- 糸井
- 松本さんのマンガのなかで、
家に修理の人が来たときの話があったけど、
あれ、うちもまったく同じです。
- 松本
- ああ、はい(笑)。
お客さんが来ると、
犬は「さぁ、ぼくの出番だ!」みたいな顔で
うれしそうに待ってるんですよね。
でも、容赦なく部屋のドアを閉める。
- 糸井
- そうそう(笑)。
- 松本
- うちの犬って、
ほんとに何も考えてないというか、
まったく空気を読まない。
この前も新しい首輪を買ったから、
ためしに似合うかどうかつけた瞬間、
「やったー、散歩だ!」ってなって。
- 糸井
- あぁ、なるなる。
- 松本
- そのときは深夜だったから
行かなかったんですが、
ずっと「散歩!散歩!」ってなってるから、
口に好物のガムをねじ込んだら、
すぐに「あ、ガムだ♡」って(笑)。
- 糸井
- 犬、単純(笑)。
- 松本
- ガムを見た瞬間、
散歩のことは忘れてました。
- 糸井
- 松本さんのところ、
「コング」はつかってます?
- 松本
- 何ですか、それ?
- 糸井
- 巻貝みたいな形をした
穴の開いたおもちゃがあるんです。
穴のなかにササミジャーキーとかを
取り出しにくいようにして入れると、
しばらくそれで遊んでますよ。
いま、うちはそれでけっこう助かってます。
- 松本
- ああ、ありますね。
それに似たものはあったんですが、
うちのコ、そういうおもちゃで
おとなしく遊んでくれなくて‥‥。
ブイコちゃんはいいコなんでしょうね。
ドコノコで見たんですが、
「待て」がすごい上手ですよね。
- 糸井
- 「待て」はうまいね。
あれは幼稚園の先生のおかげです。
- 松本
- うちは「待て」をさせると、
動きたいきもちが抑えきれなくて、
ブルブルふるえながら後ろに下がっていくんです。
着信中のスマホみたいに(笑)。
- 一同
- (笑)
- 糸井
- その素直さがかわいいよね。
- 松本
- バカだなーと思っちゃうんだけど、
そういうところもたまんないんです。
- 糸井
- じゃあ、普段はどういう
おもちゃをつかってるんですか。
- 松本
- お気に入りのボールとか、ですね。
でも、おもちゃを放り出して、
すぐに猫のところへ行っちゃうんです。
- 糸井
- ああ、そうか。
猫が一番の遊び相手なんだ。
- 松本
- 猫のことが大好きですね。
うちの犬、お相撲がすっごく好きで、
猫といっつもお相撲してます。
- 糸井
- 猫もお相撲するの?
- 松本
- 猫はほんとはレーザーポインターとか、
そういう高尚なおもちゃが好きみたいで。
でも、うちの犬が田舎者だから
「よーし、相撲すんべぇ!」って、
すぐに猫のところに行っちゃう。
だから猫もちょっと呆れてると思いますよ。
「オマエ、どんだけ相撲すんだよ」って。
- 糸井
- いまの話を聞いてからマンガを読むと、
またおもしろいよね(笑)。
- 松本
- 犬はお相撲が一番好きですね。
基本、いなかっぺ(笑)。
どんなステキなおもちゃを買っても、
最後は「じゃあ、お相撲すんべぇ!」になっちゃう。
- 糸井
- このマンガって、
なぜかくり返し見ちゃうんだよ。
- 松本
- ありがたいことです。
アタマを使いたくないときとか、
何も考えたくないときとかに
読んでほしいです。
- 糸井
- ちょっとアクション映画みたいだね(笑)。
- 松本
- そうです、そうです(笑)。
歯が痛いときとかにもぜひ読んでほしいです。
あんまり深い話にはなってないと思うので。
- 糸井
- でも、そうやって読んでいくと、
たまに小さくホロリとさせるでしょう。
- 松本
- ああ(笑)。
でも、きっと、そういうのって
たまーにあるくらいで
ちょうどいいんだと思います。
2019-07-17-WED