怪・その38
「突然の暗闇」


以前お付き合いしていた方の影響か、
ある時期を境に
何かを見たり感じたりするようになりました。

数年前、友人たちとキャンプに行ったときのこと。
温泉に入ってキャンプ場に戻る途中、
辺りはすっかり暗くなっていました。
でも、対向車などの景色は見えていました。

と、とたんに目の前が真っ暗になったのです。

目を開けていても
閉じていても同じくらいの暗闇で、
対向車も見えない!

車に乗っていた全員が
「見えない!見えない!」と叫びました。

何秒かすると、突然見えるようになりました。

友人たちは一様に
「なんだったんだ、あれは!!」と
興奮ぎみに話す中、
わたしにはピンとくるものがありました。

それも、別の友人と車で出かけた帰りの夜でした。

とある交差点に差し掛かり、
左折した瞬間、

目の前が真っ暗になったのです。

わたしは、はっと息を飲み、
金縛りにあったかのようにしばらく動けませんでした。

運転していた友人もかなり霊感があり、
あとで話してくれたことには

「あの交差点、交通事故があったね。
 壊れたバイクも見えた」と。

そしてたぶん、誰か亡くなっているのでしょう。

でも、乗っていたあと2人の友人には
何も起こりませんでした。

その時と同じ暗闇。
しかも全員体験した。

もしかしたらわたしたちも、
事故を起こしていたかもしれない‥‥。

車に乗っている夜に
また暗闇がやってきたらと思うと、
ちょっと怖いです。

(ナヨミ)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
前の話にもどる もう、やめておく 次の話も読んでみる
2011-08-29-MON