東京カリ〜番長・水野仁輔さんが選ぶ カレーの思い出。
#その5

こんにちは。
最近、よくみそ汁を作ります。
合わせみそに赤だしをほんの少しだけ混ぜたのが好き。
具は、お揚げと豆腐とわかめ。
みそを入れてお湯で溶くときには、
もちろんお玉の中にみそを入れ、
菜ばしでかき混ぜながらそーっと鍋中に流し込む。
これが定番のやり方ですよね。
でないと全体にみそがなじまないし、
豆腐がぐちゃぐちゃに崩れちゃう。
そんなことを考えながらみそ汁を作っていて、
はたと気づきました。
そういえば、カレールウでカレーを作るときには、
なぜ、このスタイルが定番になってないんだろう?
「火を止めてルウを溶かし混ぜる」
というのが鉄則ではありますが、
火が止まっていればあとはルウをポンと加えて
乱暴にかき混ぜてしまう。
だから、溶け切れなかったルウがなべ底に残っていたり、
じゃがいもにくっついたままだったり‥‥。
僕はよくレシピ本などでは、菜箸でルウをつまんで
しゃぶしゃぶすることをオススメしていますが、
みそ汁スタイルでルウを溶くやり方を
これからはプッシュしていこうと思ってます。


021
みのしぃ/女性/45歳/札幌市

カレーは子供の頃から好きです。
それこそ三日三晩カレーでもいいぞ対決をしたら
勝てる自信があります。
両親共働きだった私は保育所通いでした。
救世軍のその保育所は金曜日は
お弁当箱に白いご飯だけ詰めて行けば
お昼は決まってカレー。
甘口のカレーを持ってきたご飯にかけてくれて、
福伸漬けも出されてたような気がします。
福伸漬けの記憶は曖昧で、
他の曜日に何をお昼に食べていたのか
記憶に無いのですが、
離婚して実家に戻った私は母が作る中辛のカレーを
冷めた白いご飯にかけて食べるのが好きです。
アツアツの炊き立てご飯ではなく、
冷めてしまったご飯にほどほどの熱さのカレーをかける。
カレーだって凝ったものではなく、
市販のルーを2種類混ぜて作る
豚肉とじゃがいもとにんじんと玉ねぎの。
夜勤で弁当にカレーを持って行っても
レンジであっためるのはカレーだけ。
結婚する前に作ったもので
一番に喜んでくれたのもカレーだったっけ‥‥。
カレーひとつでも、
次から次へと思い出が出てくる年になったんだなぁ‥‥。

お弁当に白いご飯だけ詰めて持っていけば
カレーをかけてくれる。
なんて素敵なカレー弁当!
ワクワクしますね。
その原体験がずっと頭の片隅に残っているから、
冷たいご飯に熱々のカレーがいいんでしょうね。
カレーはたいていの場合、夕食に食べますよね。
そうすると翌日の朝食に残りを食べることになる。
そのときに選択肢は3つあるんです。

(1)冷たいご飯に熱々のカレーをかけるパターン
(2)熱々のご飯に冷たいカレーをかけるパターン
(3)熱々のご飯に熱々のカレーをかけるパターン

さて、みなさんは、どれが好きなんでしょう?
「冷たいカレー」というのは、
過去にメーカーから
レトルト商品化されたことがありますね。
僕は、やっぱり(1)かなぁ。
あの“冷たい”と“熱い”が口の中で混在する感じが
たまんないんだよなぁ。

022
野々/女性/19歳

私は小さい頃、家のカレーは
どうして美味しくないんだろう、と思っていました。
お店で食べるカレーは美味しいのに、
家のカレーは変な味で、
私はいつもケチャップをぐるぐるかけたり
変な工夫をして、嫌々食べていました。
でも、急に家のカレーが美味しくなったんです。
きっかけは、私が
「カレーのじゃがいもが嫌いだから入れないで」
と言ったことでした。
私に言われた通りに母がじゃがいもを入れずに
作ったカレーがびっくりするくらい美味しくて!
あの変な味の正体はじゃがいもだったのか!
と衝撃を受けました。
それから私の好物はカレーです。
今では水野さんの『喝采! 家カレー』片手に、
家のカレーは私が監修しています。

