1周年と東京凱旋を記念して 『ZED』&『コルテオ』 広報対談。
2 公演中、なにか変化したことはありましたか?
── シルク・ドゥ・ソレイユのショーを
日本で実現させるにあたって
苦労したことを教えてください。
たくさんあると思いますけど‥‥。
浅野 そうですね(笑)。
中村 (笑)
── じゃあ、意外にこんな苦労が‥‥
という話でお願いします。
中村 じゃあ、私からいいですか。
あの、劇場の設計なんですけど、
『ZED』のシアターというのは
東京ディズニーリゾートの中にあるんです。
つまり、東京ディズニーランドとか、
東京ディズニーシーとか、イクスピアリとか、
そういう、ディズニーの世界観だけで、
ある種、完結している街の中にある。
当初は、その完成されたディズニーの世界に、
どうやってシルク・ドゥ・ソレイユという
新しいブランドの建物を
とけ込ませればいいか、議論を重ねました。
── あー、なるほど。
まったく浮いてもよくないし、
馴染みすぎてもいけない。
中村 そうなんです。
来ていただいた方はご存知かと思いますけど、
完成した『ZED』のシアターは、
直線を複雑に組み合わせたものなんですね。
一方、東京ディズニーリゾートの建物って、
丸っこいものばかりなんです。
そこをちょうどいい加減で調和させることに
かなり苦労しましたね。
── なるほど。
中村 あとは、『ZED』という正式タイトルが、
なかなか決まらなかったこと(笑)!
けっきょくトライアウト公演のチケットは
正式タイトルが決まる前に
発売しなくちゃいけなかったので‥‥。
浅野 それはたいへん!
中村 たいへんだったんですよー。
まぁ、それは販促担当者としての
ちょっとした苦労話ですが(笑)。
── 浅野さんはいかがですか?
浅野 うーん、あんまり
おもしろい話じゃないんですけど、
やっぱり、ショーの楽しさを伝えることと、
チケットを売るということの違いというか、
そのへんがやっぱりたいへんですね。
私たちからすると、
「とにかくいいショーなんだから、
 楽しんで観てもらいたい!」
みたいな感じで展開を考えちゃうんですけど、
うちの会社にはずっと昔から
イベントのチケットを売ってきた人がいるので
「そんな甘いことじゃダメだ!」
みたいなことを言われたり。
「1公演とか2公演で
 終わりじゃないんだぞ!」とか。
中村 あーー。
── そうかー。
浅野 だから、なんていうんでしょう、
古くからの蓄積のある人たちの
意見を信じつつも、きちんと説得はして、
新しい視点を入れていく。
そういう苦労がずっと続いていますね。
中村 はぁーーー。
勉強になります。
浅野 (笑)

(つづきます)
広報は撮った!  『ZED』と『コルテオ』の舞台裏
『ZED』広報・中村さんが撮った1枚
タイトル「ウォール・オブ・フェイム」
これは、シアターのバックステージにある
廊下の壁なんですけど、
「ウォール・オブ・フェイム」と呼ばれていて、
『ZED』に出演したアーティストと裏方スタッフ、
全員の顔写真が飾られているんです。
100名ぐらい飾ってあるのかな。
こういう壁は、『ZED』だけではなく、
常設のシアターだとどこにでもあるそうです。
残念ながら、シルク・ドゥ・ソレイユ以外の
日本人スタッフは飾られないので、
私の写真はありません(笑)。
『コルテオ』広報・浅野さんが撮った1枚
タイトル「秋分の日のキッチン」
テントに併設さているカフェの写真です。
ちょうどこの日は秋分の日だったんですけど、
「秋分の日」っていうものが日本独自のもので
なんだか興味深かったみたいで、
こういう、謎の、ディスプレイに(笑)。
そういう「和」のものって、けっこう人気ですよね。
たぶん、夏至と冬至が示してあって、
ここが秋分の日だよっていうことだと思うんですけど。
大仏? いや、よくわからないんですよ(笑)。

2009-11-18-WED