経営とサッカー。 経営とサッカー。
今度発売される新アースボールは、
なんと本物の「サッカーボール」です!
ちゃんとした規格の本格仕様ながら、
アプリをかざすとAR地球儀にも変身します。

この新モデルのデビューを記念して、
岡田武史さんと糸井重里の対談が
11月17日発売の『Number』で
掲載されることになりました。

猪突猛進で突っ走る岡田さんに対し、
ものごとを俯瞰で観察する糸井。
あちこちに転がったふたりの特別対談、
ほぼ日編集バージョンで先行配信します!
撮影:近藤篤
03 運命のウズベキスタン戦。
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糸井
ドイツにはいつ行かれたんですか。
岡田
結局、10代のときは行かなくて、
大学を卒業したあとに、
サッカーで「古河電工」に入ったんです。
で、選手が終わって社業をやろうと思ったら、
「指導をやってくれ」と言われて、
そこからサッカー指導者になりました。
ただ、そのとき全然うまくできなくて、
このままだとダメになると思って、
家族を連れてドイツに1年留学したんです。
糸井
あ、そこでドイツに。
岡田
ぼくが行ったときは、
ちょうどベルリンの壁がなくなった頃で、
そのときは北ドイツの
ハンブルグという町に行ったんですけど、
当時は不動産屋もないから、
新聞で探して直接電話で交渉するんです。
そのときはドイツ語もろくに話せないから、
ほかの人に勝てるわけもなくて。
糸井
それは何歳ぐらいですか。
岡田
34で現役退いて2年やりましたから、
36、7ですよね。
糸井
そのくらいの歳でそういうこともやって。
岡田
最初は「家も車も用意してある」
みたいなことを言われたんですよ。
でも、実際行ったら何もなくて、
車もナンバープレートも自分で取りました。
ものすごい大変だったんですけど、
あんだけ啖呵切って日本を出たから、
いまさら帰るわけにもいかなくて(笑)。
糸井
なるほど。
岡田
だから日本に帰って来たとき、
サッカー雑誌の取材で
「ドイツで何を学びましたか?」って聞かれて、
「夜露をしのぎ、家族に食事を食べさすこと、
それがどれだけ大変かわかりました」って答えて、
相手に「はぁ?」って言われました(笑)。
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糸井
それに比べたら、
今治なんてもう日本語は通じるし。
岡田
一応、ときどき敬ってくれる人もいて(笑)。
糸井
岡田さんがサッカーの監督やってるときは、
ありとあらゆる戦略やら戦術やらを
調べたりするわけじゃないですか。
相手の国民性とかだって研究するわけで。
岡田
はい。
糸井
「とにかく行っちゃえ!」っていう発想と、
あらゆることを調べて準備するところと、
ほんとにその両方があるというか。
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岡田
ぼくはもう鉄砲玉みたいに、
なんでもやっちゃうタイプなんです。
それで突っ込んで、もうヤバイ、
どうしようもないなと思ったときに、
「ここで生き残るためにどうすんだ?!」
っていうふうになるんです。
そこで初めてあらゆることを考える。
だから代表監督のときも、
最初はちょっと軽くやっていたというか。
糸井
そうなんですか?
岡田
最初はそうでしたね。
でも、負けて叩かれて、暴動が起きて、
そのときに「このままじゃまずいぞ」と。
真剣にやらないかんなって。
そこで初めてスイッチ入ったんです。



97年に初めて代表監督をしたときも、
カザフスタンで加茂さんが更迭されて、
次が1週間後のウズベキスタン戦だったんです。
加茂さんから部屋に呼ばれて
「わしアウトやから、お前がやってくれ」と。
そのときに
「1試合だけやります。それでぼくも辞めます」と、
加茂さんにはその場で言いました。
糸井
1試合だけやると。
岡田
それでもう必死に練習して、
当時キャプテンだった井原正巳が
「あんな厳しい練習して、
もし本番で動けなかったら
『岡田さんのせい』ってことにしよう」
ってみんなで言ってたらしいですけど(笑)。
まあ、それぐらいやったんですけど、
結果は引き分けだったんです。
糸井
ほんとうはそこでやめようと。
岡田
そのつもりだったんです。
でも、あの試合1-0で負けてて、
最後にディフェンスを上げて、
井原に「前に蹴れー!」つって、
ドーンとうしろから前に蹴らしたら、
キーパーがボールの目測を誤って、
トントントンってそのままゴールに入ったんです。
試合終了間際にそれで引き分けた。



それで「あ、これで入んの? 
俺、なんか持ってるかも」と思ったんで、
記者会見のときに
「これはひょっとしたらひょっとしますよ」
みたいなコメントをしたら、
新聞記者みんなに嘲笑されて。
それで、もう、あったまにきちゃって。



で、ロッカールーム戻ったら、
普段は絶対泣いたりしない冷静な選手まで、
「これで終わりだ」って、
みんなでワンワン泣いてたんです。
そのとき、みんなこんなに苦しんでるのに、
こいつらだけ置いて
俺だけ楽になるわけにいかねえなと。



それで加茂さんにそのあと
「最後までやらせてください」
って伝えたら「やれ」って。
それで最後までやることになったんです。
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糸井
そんなことがあったんですか。
岡田
それで次の試合のUAEにも引き分けて、
そこで暴動が起きてしまった。
カズのポルシェにイスを投げた奴もいて、
バンバン物が飛んで来た。
あのときはちょっとみんな異常でした。
糸井
日本中がね。
岡田
あれはマスコミも含めて、
日本全体の雰囲気が異常でした。
ワールドカップに一度も出たことがないから、
異様なものに祭り上げられていたんです。



記者会見のときも
「お前はワールドカップをわかってんのか!」
とか言われたりしたんだけど、
いやいや、お前もわかってないやろって。
ワールドカップ、見てるだけやん(笑)。
糸井
(笑)
岡田
もう、とんでもない状況でした。
ワールドカップというものが、
なんだかモンスターみたいになってましたね。
(つづきます)
2022-11-10-THU
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2022年11月15日(火)
AM11時より、一般発売スタート!
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検定球ではありませんが、
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11月15日(火)AM11時より、
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サイズは5号球で、価格は税込7920円。
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