちゃったり
するじゃないですか(笑)。
これはね、残念ながら
単行本に収録しきれなかったエピソードなんですけど。
たかしま そうですね。その先の話ですね。

▲678話「美容師さんの重大発表」より
── 6巻では恋に落ちるおじさん。
そして、幸せにみんなで暮らしますっていう、
予感を秘めた終わり方ですよね。
この後、連載では、更なる波乱万丈が待っていて、
それが、美容師さんの旅立ち。
今現在の、これが掲載される9月の頭は
どうなってるかわからないんですけど、
美容師さんはもう帰ってきていますね。
たかしま (笑)そうですね。
いよいよ1000話になるっていうことで、
帰国してくれたんですけどね。
── あ、1000話だから(笑)。
1000話なんですよねぇ。
たかしま ねえ、すごいですよね。
── そういうたかしまさんが描いてるんですよ。
たかしま あはは。
── 何かスペシャルなことがあるんですかね。
── 淡々としてるんじゃないですかね、意外と。
たかしま 逆に淡々としてるのが、
らしいかもしれないですね。
1000話、6巻発売、そして、
すぐにブタフィーの誕生日です。
── 9月8日!
たかしま ふしぎなくらい、いろいろ重なっている。
── ブタフィーヌさんの物語のように。
ひと区切りという意味では
いいかもしれないですよね。
まだまだ「ブタフィーヌさん」って、
すごい動きそうな予感がします。
たかしま これからも頑張ります。
休まず。
糸井さんが前におっしゃってたんですが、
行くと絶対開いてるお店がいいって。
ああ、確かにそうだって、感銘を受けたんです。
── 行くと灯りがついている、
なじみのお店って、嬉しいですよね。
たかしま はい。そういう意味では、
読みに来てくださった方が、
来ていて閉まってたら、なんかちょっと
申し訳ないなっていう気持ちもあり。
自分もそういうお店が好きなので、
そうありたいなと思ってます。
── ブタフィーヌさんはいつもここにいる。
たかしま はい。
── いいですよね。
たかしま そうありたいですね。
もちろん、本当にここまで休みなくやってると、
休みなく続けたいっていう、
そういう気持ちもありますけどね。
── どうか健康にだけは気を付けて、
いっしょに走っていきましょう。
たかしま はい。
(つづきます)
2009-09-06-SUN
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