ほぼ日には、見習い乗組員として働いていた
「フェザード・シジュ」という名の
おかしな銀色の宇宙鳥がいました。
その鳥が、ある日活動を止めてしまいました。
Twitterの更新も滞り、
「体調が悪くなったのではないか」などと
心配の声もいただきました。はたして何が起こったのか。
これはそれを解明しご報告するコンテンツです。
福島出張から戻った私たちは、
いったいいつまで宇宙鳥の足取りが
はっきり確認できていたかをさぐりました。
記憶をたどると──まず、シジュは
2017年9月3日に渋谷で開かれた
「全日本テルミンフェス」に出演していました。
シジュは楽器テルミンを弾くのです。
肝心のテルミンの演奏は
どうだったのでしょうか?
演目は宇宙がテーマの「ジュピター」と
地球らしい演歌「昭和枯れすすき」でした。
あんがい、ちゃんと弾けていたようです。
「昭和枯れすすき」は
マチコさんとのデュエットで、ハモっていました。
ステージ後の打ち上げの席でもゴキゲンで、
帰りもたいへん機嫌よく、
渋谷から会社まで羽ばたいていったといいます。
不安要素は見あたりません。
ここで私たちは
「ザ・ぷー」の街角マチコさんに、
全日本テルミンフェスの当日の
シジュちゃんのようすを訊くことにしました。
- ほぼ日
- マチコさん、シジュちゃんが
いなくなってしまったのですが‥‥。
- マチコ
- ええ。メールでうかがって、
とても驚きました。
- ほぼ日
- 全日本テルミンフェスで、
これから逃亡する計画があるなど、
漏らしていませんでしたでしょうか。
- マチコ
- そんなそぶりはまったくなく、
テルミンフェスでは、
いつもの絶好調なシジュちゃんでした。
- ほぼ日
- 絶好調‥‥。
- マチコ
- まわりの人とも積極的に交流して
またこれからもがんばる、という
意志を見せていました。
- マチコ
- しかし、テルミン演奏者の座談会で、
気にかかる発言があったんです。それは、
「テルミンを弾いていなかったとしたら、
シジュはただの粗大ゴミだジュな」
という内容でした。
そこまで自虐的なことを言うのは
シジュちゃんにしては
めずらしいことだと思いました。
しかし本人は、終始陽気でしたので、
心配はしていませんでした。
- ほぼ日
- シジュちゃんはなぜ
突然いなくなったのでしょうか。
- マチコ
- シジュちゃんがいなくなった理由を考える前に、
どうして地球にいたのか、
まずはそこを考えるべきなのかもしれません。
- ほぼ日
- ん?
- マチコ
- シジュちゃんがいなくなった理由はわかりません。
けれどもその前に、
シジュちゃんが「いた理由」も、
同じくらいわからないのではないでしょうか。
- ほぼ日
- ‥‥‥!!
おっしゃるとおりですね。
「なぜいたか」がわからないです。
- マチコ
- でしょう?
ですから、今回のことも、
言ってみれば、シジュちゃんらしいなと思います。
またいつか来るのかもしれないし、
来ないのかもしれないし‥‥。
- ほぼ日
- シジュちゃん、帰ってくると思われますか?
- マチコ
- なんとなく‥‥そんな気がします。
かわいい弟子だったので、
いなくなったのはとても残念です。
悲しいというよりは突然すぎて、
いまは「わからない」という心境です。
でもまぁ、わからないままでもいいのかな?
シジュちゃんはなんだか、
そういう存在のような気がします。
- ほぼ日
- いまどこにいるかわからないシジュちゃんですが、
テルミンの師匠として、
シジュちゃんに言いたいことはありますか?
- マチコ
- シジュちゃんはこれまで、
ふるさとの宇宙を思い出す「北の国から」、
そして「ジュピター」を課題曲として選び、
テルミン大学に通って練習してきました。
ここ1年でずいぶん上達してきたので、
そろそろシジュちゃんのテーマソングが
あってもいいのかな、と考えていたんです。
- ほぼ日
- ほんとうですか。憧れのテーマソング‥‥。
ああ、シジュちゃんに知らせたいなぁ。
- マチコ
- いつか帰ってくるかな、と思いながら
シジュちゃんのテーマソングを
妄想しておきたいと思います。
シジュちゃん、
いったいいまごろどこにいるのだろう。
謎はなんと早くも次回、
くっきりと解明されます。
明日につづきます。
2018-03-27-TUE