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スピルリナ・プロジェクトを実施する
ザンビア、ボツワナ、モザンビークの3カ国は
そもそも、どうやって選んだんですか? |
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アフリカ53ヶ国の中から、
戦争をしていない国、
独裁政権じゃない国、無政府状態でない国、
タイヘンな病気が流行ってない国‥‥。
そういう条件でスクリーニングして、
まず21ヶ国にしぼったんです。 |
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で、次にね、その21ヶ国の中から、
国としても栄養不良の問題に取り組みたいと
思ってる国を12ヶ国、選びました。 |
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なるほど、国によって
プライオリティがありますもんね。 |
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そう、自分のところは
栄養不良よりもエイズだ、という国もある。
ともかく、栄養不良の問題に
取り組みたい12ヶ国を選び出したんですが、
最終的には
プロジェクトの担当チームに、
その12ヶ国の大使全員に会ってもらって。 |
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ああ、実際に、人に会って決めるのは
いいですよね。
つまり、書類選考だとかじゃなく。 |
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なによりもね、大使の「目がきれい」な国。
そういう国を選んでくれと担当者に言いました。 |
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なるほど‥‥そうやって「人」で選べば、
大変だろうが何だろうが、
この先のことを、いっしょにやれるなと。 |
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そうです。
その結果、ザンビア、ボツワナ、
そして
モザンビークが、選ばれることになったんです。 |
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それと、もうひとつ。
各国大使たちの面接を担当したひとりは、
おととしまで「主婦」だった人。 |
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こういう仕事をして日が浅いから、
コネもなければ、バックグラウンドもない。 |
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そう、そうなんです。
プロジェクトを自分の利権にしたかったり、
損かトクかという観点しか持ってない大使だったら、
会ってくれないんですよ、なかなか。 |
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それに彼女は、しがらみとか、固定観念とか、
そういったものがないから、目ですべてわかる。 |
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でも、そんな彼女が「いい」と言った大使なら、
まちがいないと思うんです。 |
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彼女なら人の本質を見抜けると思った。
データや資料だけを頼りに書類選考したんじゃ、
たぶん、うまくいってないと思う。 |
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ただちに、その3ヶ国をザーッと回ってきました。
で、モザンビークでは
国連機関とやる予定だったんですが、
なんだかよくわからない動きを
ガチャガチャやってるから、
もう、わたしは、たった1日でクビにして‥‥。 |
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モザンビークでは、もう、2日めには
科学技術省と組んでやることにしたんです。 |
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科学技術省大臣に電話して、
彼のもとに
保健大臣はじめ関係省庁を組み入れて、
スピルリナ・プロジェクトを開始したんです。 |
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で、もうひとつ、ボツワナという国ですが、
これは、ダイヤモンドの採掘量で
今や、南アフリカをしのぐ国なんです。
他のアフリカ諸国は「最貧国グループ」ですが、
ボツワナは、GDPで見ると「中所得国」。 |
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だから、スピルリナの話をしても、
「無償供与なんかしてもらわなくてもいい」と、
「買う」と言うわけです。 |
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ですから、以前も言ったかもしれませんが、
このボツワナを、アフリカにおける
成功のモデルケースにしようと思っているんです。 |
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ボツワナって、黒人が自分たちでつくった国。
白人につくってもらった国じゃないから、
ボツワナがひとつのモデルケースとして成功したら、
周辺のアフリカ諸国も、
その後ろを、ついていきやすいと思うんです。 |
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だから、この国を重点的にやろうと決めて、
副大統領以下、
通信科学大臣、財務大臣、通産大臣、
保健大臣、外務大臣、地方政府大臣‥‥と
閣僚全員に、会ってきたんです。 |
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そして、8月21日に、ボツワナの保健省に
スピルリナの認証を頼んだら、
9月15日にはもう、認可が下りたんですよ。
‥‥ものすごいスピードでしょう? |
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日本だったら1年以上かかってますよ。
わたしが会った政治家たちも、
みんな、国のために何かしたいという
意欲の伝わるような人ばっかり。
とても、いい国だなって思いました。 |
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アメリカが独立したころって
こんな国だったんじゃないかなと思う。 |
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なるほど‥‥そんな国で、
アフリカの成功モデルをつくるんですか。 |
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これらの国は、
今後、アフリカの中心になっていくと思う。 |
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バングラデシュとか、アフリカとか、
公益資本主義とか‥‥
ひとつの面だけ見てたんじゃ、
追っかけきれないですね、原さんは。
かならず、同時に何かが、動いてますよね。 |
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このあとしばらく、
やっぱり公表できない話がひとしきり‥‥。
しばらく中略させていただきまして、
次回、いよいよ最終回へ! |