『ブタフィーヌさん6』をもって最終刊となる、
ブタフィーヌさんの単行本プロジェクト。
たかしまさんといっしょに歩いてきた道をふりかえりながら、
これからのこと、たくさん話しました。
(聞き手はシェフ+べっかむ3です。)
■たかしまてつをさんロングインタビュー
「これまでのこと、ブタフィーヌさんのこと。」も
あわせてどうぞ。
── | 今回の第6巻で、15ページにわたる、 4コマじゃない「ブタフィーヌさん」を 書き下ろしていただきました。 |
たかしま | はい。やってみたかったんです(笑)。 |
── | (笑)自由なコマ割りを? |
たかしま | そうですね。 |
── | コマから飛び出すブタフィー。 |
たかしま | はい。 |
── | そういう意味では結構厳格に 4コマを守ってきていますものね。 やってみたかったんですね。 |
たかしま | やってみたかったんです。 |
── | でも、こう、単行本が最後っていうことで、 大団円的なふうであり、 未来のある話にしたいねって、 たかしまさんと、話してたので。 それと今回、「名入れサイン」を していただくんですが、 これは、たかしまさんに 「何かやりたいことありますか」って尋ねたら、 「本当は、読者の方と会いたいんです」 っていうことをおっしゃったんですよね。 |
たかしま | はい。 |
── | サイン会をするんだったら、 本当は目の前で 「ありがとうございます」って言いたいんです、と。 ただ、なにしろ「ほぼ日ストア」は インターネットのお店なので、 世界中にお客さんがいるっていうのがいいところで、 みなさんに「来てください」っていうわけには、 なかなかいかない。 で、やったことなかったんですけど、 ネットで申し込んでいただいて、 ほんとうのサイン会のように 名前を入れてみたいなあと。 |
たかしま | はい。 |
── | 僕らの今の力で、できるぎりぎりのことを やってみようと思いました。 あと、偶然のように、ストラップができました。 |
たかしま | 嬉しいですねー。 |
── | 大阪でガラス玉の細工物を作ってる会社の社長さんが、 メールをくださって。干支の丑を作ったら、 ブタフィーヌさんにそっくりになったと(笑)。 |
たかしま | 確かにすごく似てました。かわいい。 |
── | ベトナムに工場があるんですって。 で、そこで指導しながら、 ガラス細工をつくっているんですが、 結構辛抱強さが必要な仕事なんだそうです。 |
たかしま | そうでしょうね。 |
── | 社長さん、「ブタフィーヌさん」が好きで、 作業の待ち時間などに、 読んで和んでくださっているらしいんです。 それで、「本来ならば、ちゃんと許可を頂いてから 作るべきなんですけど、私の思いつきで」って、 ブタフィーヌさんのストラップを ガラス玉でつくってくださった。 |
たかしま | すごいですよね。 |
── | それが本当にいい出来で。 こんなに再現できるんだと思って。 |
たかしま | はい、ガラスで。 本当にかわいいんですよ、これ。 |
── | かわいいですよね、 コロコロコロって。 |
たかしま | ビー玉みたいで。 コロコロコロ(笑)。 いやあ、これはよくできてます。 単純な顔なんで、 ちょっと目の位置とか違うだけで 全然違っちゃうんですよね。 それをうまく、バッチリに 作ってくださってる。 |
── | それを、6巻の、 「ほぼ日ストア」の特典にしようと いうことになりました。 で、最初に話した、 バンプレストさんのぬいぐるみ、 ロフトさん用に作ったものなんですけど、 うちでも500体、仕入れることにしました。 |
たかしま | こちらも、顔もバッチリです。 |
── | 顔バッチリですよね。 ガラス玉といいぬいぐるみといい、 ほんとに立体に向いていますね。 |
たかしま | 前脚もバッチリです。 ちゃんと、ブタフィーの前脚になってます。 |
── | さらに、バンプレストさんが 同時につくってくださった ぬいぐるみのストラップ2種類は、 ロフトさんだけの販売になります。 |
── | で、さらに、その巨大なブタフィーは、 バンプレストさんのスペシャル特典で、 ブタフィーヌさんのぬいぐるみとストラップに ついているアンケート応募サイトへの アクセスコードからアクセスして、 答えていただいた中から、 6巻発売記念66名様にプレゼントとなります。 |
