アンリ |
福森さんには、
跡継ぎの娘さんが
いらっしゃるんですよね。 |
糸井 |
ちがう意味で期待できますよね。 |
福森 |
ええ、もう自由にやったらいいし。
自分がそう思って潰したら
それはそれでいい。 |
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糸井 |
福森さんそのものじゃないけど、
娘さんたちのやりたいことはやっぱり、
いま呼吸してることだから、
おつきあいしていて、
ぼくらはやっぱり、気持ちいいですね。 |
福森 |
何かの精神が伝わってたら
それだけでいい。 |
糸井 |
料理に砂糖は使わないとか(笑)。 |
一同 |
(笑) |
糸井 |
お母さんは使うんですよ。 |
福森 |
わたしがいないときは使うね。 |
一同 |
(笑) |
糸井 |
そういうのもおもしろいんですよね。
育った水のちがいですよね。
両方おいしいんですよ。 |
福森 |
飲みましょう。
はははは。 |
糸井 |
ほーらきた。 |
アンリ |
泊まってもいいですか(笑)。 |
福森 |
いいよ。 |
ふみこ
さん |
いいのかなぁ。 |
アンリ |
イタリアのことわざなんですけど、
アルコールは毒で、
ゆっくり人を殺すんですけど、
時間あればいいじゃないですか、って。 |
一同 |
(笑) |
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福森 |
日本もね、百薬の長とも言うし、
なんとか水とも言いますから(笑)。
そこから物ができてくるんです。
わたしのモットーはね、
主人三杯、客一杯。 |
アンリ |
とてもエレガント。 |
福森 |
飲むことに関しては人に負けません(笑)。
冬なら、炭入れてね、
硬いチーズを焼きながらウイスキー。
もう最高。 |
ふみこ
さん |
ドイツ人のようですね。
熱いチーズを食べながら、
すごい濃いさくらんぼのリキュール、
キルシュヴァッサーっていうのがあるんですけど、
グラッパのように、ウオッカのように
飲むんですよ。
そのさくらんぼのキルシュっていうのが
ぜんぜん甘くないんで、
それと熱いチーズを食べるんですって。 |
福森 |
いいねぇ。
囲炉裏でチーズ焼きながらね、
こうウイスキー飲むのよ。
うまいよー(笑)。 |
糸井 |
もう、いきいきしちゃった。 |
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福森 |
まぁ、そんなもんですよ。
あと10年ですから、あはははは。 |
糸井 |
アンリさんは
いっぱい飲んでるんですか、よく。 |
ふみこ
さん |
強いんですけど、自分が好きってことが
わかってるので、節制していますね。
ほんとは、ウイスキー、バーボンは大好き。
わたしはぜんぜん止めないんですけど、
自分はやめるって言って。
買っちゃうと飲んじゃうので、買わない。 |
糸井 |
抑えられるんですね。
福森さんの逆ですね。 |
福森 |
あのね、昔から日本は
米櫃に米がいっぱいなかったらさびしい。
ウイスキーもいっしょ。
いっぱいなかったらさびしい。 |
糸井 |
はははは。 |
アンリ |
じゃあ、なくなったら最悪ですね。 |
福森 |
さびしい。 |
アンリ |
ご自分もからっぽに
なっちゃうってことですね。 |
福森 |
でも、自分は、
からっぽになったらなったでいいんですよ。
いつもいっぱいでなくってもいい。 |
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アンリ |
うんうん。 |
糸井 |
アンリさんは
そういう話がわかるイタリア人だから
おもしろいですね。 |
三浦 |
これが通じるんやからね。 |
ふみこ
さん |
いまのような話は、
なかなか欧米人には通じないですよ。
アンリはときどき、
日本人よりも、日本人のような発言をしますね。 |
アンリ |
(にこにこ) |
ふみこ
さん |
福森さんは
ろくろ回してるときは
飲まれないですよね、もちろん。 |
福森 |
それはないです。
あのね、集中してるときに、
深酒すると、具合悪いんですよ、やっぱり。
集中するときは、深酒すると、
つい先のほうに集中してしまって。
気がね、そっちいかなくなって、具合悪いから、
そのときは、あまり、
人と付き合いをしないようにしてるんです。
人と付き合って、パーティーとかで飲んだら、
三日とか、長いと一週間調子が戻らないから。 |
ふみこ
さん |
一週間は何もつくらないって感じですか。 |
福森 |
いやいや作るけれども、
なかなかこうリズムが乗らないっていうか。
(つづきます) |