カレーに入ってるじゃがいもについては、
意外と賛否両論あるんですよね。
じゃがいもが煮崩れてほろっとして、
でんぷん質が溶け出すから、
とろみが増し、ソースはざらっとする。
あれがたまんなく好きと言う人と、
あれが許せないと言う人がいるんですね。
僕は許せないとか嫌いというほどではないけれど、
なくてもいいかなぁと思います。
にんじんも同じ。
でもインドカレーに
じゃがいもが入ってるのは大好きなんです。
不思議なもんですね。
そんなわけで、僕のルウカレーのレシピ本には、
じゃがいもやにんじんの登場頻度が
低いような気がします‥‥。


023
ぴーちどーる/54歳/農業

ほとんど料理をしない主人が、
一度だけカレーを作ったときのこと。
CMをまねて、わざわざリンゴとハチミツを入れました。
「よ~し、もっと栄養をつけるからね」
調子にのって、ニンニクまで
すり入れてるではありませんか。
家族の不安は的中しました。
ひとくち食べたら、もうたくさん‥‥
「オレの作ったカレーをバカにするのか!」
でも、そう言う主人のカレーの量は、
なぜか少なかったです。

なぜかカレーを盛る量が少ない(笑)。
きっとご主人が一番へこんだんでしょうねぇ。
気持ちはすごくよくわかります。
自分が作ったカレーの味がイメージしていたものと
違っていたとき、たとえようのない挫折感に襲われます。
それがおいしくなかったら救いのない状態になりますが、
仮においしかったとしても僕は手放しに喜べない。
自分がカレーの味をコントロールできていないことに対して
ガッカリしてしまうんです。
りんごもはちみつもにんにくも、
おいしいカレーをつくるのには
すごく効果的な材料ですよ。
特に欧風カレーの場合は‥‥。
肝心なのはタイミングですね。
にんにくとりんごはすりおろして玉ねぎと一緒に炒めたい。
はちみつは煮込むときに加えるのがいい。
絶対においしいカレーになるはずなんだけどなぁ。


024
セロリ好き/女性/33歳

私の彼は、毎日カレーでもOK!
というくらいカレー大好き。
嫌いなものはセロリ。
「そういうことするとカレーにセロリ入れる!」
脅し文句に使います(笑)

セロリをすりおろして、
玉ねぎと一緒にしっかり炒めてください。
そうしたら、彼に気がつかれずに
カレーにセロリを入れられます。
しかも、いつものカレーより確実においしくなります。
あ、でもダメか。
彼に気づかれなかったら脅し文句になりませんね‥‥。

025
ねずみっこ/女性/26歳

カレー‥‥味の思い出です。
4年とちょっと付き合って2ヶ月前に別れた彼が
私の定番料理、
カリフラワーのカレーピクルスが大好きでした。
毎年クリスマスには黄色のきれいなカリフラワーが、
チキンの彩りとして活躍してました。
カリフラワーがそろそろ出てくる季節。
大好きな味だけど、切ない思い出が加わっちゃいました。

ちなみに作り方は簡単。
茹でたカリフラワーを酢と
カレー粉・塩・コショウを混ぜたピクルス液に、どぼん!
カリフラワーはかために茹でて、
熱いうちに入れるのがポイント。

おいしそう!
大好きな味に切ない思い出。
複雑ですね。
カリフラワーには罪はないからなぁ‥‥。
もうすっかり春ですが、
また冬がやってきたら作ってください。


いろんな思い出をありがとうございました。
では、また次回。
みなさんの“カレーの思い出”をお待ちしています!

2013-04-09-TUE
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