怪・その13

夜の駐車場で

5年ぐらい前の話です。

主人は、仕事の関係で、
月の半分ほどは単身赴任状態でした。

私は、一緒に行ったり、後から行ったりして、
週末をその町の観光スポットで過ごしてから
一緒に自宅に帰る、というようなこともありました。

後から行くときは、運転好きの私は、
一人、ドライブを楽しみながら通っていました。

そんなときは、自分のペースで事を進めているため、
いつも、着くのは夜半でした。

その日も、そうでした。

人っ子一人いない、
車も一台も停まっていない駐車場に着いて
車を停めた途端、

私の車の後ろを誰かがドンドンドンドンと叩きました。

手のひらというより、こぶしで、
もっのすごい力ではなく、
さりとて、コンコンというノック音でもなく、
結構な力での、連続した
「ドンドンドンドン‥‥」でした。

本当に吃驚仰天しました。

バックミラー、サイドミラーを見ましたが、
誰も見えません。

目ではミラーをキョロキョロ見ながら、
震える手で携帯をかけ、呼び出し音が鳴っている中、

またもや、車の後ろが
ドンドンドンドンドンドンと叩かれました。

ミラーに誰か(何か)がうつるのも怖いし、
誰も(何も)うつらないのも、怖い状態。

でも、誰も(何も)うつりませんでした。

携帯はすぐ通じ、
主人も普通にすぐに出てきましたが、
その後は、何の音もせず、何の異常もありませんでした。

いったいあの音は何だったのか、今でも不思議です。

(Hitomi Y)

こわいね!
2013-08-15-THU