怪・その68

「小さな雷さま」

今から35年ほど前。
私が幼稚園の年長さんの時の話です。

季節は覚えていませんが、
夕立がざーっと。

ひどく雷が鳴り響き、
私たち子供らは
2階の教室でキャーキャーと
雷が鳴るたびに騒いでいました。

そこへ、また一つ。
ドッシャーーーンと雷が落ちたのです。

そして私は見たのです。

小さな雷さまを。

羽衣のようなもの
(まさに風神雷神の屏風絵のような)を持った、

それは小さな雷さま。

幼稚園児だった私がそう思ったのだから、
相当小さな。

いわゆる「手のひらサイズ」の雷さまで、
子供ごごろに
「これは子供の雷さまだ」と思ったのです。

突然目の前に現れて、
あわてたようにベランダへ出て行きました。

その話を何十年もたった後、
母親にそういえば子供のころね。と話したら、
「そういう話を、なんでその時にしなかったの!」
と言われましたが‥‥。
(どうやら我が家は、母も父も、
何かを見るひとのようです)

幼い私は普通に「雷さまはいるんだ」と
素直に納得しただけ。なんですけどね。
雷が鳴ると、いまでも思い出します。

(おはぎ)

こわいね!
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2018-09-03-MON