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“WONDER SCHOOL !”
ほぼ日刊イトイ新聞 presents 超時間講演会。



(※今日からは、「学問は驚きだ」に登場する、
  惑星物理学の松井孝典さんとの
  打ちあわせの会話を、おとどけいたします。
  いきなり、根本的な話ですよ!)
松井孝典さんプロフィール
糸井 松井さん、引き受けてくださって、
ほんとにどうもありがとうございます。

松井さんのお話を聞いていると、
「宇宙的視野を持つと、
 たいしたことじゃなく見えることが、
 人間圏にいると、
 えらいタイヘンに見えたりするんだなぁ」
と、明快に気づかされるんです。

人間の世界にだけ、とらわれていると、
わからないことが見えて、スカッとするというか。
その段差みたいなのを、今回の講演では、
バーンとぶつけていただきたい、と言いますか……。
もちろん、何を話されても、
それはそれで、おもしろいと思っているんですけど。
松井 実は、考えることについては、
私自身も、毎年のように変わりますから。
最近何を考えているかについて、
お話をしようかと思います。

たとえば、昔は
「宇宙から地球を見たり、人間を見るとこうですよ」
と、ある種、普遍性について語っていたんです。
「文明とは何か」とか。
糸井 今は、違うんですか?
松井 「何が普遍で、何が特殊か」についての考えは、
最近、ちょっと、私の中で、変わってきています。

もちろん、この宇宙に関しては、
歴史はひとつですから、厳密には普遍はない。
ところが、地球から見れば
宇宙は広大だから、そのスケールで
一般的なら、普遍だと思っても、まあいい。

その「普遍」という理解のなかで、
地球だとか生命だとか、
人間に関する部分っていうのは、
どのぐらい普遍性があるのかというと……
疑問が生じてきている。

自然とは何かというのが、
ビッグバン以来の宇宙の歴史を
解読することですが、
そのなかで、この数年、
「新たな惑星系の発見」というのが、
あいついでいるわけなんです。

そういう結果を見ていると、
この太陽系は、
けっこう特殊かもしれないと言うか。

少なくとも普遍ではない。
糸井 え?
松井 太陽系が特殊だということです。
ということは、
地球が特殊かもしれないんです。

惑星系として見た時に、
むしろ木星や、土星みたいなもの、
これは、一般的かもしれない。

地球型惑星は、
割合でいくと10%から20%くらいかもしれず、
あるいは惑星系そのものも、
例えば太陽系と同じようなものを探すとすれば、
同程度しかないかもしれない。

残りはみんな、ぜんぜん、
「別の惑星系」かもしれないということです。

そこには、地球はない。
要するに
「地球は生命を生む惑星として
 普遍的ではない」

ということです。
糸井 うわぁ!
それって……困りませんか?
松井 まぁ、その辺が、むずかしくなるんだけど、
「それでもなおかつ我々は普遍性を求める」
ということになりますよね、科学なんですから。
糸井 はい。
  (どうなるんでしょう? 明日に、つづきます!)





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