タッパーにおかずをまとめて詰めていくと、
食べきる前に飽きてしまうという母のために、
次からはもう少し、味や食材のバリエーションも増やし、
栄養のバランスや塩加減なども配慮して、
それぞれ食べやすく、目でも楽しめるよう、
かわいらしいお弁当用おかずカップに
1食分ずつ見当で、小分けにしてみました。
せん切りにんじんと薄皮を除いたたらこ、
酒、水を鍋に入れて柔らかくなるまで炒り煮にし、
仕上げにバターで風味付け。
バター、大丈夫かしら?と思いつつ。
『切り干しポン酢』
もどした切り干し大根をゆでて水けを絞り
しょうがのせん切り、赤唐辛子、ポン酢しょうゆ、
ごま油で和えます。
『アスパラごまあえ』
柔らかく塩ゆでしたアスパラは斜めに切り
少しのしょうゆ、すりごまで和えます。
『ひじきの梅風味』
もどしたひじきは、粉かつお、水、みりん
梅肉、しょうゆ、ゆかりで炒り煮にし、すり胡麻を加えて仕上げます。
母は、お医者様から骨粗相症になりやすいと言われたらしいので
カルシウムを意識して、切り干し大根や胡麻を加えています。
また 昔から貧血なのでひじきの鉄分に期待です。
『オクラの塩ゆで』
みそ汁の実にしたり、納豆に混ぜたりと、
自由にアレンジできるように。
この時は家のごはんをシェアしたのですが、
ゴーヤチャンプルーは衛生面が心配だったので、
卵を入れる前に取り分けました。
『オクラのじゃこのせ』
オクラも食べやすいように、
少し柔らかめに塩ゆでして、じゃこをのせました。
『めかぶの粉がつおあえ』
めかぶは塩分があるので、旨味のある粉かつおを加えて味を調えます。
運動量が少なくなっているので、海藻は便秘対策です。
これなら、その日の気分次第で、
食べたいものを、ほどよき量で
自由に組み合わせられるはず‥‥。
あとは、以前より量をぐんと減らして、
主菜代わりにもなるものや、
箸休めになるものも、いくつかプラス。
この一品で、動物性たんぱく質も野菜も
バランスよく摂れます。
牛肉としょうゆを炒め合わせた香りは最強!
白いご飯が進むおかずです。
2cm厚さに切ったさつまいもを、じっくり揚げてから
砂糖、蜂蜜、水を煮立てたところに入れて2分位煮ます
これは皮が少し食べにくかったのでしょうか、
食べる時に実と皮がはがれてしまいました
皮つきでもいちょう切りの方が食べやすそうです。
揚げればコクは出ますけれど、
煮るだけの方が柔らかく仕上がるかもしれません。
わたしも、いい大人ですから、
別に、親に頭をなでて欲しくて、
というわけではありませんが、
喜んでもらえれば、やはりモチベーションもあがります。
でも、そうやすやすとは、問屋が卸さないのですねー。
実は、思わぬところに落とし穴がありました。
それは『食べ忘れ』。
最初のころは、物珍しさもあったのか、
きれいになくなっていることもありましたが、
種類が多いことが逆に災いしたのか、
冷凍庫に移して、そのままになっていたり、
中が見づらかったり、開けにくい保存容器だと、
いちいち残りを確認するのもおっくうらしく、
そのうちに、そんなおかずがあったことすら、
すっかり忘れてしまう、ということになるようです。
要するに、小分けにしておくと、
食べやすくはあるのですが、
取り置きっぱなしになりやすい、
という半面もあるんですね。
また、健康のために、食べてもらいたいおかずの
レシピ候補は、たくさんあるのですが、
コレって、「わたしが食べさせたいもの」であって、
必ずしも「母が食べたいもの」ではないのかもしれません。
いくら「体にいいから」と勧めてみたところで、
「あぁ、ほんとに、ウチの娘は口やかましいこと」
ぐらいに、思われてるだけだったりして….?
その後もまた、
1ヶ月ほど前に届けた、おかず3食分が、
やはり中途半端に手をつけられたまま、
残りが冷蔵庫の中でカピカピになっているのを発見!
さすがに、これには少々腹が立って、
台所が汚れていることや、部屋の散らかりぶりまで、
ひとまとめに、つけつけ指摘すると、
母もまた、子どものようにムキになって言
い返してくる
というありさまで、
母娘とはいえ、オンナ同士って、
こうなるとホントに陰険です。
お互い、キゲンが悪いまま、帰途につくハメになりました。
そして、そのあと味の悪いことといったら‥‥。
冷静になって考えてみれば、
誰だって歳とともに視力も落ちて、
細かい汚れなども気がつきにくくなるものでしょうし、
私にいわせれば、「ありえない散らかり方!」
としか思えない部屋の乱雑さも、母にとっては、
心安らぐ、巣づくりのようなものなのかもしれません。
ゴメンネ、おかあさん。
こうして『小分け作戦』は大失敗。
まったく、いろいろなハードルがあるものです。
まだまだ再考の余地はいっぱい!
80歳代は、私にとっては、
まだまだずーっと先にある、未知の世代です。
体や心がどんなふうに変化していくのか、
なんとなく想像することはできても、
腑に落ちて共有するところまでは、とてもとても。
我が母とはいえ、その気持ちを、
そっくりくみ取るということは、本当に難しい。
課題はまだまだたくさんありそうです。
(次回に続きます)