たかしま | おおー。 盛りだくさんですね。 |
── | 盛りだくさんです。頑張りましょう。 この後、「ブタフィーヌさん」はどうなる‥‥ っていう質問は、野暮だなあ(笑)。 例えば、たかしまさんが実はこっそり決めている 新しい登場人物がいるだとか、 ちょっとおもしろい展開を考えてるんですよ、 とかってあるんですか。 |
たかしま | これは、そうですね、 出てくるかどうかはまだわからないんですけど、 美容師さんが手伝いに行っていた、 アメリカの美容室のオーナーさんがいるんです。 |
── | いるんだ! |
たかしま | はい。 美容師さんの修行時代の友人なんです。 美容師さん、アメリカで修行してたんで。 イメージとしては、 ふわふわの金髪のアメリカ人なんですけど。 |
── | アメリカ人なんだ。 |
たかしま | はい。 で、彼女のお店、潰れちゃうんです。 |
── | 潰れちゃうんですか! |
たかしま | 潰れちゃうんですよ。 |
一同 | (笑)。 |
── | これ、書いてもいいんですか。 |
たかしま | はい。で、美容師さんを頼って 日本に来るのかな、 どうなのかなっていう感じですね。 |
── | はあ!!! じゃ、美容師さんとおじさんが どうなるかも、たかしまさんはわかってるんですか。 |
たかしま | うーん、それはどうなるかっていうのは、 わからないんですけど、 多分あの2人は、まあ、 今の感じが一番幸せだと思います。 あの距離感っていうか。 |
── | あの距離感が。 モヤモヤしてますよね。 先が、おもしろそうです。 「サザエさん」で言うと、 タラちゃんがいるじゃないですか(笑)。 |
たかしま | タラちゃん? |
── | つまり、独身だったサザエさんに、 お婿さんが来るわけですよ。 マスオさんという。 で、タラちゃんが生まれるんですよ。 ていうようなこともあるのかなと思って(笑)。 |
たかしま | ああ〜。 |
── | その表情からすると なさそうですね。 |
たかしま | ふふふ、どうでしょうね。 いまは、あのふたりが 結婚するっていうリアリティーが 僕の中でないんですね。 |
── | あのふたりが決めることなんですね、きっとね。 |
たかしま | 本当、そうですね。 美容師さんが帰ってきて、 近くで生活を始めたんで、 今後どういうふうになるかは。 美容師さんのほうはちょっと積極的というか。 |
── | 恋に対して臆病じゃない人ですよね。 |
たかしま | そうなんですよね。 実際は本当に好きになった人を目の前にすると、 ちょっとこう、乙女になってしまうんですけど。 でもまあ、しばらくはあのままなんじゃないのかな。 美容師さんも、また日本でお店を頑張ろうっていう 気持ちもありますしね。 |
── | なるほど。 やっぱり「ブタフィーヌさん」の中に出てくる それぞれの人たちの距離感っていうのが、 おもしろいですね。 一貫してある距離を保っているというか。 ロナウドとブタフィーヌさんもそうだったし。 |
たかしま | はい。 |
── | ひとりひとりが、シャキッとしている故に、 保てる距離感なのかな。 誰かに頼ってる関係ではないけど、 一緒にいるのが楽しくている、みたいな。 |
たかしま | まあ、あの世界のコアは、 ブタフィーとおじさんっていう ふたりの関係ですから、 そこは、守りつつ、 周りの人がこう、動いていってくれたら、 っていう感じですね。はい。 |
── | これからも、引き続き、 連載を楽しみにしてます。 |
たかしま | こちらこそ、楽しみにしてます。 ありがとうございました! |
── | あっ! |
たかしま | どうしたんですか。 |
── | いま、撮った写真、 ブタフィーが笑ってます! 目、目、目。 |
たかしま | え? |
── | 目。ブタフィーの目。目が。 |
たかしま | ほんとだ、笑ってるみたい。 おお〜。すごい。 |
── | 喜んで聞いてくれてるみたいな感じですね(笑)。 |
(おしまい) | |
2009-09-07-MON |
その1 「日常」がいちばん好きなんです。 |
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その2 ブー型のブタフィーヌさん。 |
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