怪・その7
「見知らぬ男の子」
それは独身で一人暮らしをしていた
アパートでの出来事です。
ある夜寝ていると、夢なのか、
私のベッドから
1メートルほど離れたところに
見知らぬ男の子が立っていました。
小学校高学年ぐらいで、
野球帽のようなキャップを被っていました。
その子は泣きじゃくりながら
「お父さんが死んじゃった」
と、何度も繰り返し言ってるのです。
怖くて、その子に声をかける事も出来ず
私は寝いてるふりをしていたのですが
つい、男の子の方を見てしまったのです。
すると男の子と目が合ってしまい
「僕の事が見えるの!」
と言いながら
男の子が私に近づいて来たのです!
私は固く目をつぶり
「お願いだから、部屋から出て行って」
と心の中で念じながら
意識が遠のくのを感じていました。
次に気付いた時は朝になっていて、
男の子はもういませんでした。
あまりにもリアルな感じで
夢なのか、現実なのか分からない
不思議な出来事でした。
(S)