7月1日に一般販売をスタートした
「ほぼ日のアースボール ジャーニー」。
今度は「旅」がテーマということで、
これまで70カ国以上を訪れたという
『地球の歩き方』の宮田崇編集長に
旅の話をいろいろうかがってきました。
コロナ禍でガイドブックの売上は9割減。
一時はブランドの存続が危ぶまれたことも。
ようやく旅行業界に光が見えはじめたいま、
プライベートも仕事もごちゃまぜに
思いの丈をたっぷり語っていただきました。
聞き手は「ほぼ日」の稲崎です。
- ──
- 一番最初の旅はどこだったんですか?
- 宮田
- インドです。
- ──
- なぜインドだったんですか?
- 宮田
- 家に『地球の歩き方』の
インド編があったからです。
高校生のときに
ばあちゃんが亡くなったんですが、
遺品整理をしてたら偶然その本が出てきた。
- ──
- おばあちゃん、
インドに行かれたんですか?
- 宮田
- いや、行ってないんです。
本を持ってたくらいなので、
いつか行くつもりだったと思うんですけど。
うちのばあちゃんは、
若いときにおじいちゃんを亡くしたので
独り身が長かったんですね。
だからか旅がすごく好きで、
おふくろとよく海外に行ってましたね。
- ──
- おばあちゃんの本を見つけて、
それでインドに行ってみようと?
- 宮田
- そのときは一度も開くことなく、
部屋の本棚に入れたままだったんです。
それが大学1年生の冬くらいに、
たまたま本を開いてみたら、
おもしろそうな国だなって。
あ、インド行こうって。
- ──
- 直感的に。
- 宮田
- もう直感で行ってみようって。
それですぐに近くのHISに
インド行きのチケットを買いに行ったら
「パスポートを出してください」って言われて、
運転免許証を出したら
「それじゃないよ」って言われて。
- ──
- そこからですか(笑)。
- 宮田
- そこからなんです(笑)。
それでパスポート取って、
親友と一緒にインドに行きました。
大学2年になる前の春休み。
出発日は1月27日。
- ──
- 日にちまではっきりと。
- 宮田
- 高校生くらいから日記を書いているんです。
この2年ぐらい取材をお受けすることが増えたので、
昔の日記を読み返すことも多くなって。
- ──
- その旅のことも
日記で残ってるんですか?
- 宮田
- 読むとおもしろいですよ。
「1月27日のぼくは
成田に着いて緊張している。
手汗が止まらない」とか(笑)。
- ──
- わーー、すごい!
- 宮田
- そこから45日間インドを旅しました。
何も分かんなかったから行けたんでしょうけど。
- ──
- 体力さえあればなんとかなるだろうと。
- 宮田
- いや、体力が要ることも知らなかった。
ちょっとでも誰かに相談してたら
行ってなかったと思います。
絶対「やめとけ」って言われますから。
おふくろにも直前まで言わなかったですね。
- ──
- なんでそこまでして
インドに行こうと思ったんでしょうか。
- 宮田
- とくに理由なんてないですよ。
親友となんとなく盛り上がっただけというか。
一緒に行った親友は長渕剛が大好きで、
「俺、ガンジス河で
長渕の『ガンジス』聴くんだ」って。
バイバイガンジィス、大いなる河よぉお♪
- ──
- わはははは。
- 宮田
- 旅のきっかけなんてそんなもんです。
ただ、私はそれで旅にハマってしまって、
そこからは夏休み春休みの年2回、
必ず45日から50日ぐらい旅に行きました。
- ──
- 大学1年生からずっとですか?
- 宮田
- ずっとですね。
- ──
- それはインドだけじゃなく?
- 宮田
- もう本当にいろいろ行きました。
東南アジアぐるっとまわって、
南米がいいぞって聞いたら南米行って。
大学4年のときに
『地球の歩き方』の内定が出たんですけど、
夏休み前に会社に行ったら、
当時の社長から航空券をわたされて
「チケットあげる。旅、行ってきなよ」って。
それでヨーロッパにも行きましたね。
- ──
- それは取材とかでもなく。
- 宮田
- 単に旅してこいってことで。
当時は内定するとチケットがもらえたんです。
みんなもらったんじゃないかな。
- ──
- ちなみに、いままで何カ国くらい行きましたか。
- 宮田
- 72の国と地域です。
- ──
- 一番行ったのはやっぱりインド?
- 宮田
- ‥‥と言いたいところですが、
じつは一番行ってるのは香港なんです。
- ──
- 香港。これまた意外ですね。
- 宮田
- 香港ディズニーランドの
年間パスポートを持ってたので、
多いときで年20回は行ってました。
- ──
- わざわざ香港まで行くんですか。
- 宮田
- だって日本のディズニーランドは
混んでるじゃないですか。
1日で3つ4つくらいしか
アトラクションに乗れないし。
お金持ちだったら
待ち時間もお金で解決できますけど、
私みたいな小市民は香港に行くしかなく‥‥。
- ──
- どっちがどうだか(笑)。
- 宮田
- 当時は香港エクスプレスで
夜の12時くらいに日本を出発すれば、
朝の4時には香港に着いたんです。
そこからお粥食べて、ディズニーランド行って。
金土日で余裕で行けます。
- ──
- そうかもしれないですけど‥‥。
- 宮田
- 東京の日比谷でいつも行列の
「ティム・ホー・ワン」の飲茶も
並ばずに食べられますし、
費用対効果でいったら安いくらい。
香港ディズニーランドは、
確実にミッキーにも会えますし、
写真も撮り放題なんです。
向こうのディズニーホテルに泊まれば、
寝る前もミッキー、朝食もミッキー、
帰国する頃にはミッキー疲れが出るくらい。
- ──
- 日本じゃありえないですね。
- 宮田
- いまは香港に行けないので、
ちょっと寂しいなって思います。
- ──
- じゃあ、行った回数でいえば、
香港がダントツなんですね。
- 宮田
- ダントツ香港ですね。
『地球の歩き方』の中間管理職としては、
食い気味に「インド好きです」と言いますけど、
実際一番行ってるのは香港です。
- ──
- しかもディズニーランド目当てで。
- 宮田
- 言えない言えない(笑)。
さすがに大きな声では言えません。
なので対外的にはいつも
「ガンジス河でエニグマ聴いてます」
って言うようにしてます。
(つづきます)
2022-07-03-SUN
「ほぼ日のアースボール ジャーニー」
2022年7月1日(金)一般販売スタート!
今度のアースボールは、
そのままでも使える本格地球儀です。
世界にあるさまざまな国と地域。
そんなカラフルで多様な世界を、
もっと旅するようにたのしんでほしい。
そんな想いで「ジャーニー」という名前を付けました。
まずは「ジャーニー」を手に取り、
気ままな想像の旅に出かけてみてください。
そしてもっと冒険がしたくなったら、
スマホやタブレットをかざしてみてください。
地球をとびだして、宇宙を旅することだってできますよ。
詳しくは公式販売ページをご覧ください。
(C) HOBONICHI