怪・その35
「スーパーボールは、ある」
小学生のときに、
不思議な体験をしました。
ある夜、自宅の二階の奥の自分の部屋で
勉強をしていました。
ずっと机に向かって疲れたので、
息抜きにスーパーボールで遊び始めました。
部屋の前の廊下でポンポンついていたら、
手元がくるい、階段から落ちてしまいました。
そのとき運悪く玄関が開いており、
スーパーボールは勢いよく外に跳ねて行き、
砂利に落ちる音が聞こえました。
茶の間にいる母に取りに行くことを言うと、
もう暗かったので明日にするよう言われ、
たしかに見つかりそうもなかったので
そのまま部屋に戻りました。
その間、私は階段と玄関の間にいて、
二階には誰も行っていません。
部屋に戻り、
机に向かって座った瞬間、
混乱しました。
机に置いているペン立てに、
そのスーパーボールが乗っていたんです。
恐る恐る手にとって確認しましたが、
傷もそのまま、紛れもなく同じものです。
というより、珍しいスーパーボールだったので
１つしか持っていませんでした。
さらに、スーパーボールが階段から落ちて
玄関を出てから、
誰も外に探しに行っていません。
さすがに、私も子供だったので、
よくわからなくなり、
茶の間に行き母に聞きましたが、
気のせいだとか言われました。
再び部屋に戻ると、やはりスーパーボールはある。
混乱するし気味が悪いし、
そのスーパーボールでは遊ばなくなりました。
そして気が付くと、そのスーパーボールは、
あると思っていた場所からなくなっていて、
忘れた頃ひょんなときに現れて、
未だにドキッとするアイテムです。
（めっけ）
