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“WONDER SCHOOL !”
ほぼ日刊イトイ新聞 presents 超時間講演会。



(※前回にひきつづき、
  松井孝典さんと糸井重里の対談を
  おとどけです。)
松井孝典さんプロフィール
松井 私自身、自然科学をやっている時は、
二元論と要素還元主義を、
まったく、疑わないでやるわけ。
だってそれが、ルールだから。

ただ、一方、
自然科学の研究者から離れると、
「このルールはどこまで正しいのか」
「わかるっていうことは、何なのか」
と、考えるんです。
そうすると、やっぱり、
「わかる」って限定的だと思うわけですね。

「わかる」ことに関しても
最近は、今まで言われている
「明快にわかる」という世界とは
違う世界があるということがわかってきてます。
そこに、普遍や特殊の問題が絡んでくると……。

糸井さんとは、
ここ一年ぐらい会ってないでしょ。
その間に、こんなふうに、
私自身、考え方が変わってきているんです。
糸井 (笑)うん。
もう、どうしちゃったのかと思うくらい、
「ものすごい明快じゃないおもしろさ」がある。
松井さんと言えば、「明快」って思ってたもん!

「会ったらすっきりする」みたいなつもりなのに、
今日はもう会った途端に、
「わからないよ」みたいな……。
松井 これまでは宇宙から
普遍性を追求し、最近まで、
すべてを明快に説明してましたからね。
糸井 明快でした。
松井さんに会うと、
ぜんぶ、わかるような気がする、みたいな。
松井 そうだったかもしれません。
糸井 今日はぜんぜん違う(笑)。
聞いていると、こっちも弱るばかりで。
松井 (笑)私も弱っちゃう。
ここのところ、
新聞に書いたりするものも、
何か歯切れが悪い。
普遍か特殊かっていうことを考え出したから。
糸井 はぁ……。
じゃあ、講演内容、どうしましょうねぇ?
松井 惑星系について言えば、今まで、
太陽系以外はまったくわかってなかったのが、
いろんなことがわかってきたんです。

宇宙が特殊だということはわかっていたけど、
そこまで話を広げちゃうとキリがないから、
「この宇宙での普遍性」に留まれば明確に話せた。
糸井 「この町内会では、通じる話」みたいな。
松井 そうですね。
例えば、有機物にしても、地球上での
有機物には、リン酸が入っている。
ところが、リンなんて、
元素としてはすごく特殊なんです。
地球の上での生命を考えるとリンを使うけど、
よその天体で生まれた生命は、
リンなんか使わないかもしれない。

あるいは、地球上の生物が
持っているものから、
アミノ酸は二〇種類とされているけど、
よそでは、そんなの関係がないかもしれない。
そういうふうに考えていくと、
わけがわかんなくなっちゃうんです。


前提が、みんな、崩れていってしまうから。
  (明日に、つづきます!)





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